節度ある消炎効果あるシップの適用

一般的に急性の筋肉痛になったときにはシップを張り様子を見る。
筋肉に十分な蘇生能力があればそれで十分やり過ごすことができる。
ただ同じ部分に常に筋肉の張りを感じ繰り返し繰り返しシップする場合。
シップの消炎効果により痛みは少なくなる。
だが繰り返しシップをせねばならないように酷使され続けた特定箇所は、
筋膜リリースをしようとしても改善しにくい難治症といえる状況へ移行する。


医療機関でかかりつけ医により経過などを診断され処方されたならば
問題ないのです。
ですが最近は医薬品に利用される強い消炎効果が期待できるシップや
塗り薬が一版のドラッグストアで誰でも気軽に手に入る時代。
そちらを安易に使いすぎて困ったことになられた方がおられまして。


痛みが出ている箇所は血液が大量に流れ壊れた組織を再生しようとする。
それは麻酔をした開腹手術後の手術跡が痛むからといって、
また麻酔を打つということはあまりしない原理に通じている。
痛みが出ていると自然治癒力が高まって手術跡の傷口がくっつきやすい。
また麻酔を打ち痛みがなければ傷口がふさがるまで長期間かかるのです。
だから「痛みにある程度耐えてくださいね」といわれます。
患者側とすればなんと無慈悲なという気持ちになりますが、
傷口がいつまでも開いていればそこから雑菌などが入りやすい。
完治も遠のくことになる。
そのことを考慮しての指示です。


だから肩こりや腰痛をシップなどの消炎剤でやわらげすぎると、
患部に血液が集まらず組織を再生しにくくなります。
筋柔軟性を塑性させるための栄養素が足りない状態。
炎症部位が複数癒着して硬く繊維化します。
繊維化が長期になれば骨化してしまいます。


この骨化した筋肉組織が体の深部にできると問題です。


筋肉が伸び縮みしないから動けない関節も曲がりにくくなる。
深層筋部に動脈が通りその動脈を圧迫して血行を悪くさせる。
長期にわたり血行が悪くなった筋組織は血管が細くなり、
運動やマッサージや温熱療法でも効果があがりにくいのです。


深い筋肉層で炎症があっても痛みの感覚が消えてしまっている部分が、
体の中にできてしまっているんですから。
一筋縄じゃいかないわけなんです。


これが難治症とおっしゃられるゆえんです。


もちろん私どもの職業はそのような場合にも対応できるよう、
いろいろと対策を立てているから一定の成果をあげるのです。
だがセルフワークで問題解消は長期間の研究と実践を要する。
多くの方々の場合は自己での対応ができておられません。


できれば消炎剤が入らないキネシオテープなどのサポートを
まずおこなってみること。
通常のキネシオテープならば消炎剤は入っておりません。
患部を物理的なサポート力などで痛みを軽減してくれます。
かえって血液やリンパ液の流れを良好にさせて回復を早めてくれます。
ただ皮膚がかぶれやすい方などはキネシオテープも苦手でしょう。
またはキネシオテープだけではまかないきれないこともあるでしょう。
そのような状態で痛みが続いてしまうならば、
医師のアドバイスの元でシップなどを利用してみるとよいでしょう。