ワークベッドで圧をかけるときの注意

ワークベッドで圧をかけるときの注意などは、
施術をするほうに興味のない方にはまったく興味のないことなのですが。


ワークベッドを利用する施術で圧をかけるとき、
利き足側が前にでているときに注意が必要です。


どうしても利き手利き足側を使うときには、
ついつい指先を力んで使おうとしてしまう。
それは施術者自身の体に多大な疲労を蓄積。


それを長いこと続けていけば、
その蓄積疲労が慢性化して代謝を悪化させ、
気づけば内臓疾患まで発展していくことも。
そうやって若くして早死する施術者もいる。


私は右足が利き足になるのですが、
利き足側の特徴として右足の指先を過度に使う。
それも無意識のうちに。
そして足首が短縮して、
アキレス腱が固まり自由な動きをできなくする。



足の指先を力ませたらアキレス腱ががちがちになり足首の前側がぎゅーっと詰まってしまう。
それで呼吸ができなくなるか浅くなっているわけですが、
本人はがんばろうという意識があるわけですが、
ほとんど力を相手側に伝えられずにいます。
自分の体の中に力がこもってしまい、
足首、膝関節、股関節を詰めている。


力めば力むほど、
骨を強固な力を発揮できるような型を見失うから、
力んでいることががんばっている感はあるのだが、
成果があがらないというジレンマがもたげてくる。



そうすることで膝関節の力みが強くなり過ぎますと、
「水が貯まる」といわれるようにつらい症状が出る。


膝関節が詰まりすぎて、
膝の周囲にあるリンパ管を破裂させるようになり、
リンパ液が溜まってしまっている状態なのですね。


水が溜まったからそれを抜けばいいわけではなく、
なぜ水が溜まったのか原因を各人突き止めていき
それに対応して考えて行かなければ、
何度も同じ事が繰り返されます。




では、どうすればいいのでしょう?


たとえば、
ひとつのチェックポイントがある。


「鼻先と、手先と、足先の先端を意識して同じ方向へ向けて力を発しているか?」です。



中国武術では「三尖六合」という太極拳の要諦があるのですが、
この「三尖」は頭の鼻先と手の指の先端と足の指の先端という
3つの部位の方向を揃えるように使おうという教えです。
それで意識も目的物の方向へ集中力が強まります。


そうすることで力を発するときに力みが減少する。
「三尖」すると体の各部の関節がしっかりはまり、
骨同士のつながりがよくなって力の伝達が良好に。


すると力みない浸透力のいい強力な力が使えます。


そうなりますから「三尖」している使いができていると、
膝に水が貯まることも少なくなりますし、
つらい腰痛も低減します。
「三尖」せずに力むと肩が持ち上がり息が詰まるのです。
次第に、肩が持ち上がり続け首の長さが短縮したままに。


できればそうはなりたくないのですが、
でも誰もが数度はこのような失敗をし、
痛い目にあって身を持って動きの良し悪しの大切さを痛感する。



どうすればこの大変さから抜け出ることができるかを命がけで追求。
その結果、基礎的な動きの決まり事を再考して身につけるようにし、
それを施術中に使うようにしていくことで、
我が身を守る事にもなり、
同時に施術の成果も向上。


そのように成長していけることもあります。






施術をしていると体を酷使してダメージを受けることはつらいことです。


ですがその山を乗り越えるときに、
発生した問題に取り組む真剣さが生まれますから、
それがいずれお客様が苦しんでいることの原因を
我が身の改善をしたときに味わったことだと思い、
「それはですね、〜〜ということではないかと考えられますが、いかがでしょうか?」
と的確なアドバイスをすることができます。


体の動作につき自分が苦労して気づいた視点しか
人へのアドバイスには説得力を持たないものです。


つまり「本を読んでそれの受け売り」では、
よほど先に同じ答えを思い悩み求め続けて、
答えが喉のところまで出かけていない限り、
自分のものには成り得ないものですからね。


必要に迫られて自らが編み出した知恵こそ、
生き抜くための最大の武器になります。