台湾には本格的に薬効が高い生薬を使った薬膳が売りのレストランや屋台が、多数あって人気を博しております。
かつて中国に民主化革命が起こった際に、国民党党員が台湾に移り住んだとき、
華々しい中華料理調理師達も台湾へ移り台湾に根付いた歴史があります。
台湾は台湾素食といわれヴィーガンメニューも真っ青な素食文化でしたが、
中国宮廷で王族の健康を守ってきた調理法がもたらされたことにより、
台湾薬膳調理文化ができあがったのです。
そうした文化的背景から派手すぎないが薬効高い生薬を食材にいかした料理メニューが多いのが台湾の特徴とも言えるでしょう。
台湾では生薬を調理した料理を屋台で提供してもOKです。
ただ日本では法律という守るべき決まり事があります。
生薬を食材として使った調理をした料理を家庭でだすのも、
ホームパーティーで友人に提供するのも、無償ならば問題なし。
ですが有償でお金をいただくのは法に触れるのです。
そうした事情から日本でいただける薬膳レストランでは
医薬指定された生薬は使用されておりません。
医薬指定されていない食材のみが調理されてでてくる仕組みです。
ここでお気づきになられると思いますが、
薬効の高い生薬が入ってない薬膳と、それが入っている薬膳では、
健康に与える影響は明らかに違ってくるんじゃありませんか?
ということです。
私が自分と仲間内用に調理した薬膳は。
仕入れた薬効の強い生薬を使って調理した薬膳で本格的です。
気血の巡りがはなはだしくよくなる実感を味わうこととなります。
もしこの薬膳に何首鳥という生薬が入っていなければ、
もしこの薬膳に当帰という生薬が入っていなければ、
美味しさ以上に健康増進成果を期待すれば味気なく感じます。
ゆえに薬膳料理を勉強するものが生薬の勉強を徹底して深めたとしても、
生薬知識をいかしたメニューを考案して他に提供することは可能ですが、
レストランで医薬品となる生薬を使っておだしする営業はできません。
日本でこうした生薬を食材として使った料理をいただくには、
家人が薬膳料理に精通するか、そうした友人を持つ必要あり。
調理に自信あれば自分で作っていただくことです。
生薬を医薬品認定されている中国食材販売店で仕入れ、
自分の研究用にそれを調理していただいていれば問題なし。
中国食材販売店では生薬パッケージにシールで「食品」と記してますが、
実際は薬効ある医薬指定されておかしくない商品でもあるのでしょうね。
ギリギリセーフのラインでの店のご活躍に感謝しています。
そうしたことから
日本で中医学の生薬ごといかした薬膳の勉強をしたくても、
薬効ある生薬をいかした薬膳をおだしできている台湾との違いで、
食べに行って調理の参考にしたくても、いまひとつ異なるのです。。
研究熱心な日本気質から成長した現代日本式の薬膳は
すばらしいことは疑う余地もありません。
ですがそうした原型とも言える昔気質の薬膳との違いを知りたければ
薬膳料理食べ歩きの台湾旅行がしてみたくなりますね。
本格薬膳はコスト的にちょっと手が出ませんが、
台湾の気軽な薬膳チェーン店巡りもたのしそうだし、勉強になりそう。
そして最後に。
生薬をフル使用した薬膳をいただきたくなったときは、
本格的な薬膳を勉強している友人を見つけることが何よりでしょう。
というのも、人それぞれ体質というものがあって、
ある人にはその薬膳に使われた生薬は薬となるが、
別の人には毒にもなるものです。
薬効の強さから考えれば、
食べる前にその生薬や調理後の料理が体質にあったものかどうかの
判別が先んじておこなわれる必要があります。
(こうしたところを含めたとき薬膳と呼べるものになると思います)
体質等の弁証がちゃんと押さえられたときには
たのしい会食となるはずです。