おなかの中の石みたいなもの


先だっての友達の施術者(A君)の方との語らいで。


私:「おなかって石みたいに硬くなるけどどうやってといてる?」

A:「え?そんなのみたことない」

私:「え?!君もかなり硬いはずだぜ」

A:「そんなことないさ、だってビールっぱらだからこんなたるたるさ〜(笑)」

私:「でもね。ちょっとここをこうやって解いて、ここも解いて、こっちも解いて・・・これでどうだい?」



石のように硬い左側腹部奥の内臓部分を触る。
ひ、ひゃ〜〜っとのけぞる相手。


まじめに自分の腹部がこのようになっていたとは気づかなかったという。
それに内臓がここまで硬くなれることをはじめて知ったという。
それも自分のおなかで。


僕だって右脚部前側を過酷な条件で使いすぎてしまえば、
3日で左側腹部内奥がぎっちぎちに硬化するだろう。
それはある意味生理的なしこりができる仕組みでもある。


だが腹部のしこりを長年にわたって成長させてしまえば、
みごとなしこりになり今回のAさんのようになってしまう。


彼は喘息と脊椎そくわんを合わせ胃の下垂もかね合わせている。
胸が硬くなり腕も縮みがある。
それだけでも腕へ伸びた経絡全体に支障が出ている。
足も歩き方に左足を引きずる癖がある。
それがかなり強いもので足に伸びた経絡全体に支障が出る。
で手足の経絡はすべて内臓につながります。
内臓が柔らかいはずないんです。



このようなしこりの存在自体を気づいていない新人の施術者もいるようです。
ある程度、深いところまで筋をリリースしてからでなければ、
なかなかここまで内部の様子を掘り出せないからでしょう。


でもこの部分が緩まなければ治らないものも多い。


でA君はこんなところまで解かなくても治る人は治るんだよといいましたが、
きっと内臓のことについてもうちょっと深く理解すればそうはいえなくなる。


私は過剰なことを指摘して余計な作業しようとしているのではありません。
逆に気づかずにいたら気が楽だし思い悩んで苦しまないですんだでしょう。
でもさっきまでは見えなかった隠れていたものも気づいてしまうと見える。
見えてしまって対応しなければどうなるかわかっていれば放置はできない。
そうなるものだと思うのです。


A君も内臓についてのテキストをかき集めて学びはじめました。
気づいてしまった以上、
彼はお客様をよりよくケアしたい良心があるのでがんばりだしました。
ただ彼のおなかは私が解けるまで面倒をみるということになりました。



内臓についての気づきも大切なひとつです。
でもそれは多くの気づきのなかのひとつでしかありません。
日々いろいろなものに気づき私も成長していきたい。
気づいていないことが私にも多くある自覚があります。
だからA君に対しておまえそんなことも知らないのか、
とか馬鹿にしたようなことは言う気にはなれませんね。