人間の願いについて


人は基本的な欲求というものを持ちます。


第一次的欲求、
食欲・性欲・睡眠欲などもありますがそれだけではありません。


ときとしてそれ以上に人生に大きな影響を与えるのが、
次の5つ。

『愛されたい』
『信じられたい』
『認められたい』
『役に立ちたい』
『自由になりたい』


この5つが満たされているときに、
人は充実した生活を送ることができるのでしょう。

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心理的アプローチを得意にするワーカーがいいますことには、
過去そして現在に至って上記の5つの欲求が満たされているかどうか、
それをキーにしてお話を伺うという人がいました。


過去や現在、両親や親しいものへ『満たされない愛』を感じる。
誰かに賞賛される、ほめてもらえる経験が少ない。
社会的に自分の存在を認めてもらえていない。
人との係わり合いを持つような仕事やボランティアで役に立てていない。
そして自分の思い通りに生きられないていない。


この気持ちがあると精神的にまいってしまうことがあるから、
そのことに注意すべきなのですといいます。


心理的な過去のトラウマを解消するようにカウンセリングを行った。
だがそれだけでは一時的に気分が落ち着くこととなるが、
しばらくするとまた気分がめいってきてしまう。
その繰り返しを経験することが多いことに気づいた。


とあるケースをお話くださいました。


過去のトラウマは改善されている状態へとアプローチを行いました。
それにより精神的な落ち着きが得られた状態になりました。
メンタルハウスクリーニングという手法です。
頭の中で感情や思いというモノが散らかり放題。
それをいったん部屋の外に出してしまい空っぽにし、
それからその人に本当に必要なものだけを部屋に整理して配置する。
そのような感じのイメージワークです。
SMCを知っている人ならなじみのテクニックです。
それを他のものに応用できます。


今はすっきりした居心地のいい部屋にいて、
自分の大切なモノに気づいている状態です。


あとは多少満たされていないと感じた愛情について、
原因を探りリフレーミングを駆使して別の見方ができるように。
自分の見方が悪かったのではと思える場合があります。
ワーカーがあなたの見方が悪いということは一切ありません。
ケースバイケースですが過去のトラウマになった出来事以外の、
愛情の深い言葉をもらったことを思い出し観察するとひとりでに
「自分の見方が悪かった」と気づきます。
特別に私は愛されていないと感じていた、
だがそうではなかったんだ。
愛情をくれなかった問題児だと思っていたのが、
本当は心の優しい優良児だったと気づくようなものです。
・・・。
そこまでくれば視野がさぁ〜っと開けてきます。


そのときに相手に負担をかけない程度に(これが重要!)
『僕はあなたを信じています』
『僕はあなたをとても評価しているし認めています』
という言葉を連発して微笑むようにしたそうです。
それで不思議なほどクライアントの表情が明るく変わる。
ラポールという相互の信頼関係を深めることに、
真剣に取り組んだ結果でしょう。


ただ自分が他の者の役に立っている感覚を持つことは難しかった。
その点がネックになっていた。
基本的には本人の意思と意欲と自分にあったペースで進むしかない。
だがホームページ作りをそのワーカーがしようとしているときで、
Webづくりのノウハウを持っておらず苦心していたときのこと。
そのことがセッション中に世間話として話題に出たそうです。


クライアントにWebつくりを頼むつもりではなかったそうで。
ですがそのクライアントは進んで『日ごろお世話になっているから』、
といって引き受けてくれました。


一ヶ月後にメールが来てWeb完成との連絡を受けました。


できたてのホームページにアクセスして、
とてもよくできていて感心したそうです。
思い描いていたとおりなよいできでした。


『ありがとう。すばらしい仕事をしてくれたね』
笑顔で心のそこから感謝と賞賛の言葉をかけたとき、
クライアントの心の安定レベルが向上したそうです。


精神的に追い詰められていてつらい経験をしていたクライアントです。
職を失い気力が途切れかけていたとき、
人の役に立つことで感謝の言葉を受け取り、
また働く意欲が持てたそうです。

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愛し・信じて・認めて・役立・自由へ


かけがえのない心の栄養剤ですね。