体の動きのすぐれた表記方法

僕が気に入っているピラティスの本。

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書名:ピラティスボディコンディショニング
著者:酒井里枝
出版:永岡書店
本体:1,260円

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この本の画期的な点。
それは他のムーブメントを表記した本とは一線を画す、
イメージなどの動きをも矢印で表記したところです。

通常は写真やイラストを使い、
動きの方向を矢印等で表記。
それはそれで静止した人物の固定図よりは遥かにわかりやすい。

『目に見えない動きが本質的な動きを作り出している』
一般の方にはなにを言ってるのか解りにくいところです。
でもこれは、ちゃんと説明すれば誰でもうなずけること。

動きの本質は目に見えて移動している肉体部分ではない。
ムーブメントを大切に考えたボディワーク系の学習をする誰もが気付くことです。

実際に動いている部分は、
あたかも動かされている影のような部分であり、
動きを作り出している実態部分はそこにはない。

だから見えない部分を開けてみて、
その実態部分はどこだろうかを試行錯誤するのが面白い。
必死に体の中の筋肉に感覚を投入し、
コアを探したり、
体の前後左右上下の(+)(-)の位置を感じ調節したり、
力の貯蓄に励んでみたり。
相手の動きを見るときに、
衣服を着ていない状態に創造力で透視してみて、
使われている筋肉や骨を感じたり。。。

好奇心をもって見えない部分を紐解こうとすると、
すべて物理的な法則にのっとった構造体が人体であることに気付く。
見えない部分を創造する習慣を持てば、
人体の不思議を人体という乗り物を乗りこなすユーザーという立場で楽しめる。

ある意味その楽しみを見事に奪ってくれたのがこの本。
動きの実態をイメージさせてくれるような表記の試み。
すばらしい試みだと感動いたします。

他の方の体の使い方マニュアルを見せていただくことで、
気付かせてくれることが多く勉強になります。