気持ちいいスリング・エクササイズの効果は?-(2)

カウンターストレインでは、持続的に緊張して短くなった状態の筋肉をリリースするテクニック。
ずっと緊張して縮小し続けている筋肉をストレッチするのではない。
その筋肉をより短く縮小する方向に縮めていく姿勢をとる。
するとティピカルポイントという、筋肉の緊張により発生する圧痛点が消失、軽減する。
そのティピカルポイントをチェックしながら、
より理想的なリリース姿勢を様々な微調整を加えて発見する。
角度を変えたり高さを変えたり。
そしてその状態で90秒〜3分〜くらい保持。
すると筋肉が短くなる位置でい続けると、逆に伸びようとする反応が起こる。
そして明らかにティピカルポイントがなくなるほどその筋肉が弛緩し、
血液の滞っていた状態から満ちた状態になり、
神経の筋緊張を継続させようとする誤作動をリセットしてくれる。

この操作は受け手にとって負担が少なく、
リラックスできる。
すばらしいテクニック。

だが時間が掛かりすぎて、この施術をメインにすると、
身体全体をトータルでリリースしようとすると3〜4時間かかる。
単純計算で、一般の治療院ではそこまではできないので、
何回もお越しいただき部分部分のリリースの積み重ねになる。
すると筋肉はひとつ主要なものがずれれば、
全身の筋肉がずれだすのだがそこまでは手に負えない。

私は意地で毎回身体全体をリリースし続けてきたが、
それゆえに一日に受け付けることの可能な人数が限られた。
そのことは現在受けている方にとってメリットは大きいが、
お待たせする方にとっては素直によしとしづらい状況だ。

おそらくこのカウンターストレインの部分をどうにかすれば、
時間をうまく利用できると思った。
そこで脚や手などを適所でホールドし続けてくれる機具の制作を考えた。
秋葉原などで、そのつり下げのためのモータを買ってきてなど考えたが、
周囲には実現不可能と馬鹿にされていた。

そのような経過があったので、
スリング・エクササイズの天井からつり下げられたホールド帯をみて、
やっぱり誰かやっていたのだなと、ちょっと感動モード。
予想からすると、非常に効果的な筋膜リリースエクササイズのプログラムをも、
このマシーンで実行できるはず。

それにしてもノルディックシステムやスリング・エクササイズなど、
ノルウェーの医師・セラピストはすばらしいクリエイティブな仕事を世に送り出すものです。
改めて感心いたしました。