一昨日前でしたか、
テレビでNHK教育テレビ・未病なんとかという(番組名忘れました--)
番組を観ていたとき、ココリコの田中さんと他に二名女優さんが掛け合い。
そのとき、おならの話題で周りに引かれても押し通そうというシーン。
これは未病なんちゃらという健康番組だからだしていい直球ネタだと、
観ている方がびっくりした次第です。
中医学の独自の診断法のひとつに(聞診:ぶんしん)があります。
聞診というと、聞くだけの診断と字面から受け取られそうですね。
ですが中国では<聞く>と<匂いを嗅ぐ>を同じ漢字を当てるため、
(聞診)が「聞く・嗅ぐ診断法」であると違和感なく感じるそうです。
で、上述したおならの話題ですが、2つくらいうんちくを語るシーンがありました。
おならは中医学の聞診テリトリーです。
たとえば
おならの匂いが強ければ熱性、なければ寒性。
そういう見方もできますし、
匂いが強いときは小腸で発生したガスが原因で、
匂いがないときは大腸で発生したものと考えられます。
寒熱を分類できておれば、
後々の対処で都合がいい。
ここの寒熱のルールを間違えてはなりません。
熱性とわかったら、熱を冷まして平熱にすること。
寒性とわかったら、熱を加えて平熱にすることです。
熱をもつならば実証であるときも多く、
実証ならウイルスや細菌感染で急性のトラブルかも知れませんし、
寒ければ虚証で慢性した消化器トラブルかもしれません。
傾向性から様々な推測をすることができるでしょう。
熱性の人をさらに熱したら、のぼせや吐き気になるし、
寒性の人の熱をさらに奪い取ったら、寒邪の餌食になります。
そうならないようにするための参考になります。
そして(未病なんとか)といった番組に触発されたわけではありませんが、
カンタンでざっくりした体質を表した表を作りました。
気虚体質・血虚体質もいれるべきですが、
ここでは煩雑さを避けるため割愛させていただきました。![]()
座標軸の中心に健康ゾーンを設置し、
右上に陽虚(体質)ゾーン、左上に陰虚(体質)ゾーン
右下に痰湿(体質)ゾーン、左下に瘀血(体質)ゾーン
私の陽虚体質を中心に、すこしだけ解説をしていきたいと思います。
私は幼少期より陽虚体質ゾーンに居続けました。
60年の長期にわたるわけは、
陽虚体質とは、気が足らないプラス熱が足らない体質のことです。
たとえるならば電気という気が足らない状態のことです。
バッテリー切れ間際のタブレットは
バッテリーをセーブするために、ディスプレーを暗くしたりCPUクロック数を下げてのセーブモードに自動で移行されて働く機能がありますね。
バッテリー切れで落ちることは極力避けたいから、
自らの機能を積極的に制限を加えます。
バッテリーの低下量のステージにあわせて抑制を強め、
フルバッテリーで快活に動作するパフォーマンスから離れていく。。。
陽虚体質というのは、バッテリー切れ間際のためセーブモードでやりくりして生きている人のことです。
(ただ私には、こうしたセーブモードが日常でそれでいいとしか感じられない)
(たった一日でも健康ゾーンで生活を送る経験ができたら、
別の体調があると気づくこともできるものでしょうか?)
こうした陽虚体質・陰虚体質・痰湿体質・瘀血体質といった、
◯◯体質が長期に渡る慢性化した状態となれば、
そこから抜け出しづらくなるといった恒常性が働き出すのです。
私が陽虚体質で、タブレットのバッテリー切れ対策のセーブモードで動くようになる。
これで年季が入ってくると、セーブモードでやりくりして生き抜く方法を無意識下で形成します。
こうなると、どういったことがおこるのでしょうか。
健康ゾーン内に移動してフルバッテリー状態で生活するのが望まれます。
錐体外路系の作用により自然治癒力が発揮され、①の健康ゾーンへ移動するよう本能には描かれています。
ですが陽虚ゾーンとう場所で生き抜く仕組みを、
慢性化した時間経過の流れの中で後天的に獲得しました。
そのプログラムが強烈に働き出せば、
その場の陽虚ゾーンに留まり続けて、
その場で生き抜くという恒常性が発揮。
そこからてこでも動かないというか動けなくなります。
幸福感の多い健康ゾーンはなげだし、
サバイバルモードで必死にやりくり。
そうするしか生きるすべをしらない。
そんな事となっている実感がないが、
そうなんですね。
くやしいじゃないですか
もったいないじゃないですか
ですが陽虚体質にいるということは、
四診に基づき弁証し客観的に把握できます。
だったらどうにか健康ゾーンに移行したい。
生きているうちに、
一度はフルバッテリーモードで活躍したい。
それってどんな気分になるのだろうか?
たのしいかな?
うれしいのかな?
笑いが込み上げてきちゃうのかな?
だったらそれが体験できない時間を少なくしたい。
そう切望するわけです。
で、いったん強力な陽虚ゾーン居座り型の恒常性を発揮した私がそこから離れるには、
自力だけでは力が足りない。
もともとがセーブモードで生きてる人ですから、
無理やむちゃをしたとしてもたかが知れているのでしょう。
そこでするべきことは、
③陽虚ゾーン定位置からの強制離脱
たとえば生薬や処方をもちいたとすれば
強制離脱はできるでしょう。
そこについては仕組みを把握できたのと、
自分の身体で体験できたことは大きい成果です。
④ただしすんなり健康ゾーンにいけるものか?
適切な選択をミスれば誤治となります。
陽虚ゾーンを離れても健康ゾーンにはいかず、
陰虚体質ゾーンにいったりきたりもあります。
夏の汗が多く流れ落ちるときなどは、
不測の急性陰虚ゾーンに陥る時期でもあります。
ただ実際のところ陽虚ゾーンといいつつも、
他の◯◯体質なども複数が入り混じりがあり、
臨床は教科書的な定形通りにはいかないのです。
本当にこっちの穴から出たモグラを叩いたら、
あっちの穴からモグラが出てきて、
てんやわんや。
えらいこっちゃ、えらいこっちゃ!
それを我が身で体験できるのは勉強になります。
そんなとき自分の見立てだけでいこうとすると、
どっぷりドツボに入り出てこれなくなることも。
そんなときの救済法です。
他の先生なりに助言いただくことで、
別角度から自分の盲点が発見できるでしょう。
ちなみに現在試す八味地黄丸を終えたあと、
他の先生からの助言で大建中湯を考えています。
私はそうやって事態を推し進めているところです。
施術志向だった私には、
漢方以外の体質改善に必要な下準備が思い当たります。
私の場合は陽虚ゾーンの腎陽虚に当てはまり、
腎機能の器質的なトラブルが内在しています。
ひとつに腰部両サイドの兪穴上のトラブルも。
ただし深層筋をリリースする治験からみれば、
下部腰椎の狭窄が強く影響しております。
こちらは適正な手順で緩める策を練って
具体的な状態の改変が行なわれなければ!
いったん強力な処方で健康ゾーンに移行しても、
肉体的気質からくる陽虚ゾーンの居付きにより、
陽虚ゾーンへ返るを繰り返すことになる。
体調がよくなってから落とされるわけで、
モチベーションが低ければここで萎えて
健康ゾーンのど真ん中への旅へが終わる。
そういった意味もあって、
腎虚といった陽虚ゾーンの者の場合には、
肉体的な腎をアクティベートできるよう
事前調整または同時進行調整が必要です。
これも私のような60歳かつ
施術で腰部両サイドを固め腰椎狭窄を持つと
いったんここを萎えさせた上で左右差をなくし
腰仙関節の詰まりを除去した上で、
ようやく本格的に仙腸関節に手が出せます。
(他者施術なら同時進行でどんどん直せるが、
自己施術ではそこが手間が5倍かかります)
ただ思うところでは、
施術をさせていただいていたとき。
腎虚体質のお客様が身体が整えられたとき、
体内の気の巡りは施術で活性化できるものの、
足りていない気の量を増やすことはできません。
そのときに、たとえば四君子湯など、
その人にあった足りてない気を補う処方をえて、
健康ゾーンで定着できるしくみが作れていたら。
そこは筋膜リリースを提供する施術ですから、
行動の範囲を越えてしまうわけです。
ですがいま、手技療法以外の知恵として、
薬膳や生薬などへ手を伸ばしていく機会を得て。
お客様、ひとりずつ顔を思い出しながら、
この方にはきっとこういった手があったろう、
あの方にはこうしたらお悩みももっと小さくなったことだろう。。
そうした思いが湧き出してきているんですよね。。。
私の祈りに近い思いですが、
〇〇体質ゾーンのサバイバルモードを越えて、
健康ゾーンにまずは到達してみてステイして。
健康ゾーン内でもバランスは陰虚にいったり陽虚にいったりといった
ブレが大きい図中の濃い黄色ゾーンでもいいでしょう。
まずは、ここへ。
しばらくここでの生活を送った後には、
ブレが大きいゾーンの内側にある
ブレが少なく安定した図中のレモン色の健康ゾーンへ。
こうした健康ゾーン内での移行は、
瞑眩反応がでるおそれは少ないかもしれない。
レモン色で生きるときの幸福感を持っている。
それは肉体と精神の相関関係から導かれることで、
肉体機能ポテンシャルの制限が解除されたなら、
こころの耐性も高まりましょうし、
脳内から幸福感を感じるようだされる
伝達物質が出やすくなるでしょう。
そのうえで人生を見つめ直してみたとき、
今までとは違うものの見え方や景色が
現れることだろうと推察いたします。
けっこう健康ゾーンにたどりつくまでは、
喜びばかりではなく、
傷つくことも、
凹むことも、
不安が爆発することも。
様々な感情と向き合うこともあるでしょう。
最後に。
私の場合、
腰椎の狭窄はだいぶ処理が進みました。
薬膳や生薬のお陰で
陽虚ゾーンからの引き離しが起きてきております。
薬膳等のバックアップは未体験で手探りですが、
手技で解決できない部分に手厚いサポートがおこなえるのは本当にありがたいですね。