【オート】と【マニュアル】はどちらがいい?-(1)

自動車を運転するとき。
教習車にはじめて乗るときは、
ひとつひとつ動作を確認しながら動いていた。
マニュアル(=手動)で体を動かします。
「バックをするんだから、ハンドルは曲がるほうにきって・・・」
という感じ。

ですが慣れてくるとオート(=自動)で動きます。
バックをするときにでも動きを
ひとつひとつ確認するようなことはありません。
無意識に体が反応し動いてくれるのです。

体の動き方はオートで動くほうがスピーディです。
それはマニュアルで意識して動作を確認して
「次は、次は・・・」
というよういくつもステップごとに動きを分ければ、
それだけ時間がかかります。
無意識に動くようになると、
意識して動作を制御する分の時間がなくなります。

ですがオートで動くよりも、マニュアルで動くほうがミスが減ります。
無意識に動く場合には、状況をよく確認する作業を怠ります。

だがマニュアルで動きを学んだときにすでにミスが入り込んでいたとき。
オートで動き続ければ、そのミスを修正するチャンスがありません。
そこに怖さがあります。
動くときにはもうあなたは無意識に動いている。
するとミスしても自分はなんでミスしたのか、自覚がないのです。

中国の武道を学ぶときの格言があります。
『先生や入門するところを選びなさいよ、
いったん覚えたことを改めるは難しいですからね』。
つまり先生を選ぶときにミスすると、
間違った動き方の【癖】をつけます。
その癖の改善は一生かかりますから。
中国の経験則から生まれた格言です。

文武、技芸の入門すべてにいえることです。

その場合には、
『オートをマニュアルに切り替えて動くこと』が
重要になるでしょう。
マニュアルで動くこととは、
意識的に動くことを意味します。
一挙手一投足に、
時間をかけ命令するのです。
スピードは落ちます。
ですがこの作業をしていると、
慣れてくると意識が研ぎ澄まされてきます。
以前だったらオートモードで動いていて、
無意識に行っていたミスがなくなります。
正確な動作ができるようになる。
このミスがないモードを体に染み込ませる。
そしてこれをオートモードに反映させていく。

このマニュアルの動きの効果を知れば驚くことになるでしょう。

エクササイズをするときは、
マニュアルモードで行えば効果的です。
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