腕の硬さで胸椎がゆがんでいく

腕にガングリオンができていたり、
バネ指になっておられたりすることもあります。


そのときには腕への注目度は高まりますが、
他の場合にはよほど痛みが出ない限り硬くても気に留めにくい。


ワークを受けたときに私が
『ずいぶん硬いですね。
腕のこの肘回りの筋肉は骨と同じほどの硬さですよ』
と指摘されて驚く人も多い。


デスクワークでPC作業をしていれば、
慢性的な腕の硬化が起きてきます。
他にも手をよく使う職業で酷使すれば同様に固まります。
ボディワーク屋さんも腕を酷使しますから固まりやすい。--1


脚部と比較すれば格段に細い腕の筋肉部分を、
強く硬化させ慢性的な血行不良にするのは容易です。
固めた初期段階では痛みが強く出ますが、
一定期間を過ぎて慢性化すると痛みが弱まります。
それは腕の血行不良が神経の働きは鈍らせて痛みをマヒさせているだけです。
神経のマヒは強い筋肉の凝り化を助長する温床です。


腕の固まりは肩甲骨側の筋肉群や胸の大胸筋を固めます。
利用頻度が強く負担を蓄積した側が利き手。
こちらの硬化が著しい。
右利きならば右手です。


硬化した腕ほど胸椎に負担を強いるものはありません。
直接胸椎にゆがみを生じさせていく感じです。
そして頸椎(首の骨)や頭部の傾斜を造り出します。


たとえば胸椎の側彎症の症状を緩和させるために、
胸椎部分の曲がり方が大きい背骨部分をゆるめて、
椎間板の狭窄を開きます。
それにより胸椎をまっすぐにさせるのが意図です。
ですが腕が硬い状態が放置されていれば、
ものの見事に半日もせずまた側彎症の状態に戻ります。
しっかり腕を和らげる操作をすれば、
ずっと上記よりもよい成果が得られます。
この違いはことのほか大きいものです。


『腕の硬さと胸椎の関係』は深いものといえるでしょう。


呼吸が浅く疲れやすくなったとき。
すぐ落ち込みやすくなったり感情的になるとき。
首の付け根後ろ辺りが鈍く鋭い痛みがあるとき。
背骨のゆがみが大きくなったとき(鏡の前で立ち両肩の高さと、両乳頭の位置をチェック)。


腕の硬さが影響しているときもあります。
気になるほどの硬さを腕の中に感じたならば、
少しずつでも腕の使い方を工夫して負担量を減らしてください。
いままでためた腕の中のしこりは、
肩や首、胸や脇の下、肩甲骨側の筋肉群などの硬さも土台にしています。
少しずつこれらの土台を削り取って整地していくように。
下手にマッサージをすると腕はダメージが残りやすい場所です。
ダメージが残らないように気持ちいい程度で、
できればペアでマッサージをしてください。
セルフマッサージでは思ったほど効果がありませんので。。。



腕は関節技を使うと解きやすいし痛みも少なくて済みます。
私どもが関節技を使うとかなりあっけなく溶けるものですから、
別段腕を解くのは難しいものではないのでは?と思われます。^^1


ですが関節技はやり方を熟知しておくことが対応条件ですから。
一般的にはオイルなどを塗り筋肉の流れにそってマッサージを加えるようにしましょう。


そして腕の中の筋肉がぐにゃ〜、ふにゃぁ〜と柔らかくなり、
腕の骨の形や太さがリアルにわかるようになれば申し分ありません。


人は自分で意識する以上に腕を酷使しており、
すべての痛みは腕に集まってくるという。
これまた真実です。


腕を柔らかくなるように解いていき、
ほっと一息ついてみませんか?