健康体から病気になる流れを西洋医学、東洋医学でわけて観察すれば次の通り。
西洋医学では①健康体→②病気→③慢性化・重病
東洋医学では①健康体→②未病→③病気→④慢性化・重病
西洋医学では、健康体の次に病気がきています。このような見方がなされます。検査をして異常があれば治療をしますが、検査をしても異常とはいいづらいグレーゾーンでは治療をせずに様子をみることがあります。もしかしたら病気にならず、健康体に勝手に戻るかも知れません。もし病気として異常を示す検査結果がでれば治療できます。
ただし患者様側としては、『朝起きてすっきりしない』、『頭痛やめまいがおきる』、『耳鳴りもある』、『肩こりがつらい』等の自覚症状があり健康体とは思えません。検査結果では異常なしだが不調を感じる状態を不定愁訴という名であらわします。
西洋医学は正常値にいるか異常かを検査等で調べ判断し、治療をします。それゆえに一定の基準が付設され安定した運用が可能となります。対して東洋医学は、成立した背景を歴史的に鳥瞰すれば血液検査の結果が正常値を診て治療をしてきたわけではなく、独自の四診という診断を行うことで病の状態を判断して治療する別体系にあたります。西洋医学での検査は病巣に関する検査が主となりますが、東洋医学ではその病巣に関連する器官をすべてひっくるめて判断材料として治療対象とします。すると西洋医学でいう不定愁訴は、未病という言葉に置き換わり、未病治療イコール予防医学の先端技術として注目を受けるようになってまいります。
東洋医学の未病治療には、方剤や鍼灸治療のほか、気功や薬膳ももちいられております。
ちなみに知り合いの方が心臓に不整があるため心配になり病院にて診察を受けました。ただ心臓の不整があらわれている状態が診察時に現れれば検査をして異常を発見し治療をすることができますが、診察をしているときは平常で異常がでないため精神の不安を下げるお薬を処方していただき帰ったといっておらられました。後日、東洋医学系の先生に診ていただいたとき、血虚証であることがわかりました。血虚も代表的な肝血虚と心血虚の両方に血虚の症候がみられ、特に心血虚という心の血が足らないため精神の不安が大きく現れていることを指摘されたようです。血虚の対処として十全大補湯等もありますが、構成生薬の数が少ないほうが目的の効きが強まることもあり四物湯の処方を受け、後日、日を改めて来院したときの様子から判断され加味帰脾湯にしていただき状態が安定したと教えてくれました。未病状態による不定愁訴(心悸、めまい、不眠など)がすっと楽に引いて生活が安定し仕事が再開できたそうです。
検査結果から異常なしといわれる未病を治療範囲内として扱う病気予防の考え方。改めて大切だなと思うところです。