施術者は『邪気』によって、
体調を崩すということがある。
防がなければならないことだ。
たとえば、姿勢で考察してみよう。
施術をするときに前傾になってしまう施術者たち。
そのような姿勢では、
ちょっと力みが入っただけで大変な事態が引き起こされる。
関節の遊びが消えてしまう姿勢だということです。
それで「関節呼吸」ができなくなってしまう。
関節で呼吸するといっても、
実際に息を吸って吐いてとしているわけではない。
ただそれは詰まってしまった関節が緩むということは、
その関節に関連する周囲の関連筋が緩んだことと同じ意味となるだろう。
そのような関節の遊びがなければ、呼吸ひとつろくにできなくなるのだ。
実際に呼吸をするときには、
体の全身の関節が伸び縮みすることで呼吸を助けていることは知られています。
そのような関節の伸び縮みがなくなれば呼吸ができなくなっていくという現象。
それが「関節呼吸が滞って体中に邪気を貯めておられる状態」と、
私は観ています。
そうなることで心身は淀んでいき、
自らの気血の代謝を滞らせていく。
施術をするときに、
姿勢を正さなければならないのです。
自らの関節の詰まりを少なくす足腰のスタンスポジション。
手や頭や首の使いようを工夫する。
体力を十分に養っておいて、
姿勢をキープする力を保持できるようトレーニングをつむ。
それらの下ごしらえがしっかりできるように、
日々研究をして前進する心構えが大事となる。
それができなければ、
怪我などの急性で起きた問題を除き、
実際のところお客様の中で重症度の高い方の施術をする場合。
多くの慢性化した疾患では関節の詰まりが多くみられます。
または症状が進みすぎて虚脱しておられる場合には、
関節のハマりが甘くなりすぎて関節呼吸が機能しないこともあります。
そのような呼吸をしづらい状態で、
長期にわたり心身を維持してきた。
それは非常に生命力を維持するのが厳しい状態です。
施術者は、
そのお客様を観察し注意力を向けた瞬間に共鳴をします。
多くは強い方に持っていかれるという現象が起こります。
多くはお客様の症状につられて関節呼吸がしづらくなっていくようです。
それを防ぐために必須なことといえば、
関節の緩みを自ら維持して行く力が必要になってきます。
邪気を体内に貯めないよう健やかな力を養っていきます。
そのようなことができていない状態が続いてしまうと、
施術を真剣にしていれば体調を悪化させてしまいます。
そのようにならないための具体的な対抗策として、
中国武術等をなさっておられる方々はご存知でしょうが、
馬歩立ちなどの体の関節を縮めず緩めたまま立ち続けられるトレーニングも有効です。
この姿勢では能動的に次の動きにさっと移れ施術をするのにも都合がいい。
実際、邪気でやられたという目の下にくまを作っていた女性が、
丁寧に馬歩立ちや気を体の隅々にめぐらすトレーニングの結果、
完全復調なさったというケースもあります。
他の人の邪気を感じても、
それを自らの体内で止めおかなければいいだけのこと。
日々、関節呼吸をスムーズにできるようなエクササイズをすること。
それは具体的な邪気対策となると思います。
皆様が関節の詰まりを緩めていくよう努めていただければ、
「関節呼吸が滞って体中に邪気を貯めておられる状態」に、
期せずして陥ったとしても回復、改善していけるものと思います。
そうやって、自らの体は、自らの手で癒やしいたわることが大事。
そこに自身への愛があるように感じられます。