まずは2つの血管を比較した絵をご覧ください。![]()
(正常な血管・気滞となり気血の流れが滞る血管図)
清浄な血流は、上図左側のように血管内をスムースに気血が流れています。
気滞による血流は、上図右側のように血管が肝の疏泄失調により適切に血管を緩めることができなくなり緊張からの収縮が起こります。すると血管の所々に肥厚した状態を形成させて気血をスムースに通すことができない血管となり、そのなかを気血が通ります。凸凹した血管内を通る際に気血が渋滞し滞留が起こります。凸凹の筒内を四方に跳ね返りながら進み熱を高めると、さらに血管の収縮が強まり状態の悪化が進みます。
(東洋医学的な言い回しがうまくできず、申し訳ありません)
中医学を学んだ方は、精神的ストレスから情志の乱れが起こり気滞が発生するメカニズムとしてイメージしていることでしょう。
では精神的ストレスが加えられたときの肉体は、どのような状況でしょうか?ひとつ、《呼吸》から観察して参りましょう。
呼吸は、空天の気となる(清気)が肺により口・鼻から吸気され、汚れた濁気を排気いたします。
精神的に充実していれば肺の宣発・粛降といった作用が正しくおこなわれます。
血管内にある気は一定の距離を持ち気体の気エネルギーとして活発に働くことができます(※)。
しかし精神的ストレスが加わると、人間はどうなるでしょう。
怒りや苦しみで呼吸が浅くなっているでしょう。
すると清気を肺に吸気する量が減り、濁気を外に捨てる量も減ります。つまり血管内の営気や血管外の衛気は捨てきれなかった濁気が正常な呼吸より量が少ない清気と結びつき、凝縮して形をなします(※)。凸凹となった血管内を通過するとき形ができた気は進行がさらに遅滞し、血管内の渋滞を現します。こうした状態が継続したとき、瘀血と呼ばれる病理物質の生成に移行するのです。
(※中医学では『気は拡散するとエネルギーとなり、凝集すると形をなします』といわれます)
強い怒りや苦しみの感情などにより精神的ストレスを持つと、
1.肝の疏泄作用がうまくいかなくなり血管を機敏に緩められず張ったまま収縮して凸凹になる。
2.呼吸が浅くなり肺の宣発・粛降が失調して気の凝縮が起きる。
といった2つの側面が合わさることで、
上図右側のような血管状況が現れます。
では、こうした場合の対処法は?
ひとつは過度な精神的ストレスから遠ざかること。
ただこれができるときとできないときがあるでしょう。
そのときは呼吸を変えてみることをお勧めいたします。
肺の宣発・粛降により体内の気の凝縮を解くことができます。これだけでも瘀血生成への段階を大きく遅らせることができるでしょう。
中国気功では吐納八勢という修練法がございます。
息を口からゆっくり時間をかけて吐くことを重視した、
優雅でゆったりした動作をすることで効率的に深い呼吸をかなえてくれる優れものです。
吐納八勢YouTube
または次のような呼吸法もよいでしょう。
「4・7・8」呼吸法(鎮静と納気の呼吸)
現代医学的に自律神経を強力に整える呼吸法ですが、東洋医学的には「腎への納気」を促進し、心の熱を鎮める効果があります。
姿勢を整える: ①と同様にリラックスした姿勢をとります。
吸う(4秒): 鼻から静かに4秒かけて息を吸います。「清気が身体を満たす」イメージです。
止める(7秒): 息を7秒間止めます。このとき、吸った気を「丹田(へその下)」へ収める(納気作用)イメージを持ち、気を下に降ろすことを意識します。
吐く(8秒): 口から「シュー」という音を立てながら、8秒かけて細く長く息を吐き切ります。「濁気や熱を全て出し切る」イメージです。
繰り返す: これを4回(4セット)繰り返します。
実践のポイントと注意点
「吐く」に集中: ストレスによる気滞では、気が滞って「吸いすぎ」になりがちです。まず「長く吐く」ことで濁気を出し、身体を緩めるスペースを作ることに集中してください。
無理をしない: 秒数は目安です。苦しくなるほど無理をすると、逆に緊張を招き(新たな気滞)、肝を傷つけます。ご自身の快適なリズムで行ってください。動悸やめまいを感じたらすぐに中断してください。