尾骨の曲がりが改善することによる精神的な安定

肉体状況から精神へ影響が出ることもある。


尾骨の曲がりからくる精神的な躊躇心。
意外にこれは大きいことだとわかった。


それは私の実際に施術をするうえで、
お客様から教えていただいことになる。


尾骨が、左右にねじれていたり、前後に曲がっていたりすること。
それは、ほぼ10人いれば10パターンの曲があるといえるほど、
それぞれが個性的な歪み方を示している。


自分が理想型になっているということは、
相当なフィジカルメンテナンスが済んでいても難しいだろう。
それは、プロ野球選手をしているものでも、
私の目から見れば微妙な尾骨の曲がりを見出した。
その微妙な曲がりが、精妙なコントロールを狂わせることもでてくることもある。


尾骨は体の中心軸の下端に位置する最重要ポイントといえる。
コマの傘が理想であると条件をだしコマを回転させるならば、
コマの軸の最下点の尖っている部分は尾椎の尖端に当たる。
その部分がわずかにでも中心軸からずれていたとすれば、
コマの回転はきれいにはまわらない。
もし精密至極にコマの軸の下端部分があれば、
ぶれないで回転力は長時間保持できるのです。
それがぶれが多少でもあれば、短時間で失速。
そうなれば力技で労を配って回すしかない。


それは理想の尾骨の設定かどうかというような問題と似てくる。


とにかく、
尾骨が理想形で位置が正されていないならば、
脊椎の全体が縮みだしたり後屈したり側屈したり。
そんな脊柱起立筋を常に硬化させる状態は交感神経を優位にさせっぱなしにして、
肉体疲労をすっきりと、さっぱりと寝たら抜き去られるというようにはしてくれない。


多少の尾骨のずれは、一般の生活を送る上では許容範囲があるだろう。
多少の曲がりはいい。
ですが強い曲がりには、その修正がなされることを期待されるのです。



そのような折り。


バレエや水泳を真摯に修練中の方々などに、
施術の力も手伝ってか脊柱起立筋が緩められて椎間板の正常化がなされてきて、
呼吸と脊椎の前後の動作というものにも気が配れるような動き方の修正もした。
そのような方がいて。


すると尾骨が施術を受ける前の当初では、
ずいぶん個性的に曲がっていたのですが、
徐々に仙骨の自在に動き出す力を借りて
尾骨と仙骨を結ぶ仙尾関節が動き始めた。
そして尾骨が自然に矯正されだしてきた。


なかなかこのような状態になる人は少数。


本来的に、股関節のハマりの浅さや、日常的な不良姿勢や、脚部や腰部の使い方の問題、

そして過去から蓄積してきた仙骨や尾骨を取り巻く靭帯の骨化から逃れることは困難だ。


だからそこから抜け出せるというのには、
施術だけの力ではない、本人の動作の改善自覚と磨き上げがあって起こることです。


そのようなことがかなえられた稀有な人たちを観察させていただきますと、
以前の尾骨の歪み状態から改善が図られるに従って、
考え方の柔軟性が飛んできたりストレス耐性が付いたり。
そして以前は消極性があったがそれは過去のもの。
今では積極的な行動をするのに何らためらいがなく、
考えているよりも動ける。
以前は、頭のなかでどうしなければいけないかとわかっていても、
そうすることができずに、延々と悩み続けていたのがうそのよう。



それは尾骨が立ってきたことが、
あたかもコマの軸が正確なところに打たれて回転が安定してきたかのよう。


自力を信じて軽々と楽しく体が動ける。
そして以前は体力を早々に失っていたが、
それが疲れづらく疲れてもすぐ回復と変化していく。


そのような変化が尾骨の歪みの度合いが、低減してきた人から見て取れた。
それはまさに目覚ましい変化でした。
そのようなことは、
一人二人に特別起きたことではなかった。
だからある程度の一般性があると察せられるところもあるだろう。
それは実際に私のようにリリースをさせていただいて、
どのような場合であったかを認識して比較することで、
推測という判断ができるようなところもでてきます。



尾骨を直接刺激を加えて矯正をすることよりも、
その人の尾骨がなぜ歪んだのかを考えて、
関連する問題箇所を観て、そこを動かすように伝えていきたい。
一見、それは直接圧を使って尾骨の歪みを調整するよりも遠回りに感じられるかもしれません。


ですがそのような遠回りに感じる努力は、避けるべき徒労になるものではないのです。
自身の力を確実に増していく行為ならば、存分に脳に体に汗をかいたほうがいい。
苦労がはんぱではないため、そこの努力を惜しむ気持ちもわかりますが、
無用な努力には当たらない。
そのような務めは、躊躇なくすべき。
私が自分を動かすときには感じます。
手を抜いていいことと抜いてはいけないことを、
見誤っては成長はオボつきませんから。。。



真摯に身体操作の基礎から磨きをかけていこうとする粘り強い人がいるならば、
そこから改善のいとぐちをつかむことは貴重な後戻りの心配のない、
さらに理想的な身体機能を発揮させるチャンスになるはずです。


そのように進展してきた人が現れてきたことに、
胸躍る気持ちになります。



また、同時により多くの人にそのようになっていただけるような工夫をして、
係るお客様の誰一人欠けることなく、そうなっていただけるようなことへと。
特に、尾骨の歪みが許容範囲を超えている人に対して、
どのように対処していくべきかを考えたいと思います。
いいアイデアが浮かぶように、がんばってみますね。



ちなみに尾骨の曲がりが改善することで、精神的安定へと状態が変化する理由は。
骨盤底筋群の緊張がほどけて腹式呼吸がしやすくなり、
丹田への重心の安定化がなされるということから、
肉体的な呼吸代謝や筋疲労の低減が確実になされて、
呼吸の安定等による精神的なゆとりがでるものと推測しています。