繰り返される五十肩が痛むとき。肩がこって固まったと考える常識を疑って、痰湿と血瘀トラブルがないかを調べましょう

施術をしていると『五十肩』『四十肩』といった不調でおいで頂ける場合があります。
手技療法で対処したときには、ピンポイントで関係する筋肉を緩めることもできます。
ですが短期間で戻られるケースが散見されるため、
予防的措置として広く周囲の関連する筋肉も含めます。

□肩甲骨関連の筋肉〘棘上筋・棘下筋/肩甲下筋〙
□腕や肩の筋肉〘三角筋/前鋸筋〙
□首の筋肉〘斜角筋、他〙
□胸の筋肉〘大胸筋、小胸筋〙


そうして畳み掛けるようリリースを重ねて状態の戻りを防いで、
凝りが再燃する前に気血の流れを順調として痛みや可動を改善してまいります。
観察されるのは肩甲骨の位置に変位がみられ、
肩甲骨が肩甲下筋や棘上筋等の緊張で固定された場合、
肩関節が三角筋等で詰まらされて可動域を狭められた場合、
首の筋肉のこりが強くなり鎖骨が上行して固定された場合、
胸の筋肉が凝って詰まることで肩甲骨が外方に固定された場合、
などのメインからサブまで五十肩を引き起こす可能性を潰して行きます。

こうすることで多くは改善状態が保たれる仕上がりでお帰りいただけます。




人によって、年か数年単位で五十肩が繰り返される方もおられます。
それは日頃からの上述した筋肉群に複数負担が蓄積される姿勢に起こる場合もあります。
しかしながら、ごく一部の方は、半年単位で肩の痛みが再燃する人がみられました。



五十肩の不調でチェックをしてみると、
前回分のリリースはある程度生きていて他動による関節可動は可能です。
ですから対処はピンポイントに近しい手技のみで大丈夫ですから、
ほっとしてお帰りになられるのです。


他のお客様とは異なるイレギュラーさが観察されており、
体内におきていた事情が私には納得できなかったことを覚えております。


いま、中医学を勉強していくことで、
当時の五十肩に襲われた方の体質を脈や問診からの記録から痰湿体質であろうと考えられます。

粘稠な病理物質である痰湿が脾の不調から生成され、
そちらが肩へと位置を遊走移動し、
肩関節や肩甲骨の周囲に陣取った。
その粘りには肩や腕を通る経絡の通行に支障をあたえ、
経絡が不通となればすなわち痛みが生じるという状態となっていた可能性が考えられます。

この痰湿が関節にまとわりつけば、
血瘀と呼ばれる血が病理物質化したかさぶた以上の強固な塊を痰湿の周囲に作られやすくなっていく。

痰湿がもとで痛みがでていたときは重だるさを感じるものだが、
血瘀がまとわりついたときには神経に障る刺痛や爆弾のような炎症痛をもたらし、
付着した組織の伸長を妨げ萎縮させたままに維持されるようになる。
初期は重だるさを感じたものが、次第にガツンときた激痛に襲われます。


こうしたケースでは、手技で患部の経絡を通しても、
やがてまたその方の痰湿が溜まりやすい肩に蓄積されてしうまう。
同様のステップで激痛が繰り返される仕組みとなる可能性が現れてくる。



では、こうした痰湿由来の五十肩は、どのように対処すべきでしょうか?


痰湿体質を脱するという体質改善が求められます。
なぜなら衝撃的な痛みがもう心配がなくなることがあれば、
精神的な不調も軽減し、本人がなさる肩へのお手入れも簡易ですみます。




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以下に中医学視点で五十肩の情報を、まとめてみました。
ご感心ある方は、一読していただけましたら幸いです。

中医学において、五十肩(肩関節周囲炎)と「痰(たん)」は深い関係にあります。

特に、水分代謝が滞り、体内に余分な水分や粘液が溜まった状態である「痰湿(たんしつ)」が原因で肩の痛みや可動域制限が引き起こされると考えられています。

この状態は「湿痰(しったん)」とも呼ばれ、
肩関節の経絡を塞ぎ、気血の巡りを悪くします。不通則痛



1. 中医学から見た「痰」による五十肩の特徴
重だるい痛み: 肩が重く、動きが渋い。
慢性的な凝り: 痛みが急激ではないが、長引く。
肥満・水太り: 体内に湿(余分な水分)を溜めやすい体質に多い。
慢性的な肩こり痰湿が血行を悪くし、ドロドロ血(血瘀)を伴うことが多い。


2. 治療に使われる漢方薬
「痰」が原因の五十肩には、痰を排出し、湿気を取り除き、血行を改善する漢方薬が用いられます。

二朮湯(にじゅつとう): 五十肩、特に湿痰による肩の痛みに非常に特徴的な漢方薬です。湿を取り除き、経絡を通す作用があります。
五積散(ごしゃくさん): 寒・湿・痰・気滞・血瘀など、複数の原因が重なった慢性的な肩こりや痛みに使われます。




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余談となります。
〘痰湿〙は、体内を遊走する性質があります。
脾で生成された痰や湿が肩にまとわりつけば五十肩となる。
膝関節にまとわりつけば膝痛となってあらわれます。

初期から中期では重だるさを感じられるという特徴がありますが、
五十肩も膝痛も状態が悪化進行するとその場に固定して移動してくれない血瘀が代謝不良の影響から現れてきます。
こうした場合には二朮湯のみでは対処が行き渡りません。
肩や膝といった患部が浅い場所に発生するとき
砭石温熱器によるケアは効果的でした。
砭石温熱による熱により痰湿や血瘀を緩めます。
特に砭石がよろしいというのは血瘀に最適な熱や音波などから、効率的な対応ができるからです。
古代中国の医師がそうした有効性を認め使い続けられていることからも、そこはお墨付きですし、
私も砭石の温熱をフルに使って血瘀の対策には助けられてきました。