『脱力系の運動』の話

『脱力』

これが密かにちょっとだけブーム。

力をダラーって抜いて重心を落とす。
すると潜在的なパワーが引き出しやすくなる。
拮抗筋の屈筋力が弱まり、強い伸筋力が働きだすというわけです。
火事場の場価力を、意図的に発揮できるようにするための要点です。

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そこに忘れてはならないものが、精神状態の安定です。

脱力すること自体、
精神的な脳波の安定状態、
α波以下の落ち着きのなかで起こる現象。
心身とはよく言ったもので、
身体の脱力と心の脱力は同時に起こるもの。
いくらからだがだら〜っとしていても、
心が、脳波がその安定した落ち着きを示さなければ、×。
脳波が安定した精神状態のとき、
筋肉は最も強い力を自然に取り出せる体の仕組みになっています。

だからこそアスリートがメンタルトレーニングを取り入れるのです。
精神状態がざわつき自分を否定的に捕らえたときに、
がくんと体が固まり動けなくなることを体験したことがあるから。
『自分は勝てないのではないか・・・』と思った瞬間に、
目的に対しての集中力を失う。

集中力がないものの散漫な力では、
力が拮抗したアスリートでは勝ち抜けません。
力は一点に集約すると水でダイヤモンドをカットすることもできますが、
集約できなければその奇跡のような(?)芸当ができるわけありません。

緊急事態に遭遇したとき、
一時的に意識の認識モードが変わります。
時間がスローモーションに感じるとき、
とても冷静に自分を見つめ判断できる。
意識のクロックスピードが速まった状態でしょう。

このモードに平素から自由に行き来できれば、、、
ここまでいけば周囲の状況を読み優先順位をつけられる。
力を一点に集中して次々と対処することができるでしょう。

脱力系の運動の意味合いには、
深い精神性が切れないものと感じます。

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そしてもちろんのこと『脱力』ができても、
伸筋をコントロールする技術がなければ、
効率よく力を取り出すことはできません。
[※遠隔操作で体を動かす感じがつかめるかどうか。]
同時に強靭な伸筋力を鍛錬で身につけること。

これがエクササイズでありトレーニングです。

必要な筋肉をむやみに脱力して落としてしまわないように。
ときどきここら辺を誤解して迷宮に入る人がいます。
[※経験者多数]
脱力系の本をよく読んでみると、
要点を押さえた必要なトレーニングを推奨しています。