貝原 益軒の「養生訓」巻第一総論上より以下2つの訓示に目を留めました。
■命の長短は養生次第
老子は、「人の命は我にあり、天にあらず」といっている。
人の命は天からの贈り物だが、その寿命はわれわれの心次第で変わる。
健康を考え暮らせば長生きできるし、そうでなければ短命になる。
■薬・鍼灸よりも予防を
薬や鍼灸を使うことは、健康を守る方法としてはあまりいいことではない。
健康を守る方法としては、体を適度に動かし食欲を増やし、
規則正しい生活をすることこそが正しい健康法である。
薬は、体の調子に合わせてうまく使わないと、いくら良い薬でも毒になる。
薬や鍼灸などはよほどのことがない限り使わないのがいいだろう。
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体を養生させるために天からの賜物である命を自分の責任で大切にすること。
寿命は自分しだいでかわっていくもの。
だが当時で言えば先端医療の薬や鍼灸などにばかり目を向けるのではなく、
正しい健康法は体を適度に動かし食欲を増やし規則正しい生活をすること。
実に明解にその使用の要諦を説いているといってよいだろう。
自分の健康に『不安』が胸のうちにあるとすれば
そこから目が離れなくなることがあります。
その健康商品広告は世の中に多く、
ときとしてそんな不安心理をあおるものも少なくはない。
だからついついその健康商品に手を伸ばす。
その健康商品が実際にどれだけ自分にふさわしいかわからずに。
『体の調子に合わせてうまく使わないと、いくら良い薬でも毒になる』
のですから。
これは食品指定の健康増進用サプリやマッサージ機器などの健康器具も、
いくらよい物でも毒になることがあるのですね。
取り扱いは慎重に。
ただ手技などを利用するボディワークでは、
いささかの健康に影響を与えることがある。
ワークを提供する側の責任を感じます。
本来は『体を適度に動かし食欲を増やし、規則正しい生活をする』
サポートができる仕事に取り組めるようだといいのかもしれない。