身体操作方法のバリエーションを知ること


昨日の施術で、人の持つ可能性に感動しつつ。


最近、以前よりお通いいただいておられますお客様の一人に、
「ずいぶん、体の状態が変わりましたよね」と私がいうと、
「いえいえ、私はそんなに変わってないと思うんですが」という会話を、
ここ2回ほどリピートしている方がおられます。


実際に内臓の深部までリリースが行き届いて、
体のそれぞれの関節のつまりが取れていき、
深層筋のリリースが進んでいる。
自力で代謝力で改善を図っている若き生命力を感じられる状態になっている。
素直に、そう感じて、「ずいぶんかわった」という言葉がでました。


私は、おだてて「ずいぶんかわった」とかいう言葉をかけることは、
一切ない人です。


どなたに対しても、よければよいですし、そうでなければそうでないのです。
素直に様子を伝えるようにしています。


ただつらい状況であればそれを煽るのはご法度ですから、
改善したか改善できる算段が付いてから指摘するのです。
そこは、気持ちが体の調子を作る面が大きいので、
工夫が必要なところで気をつけないといけないと。


なので私が「ずいぶんかわった」という言葉は、
本当に多数その理由を上げればきりがないほど、
しっかりした状態を把握してのことなのです。



昨日お越しいただきましたお客様の詳細はプライバシーの保護のため申せませんが、
普段、水泳、そしてピラティスをなさっておられます。


そして同時に私どものところにまで、
ありがたくもお通いいただいており感謝しております。
とても、お体への気配りを大事にしておられる方です。


お客様の身体状況が変わったきっかけ。



お客様とも話し合った結果の推測となりますが、
次のような仮説を建てました。


今まではピラティスを器具を使わないでなさっておられたそうです。
それが最近、ピラティスの先生が器具を使えるスタジオに変えて練習をしだした。
すると練習後に、そのお客様が体がとても軽くて調子がいい。
今までに感じたことがないような感覚を得たといいます。
その状態は持ってい数日のようですが、
体の芯から感じられる軽々と体が動く。


そのようないつもと違った感覚ですね。


おそらくそれが、
伸筋を主体にした動きをピラティスで器具を利用したレッスンを受けたとき、
できてきたんではなかろうかと。


私は思っています。



深層筋まで柔軟性を帯びている。
そのような状態の人であるなら
伸筋主体の動き方が容易に起き、
体が伸びやかに使えだしていく。



屈筋で筋肉を萎縮してしか動けないというイメージから開放された。
伸筋で動けるようになると
筋肉を操るばかりではなく、
骨や靭帯や腱などが機能的に仕事を助けてくれるよう働く。


体のフォームが崩壊型の屈筋主体の動き出しから変更され、
動きのコツ(骨)が、行き届いた状態になれば、
動きの効率があがるのは当然のことですから。
いつもの半分以下の労力で、倍以上の仕事も。
それは私自身が、昔、屈筋主体の動きでして、
そこから少しだけ伸筋主体の動き方に変わり
感じたときの感想です。



動き方の仕組みが、
根本から変わってくるのです。



そういえば多年にわたり、
ピラティスのレッスンをしておられた方が、
今までは器具を利用したレッスンを受けてみてとしても、
歯を食いしばって頑張る感じがどうしても抜けなかったのです。
ですが私の施術を受けていただくようになって深層が緩みだします。
そのときに大リーグ養成ギブスを外してからの伸びやかなレッスン。
すると、この度のお客様と同様に、体の芯まであれよあれよと緩み、
体質が根っこから変わったといえるほどの変化が起きたことがある。


そのときのは7年前だったと思うので、
懐かしく思い出していました。



身体の変化の様子は人それぞれです。


伸筋を主体に、身体操作をする幸せは代え難い快感。
そうなった際にそう感じるのは、常であるようです。


それは私はまだまだ未熟ですが、
ほんのすこしだけわかっただけ、
それでも体力的に持ちが変化し、
このような体を持つ体験を多く広めたいなという思いました。


私としては、父が腰椎椎間板ヘルニアをこじらせたことが後悔があります。
それは筋肉の柔軟性が富む優秀な体を持つものが屈筋を使いすぎて起きた。
そのような症の起こりがあるので、
伸筋主体の動き方ができるように、
人の体の操作が変質することこそ、
私の昔から求めていたことなので。



筋膜リリースで深層筋までリリースをする施術の役割は、
私には伸筋主体の動きを容易にさせるようにするための踏み台です。



それは先ほど申した大リーグ養成ギブスをはめている人が伸筋主体の動きを要求されても、
それができるようになる確率がいかに低く、本人の血の滲むような努力が必要とされるか。


そのようなところに時間と労力を惜しみなくつぎ込める人は、
一握りもいないことでしょう。
ときとして多額の出費さえかかります。


太極拳や武術、武道、その他、精妙な身体操作を必要とする修練をし続けたものは、
その一握りになれるものだと思います。



先日、お客様のうちのお一人の大学で教えておられる教授が、
同僚の大学教授たちのなかでいまだに元気な者たちの大半が、
たまたまかもしれないが太極拳を嗜んでいる方々であるのよということを教えてくれました。
ちなみに太極拳と言っても、陳式太極拳楊式太極拳孫式太極拳・・・他、様々ありますが、
同僚の方々はそれぞれ別々の太極拳を実戦なさっておられるようですが一様にご高齢でも健康。


そのように教えて頂いて、太極拳の私の評価が元からあったものが、グーンと跳ね上がりました。
下記の太極拳の本が解説が痒いところに手が延びてすばらしく、
買おうかと迷っているところだったので、ぐらっとしました。
ゼロプロマッサーを購入して支払いをしたら、
教材費が、、、足をでてしまっているもので。
とりあえず、目黒図書館で借りてみることに。 ^-^;



24式太極拳 美しく演じられる身体操作のコツ (BUDO‐RA BOOKS)




すいません、横道にそれました。




誰もが伸筋主体の動きに精通して代謝力を稼ぎまくって、
体を相当使っても平気で回復できるように変わっていく。
パワーの発揮も、グンッとよくなるので疲れづらくなる。


そんな年老いても良い体調の状態を保てる日本人ばかりになってほしい。


伸筋主体の動き方ができるようになると、
自律神経系の動いていく感じが良化して、
同時に深層筋の動きがでてきますから
動脈をせき止めていた部分がゆるみだす。
そして血行が、どーんとよくなるんです。


重要なのは、
屈筋群は加齢により筋肉量が減少するが、
伸筋群は加齢しても筋肉量が減りづらい。
貯金ならぬ貯筋ができるのが伸筋群です。
屈筋はいくら鍛えても、
加齢すれば速攻で萎縮。
それが運命なのですね。。。


だから伸筋主体の動き方ができるように、
それで伸筋の貯筋ができてしまうのです。



そういう人が増えれば
高齢化社会も悪くない。



筋膜リリースの施術は、
誰もがそうなれるための踏み台のようなものとして使う道具です。



つまり筋膜リリースをして深層筋までリリースをされたからとて、
そこで終わりではなく、伸筋主体の動きができるようになれば。
できることならそこまで体験の幅を広げていってほしいのです。



(それは、そう、容易いことでもなく、私が押し付けることもできないのですが、、、)
(いつかは施術と同時に伸筋主体の動きを確実にマスターできるものをセットにしたい)
(それには施術力という踏み台が確固たる信頼性があるものでなければ、ダメだと思う)
(そのように施術の下地を整えたら、ムーブメントとの一連の連携をもたせたセットを)
(そこができれば、ボディワイズの伸筋主体の動き方のセットメニューが完成ですね!)  ^-^



数度も(今回のお客様は、ピラティスの器具利用レッスン5回)伸筋主体の動きを体験したら、
脳はその時点で屈筋主体の緊張して動作がうまくいかない状態ばかりを繰り返したところから、
他の動き方のバリエーションを見つけてくれるようになる。
「こういう軽快な操作感があるんだったら、こっちのほうがちょうしがいいじゃないか」
と体験したときに喜びの感情を伴ってわかる。


そうすると確実に内側では大きな変化・変容が起きだす。


ということで、
この度の昨日のお客様にはそれが起きていたということ。
そうなんだろうと、思います。


私も、本当にうれしいです。
とてもありがたいことです。



こういったことは、
肉体を通して体験してみなければ、
脳にそのような存在があることを伝えられません。


脳に、高価なものを得た快感が伝われば、
今までの自分が馴染みだからといって後戻りをしよとばかりはしない。


つまり1000万円の宝くじの当たりクジとはずれクジと並べられて、
どちらが当たりクジかを知ってしまったらそちらに手を伸ばすはずだ。


伸筋主体の動きが当たりクジで、
屈筋主体の動きがはずれクジだ。


私がその点を語れば、
2〜3時間も語り続けることができます。  ^-^


そのようなことを体の芯から思い知る経験ができたことは、貴重な体験なのです。


自分自身の肉体を通して、清々しい新風のようなものを感じています。
どういったところがどうしていいのか吟味した分析結果を待つ必要はありません。
体が内側から喜んでいることに気づき楽しめれば、それで十分です。


伸筋主体の動き方が体験できたときに、
初めて自分が大事に持っていたものが、
「おやぁ、はずれクジを持ってたんだ」
と気づくのです。


屈筋主体の動き方が体験のすべてなら、
「ずっと持っていれば当たるかもな〜」
と捨てるに捨てられずにいます。


ですがすでに伸筋主体の動き方ができている人は、
「早くそんなものは、捨ててしまいなさい!」と、
バレエスタジオで先生から愛ある指導がされるのでしょうか。



体の使い方のバリエーションは、無限です。


多くの場合、屈筋主体の動きに囲い込まれて、
他のバリエーションを見つけることが難しい。
屈筋主体の動きに固執してしまうこと。
そこに大きな問題があるのでしょうか。



もう少し先をみてみると。。。


伸筋主体の動き方が最上級かといえば、
実はそうではないといえるものですし。
もっとすごい額の当たりクジが控える。


それも自分の体の中にすでにあります。
そのクジを換金するかどうか自分次第。


いかなるときでも、等しく同様に。
自分を根っこから書き換える素養を、
私達は持っているといえるでしょう。


私は、強くその可能性を信じてます。




余談ですが、こちらの文章をシーサーブログの編集画面で書いているのですが、
ちょっとした拍子でページが変わって文章がかき消されてしまいます。
ときどきそれをやって、今日はブログを書いたけど掲載なしとなるのですが、
「自動一時保存機能」というものが新規に設けられたのですね。


それで、この文章の前半が、救われました。


本当に、よかった。 ^-^