急性の副鼻腔炎と思いきや、脾の失調からの症状で、脾がよくなったら副鼻腔炎の症状がきれいに消えたというお話です

中医学では痰は「脾(消化器)」で作られ「肺(呼吸器)」に貯まる(脾は生痰の源、肺は貯痰の器)と考えられいます。
余分な水湿が滞った「痰湿」が咳や粘り気のある痰(白痰、黄痰)の主な原因となります。
主に脾と肺の機能を高め、湿を取り除く「去湿・化痰」が治療原則です。



私は自身が痰湿体質ではないと考えていました。
ですが中医学の考え方を通してみれば、
4年前に歯科治療の際、抗生物質を処方され服用直後に急性副鼻腔炎を患いました。
書籍で調べれば抗生物質服用後に副鼻腔炎となる患者は多いようです。
症状は黄痰色の鼻水がひどく、ボックスティッシュ3箱が2日間でからになりました。



では、なぜそうした状況に陥ったのでしょうか?



飛び込みでお世話になりました耳鼻咽喉科のお医者様のところでは、
副鼻腔内部をファイバースコープにより撮影して私もその映像を見せていただきました。
多少の炎症がみられましたが、副鼻腔内に黄色の鼻水が溜まっていないことを確認
しました。
それにより医師から通わなくてよいと診断されたのです。



当時の私の鼻水はどこが発生源??



抗生物質(抗菌薬)は、細菌の増殖を抑えたり、殺したりすることで感染症を治療する薬です。
細菌特有の構造や代謝システムを狙って作用させる仕組みは、
消化吸収を助ける働きをする腸内の善玉菌の増殖を抑えたり殺したりする結果を生みます。


私はもともと脾(消化器全般の消化吸収)が弱いため、
日頃の消化吸収能力も、ようやっと最低レベルの動作だったのだと思います。
脾の消化能力に関わる腸内細菌の働きに余裕がなかったようで、
抗生物質で腸内細菌が働けなくなって脾が正常稼働できるボーダーラインを下回った。
その結果が急性副鼻腔炎にみえたものだったのだろうかと推測いたしました。

脾の不調から消化吸収能力の動作が異常となり湿の除去力を失うことになった。
脾は乾燥を好む性質がありますから、脾が水浸しになると、そこから痰が生まれていき、
その痰は肺に貯められるのです。
通常、脾や腎がもたらす清浄な水分は肺に送られ、肺から皮膚や各臓器などを潤し乾かさないように水分を送り届ける仕組みがあります。
ですが肺に蓄えられたものは粘り気をもっておる痰であれば、清浄な水液のように配給管を通過していくことができなくて、結果的に肺に預けられ時間経過とともにかさ増しされ、肺の肺胞等を痰で塞ぐことで呼吸機能も悪化させることになります。
歯科治療のころは私も疲労が蓄積していたころで、
抗生物質を服用したときの脾の余力が低下していました。
抗生物質を服用したその晩に、驚くほどの鼻からの痰の排泄がおきたことは、
徐々に脾が痰を生成していくものではないことを身を持って知れた機会となりました。
今考えると、副鼻腔炎によるものがゼロではなかったと思いますが、
その大半が脾が生成した痰が源だったのだろうと推測いたします。



抗生物質を服用後、急性副鼻腔炎は10日ほどで半ば収まりました。
以降も疲れがひどくなれば鼻水がでてくるを繰り返しました。



この一週間の実感として、脾の状態に改善が診られます。
自身に最適化した食薬を考案して対処したためだと思います。

お陰様で脾が弱りすぎて湿で水浸しになりづらくなってきたら、
鼻水がでてくることは、いまはまったくなくなりました。
でたとしても熱痰の黄色ではなく虚証寒性特有の無色透明で痰ではありません。


脾の改善。
それが抗生物質でひ弱な脾をダメ押しして痰を生む体質に変えた影響を、
すっかり消してくれました。


副鼻腔炎っぽかったときは鼻うがいでも、
細菌駆除のサプリでも、どうにもこうにも変化改善がいかずにスッキリしなかった。
それで副鼻腔炎を長らく患っておられるお客様とは、
『ほんとうに、副鼻腔炎って厄介でしつこ過ぎだよね』とおしゃべりしていました。
2022年頃からの副鼻腔炎の波があったと記憶しておりますから、
4年弱もの間、疲れすぎては急に鼻水がひどくなったを繰り返しておりました。
本当にしつこい。
でも去年の8月からの脾を、どうにか改善させようといった食薬の工夫をした末に、
脾の不調と熱痰色の鼻水の関係が合点がいきましたし、
この場合のケアの最適解を知りました。


どうにかこうにか理由を理解したうえで、
脾の回復から私のケースではきれいに症状が収まってくれました。
仮にまた以前の鼻水がでてきたとしても、脾を休めて調子を整える方法は把握していますから、
そうした手を早々に打てばひどいことにならないだろうと自信を持っております。

(補足:肺機能不良による肺の宣発機能の低下があれば肺の内部に水が溜まるため、それが鼻水となって外へ排泄されます。そちらは脾の痰の熱で温められ粘り気がでた状態ではなく、無色透明でサラサラしています。こちらは肺の活動が可能な状態でなければ生じやすい。別件で肺を取り囲む鳥かご状態の胸郭がしなやかに動くようになることが求められる。)



私のようなタイプの副鼻腔炎のすっきりしない経験をしておられる方の中には、
脾が弱い体質で、脾を湿らせて機能を低下させて痰を生みだし肺にためて鼻から出している方がいるかと思います。
中医学では肺は鼻に開竅するといい、鼻の穴が肺の状態を観る窓になっているといいます。
もし自分が副鼻腔炎でつらいし、
消化器全般の不調があるタイプだなとお考えになられましたら、
脾を整えるよう努めていただけたらいかがでしょうか。





最後に。
私自身、痰湿体質ではないと思っていたし、問診でチェックしても、
それほど痰湿の数値が高いものではありませんでした。

ですが肺から出た脾により生成された痰の様子を知れば、
痰湿が自分に関係しないはずがありません!!


そのことに気づいて他の方々を観察するようになりましたら、
視えてくる世界がだいぶんエグい感じに掴めるようになりました。
体質改善を見立てる幅は、教科書的な見方だけでは不十分だと言われますが、
考察を深めて現実をしることの積み重ねを前提としてわかる世界だと実感しました。

教科書をよーく読みこんで、その通りに対処できていたつもりが、
その教科書の行間や前提を想像できないと役に立ちづらい。


怖い話だなと思いました。