股関節の痛み和らげる骨盤ハンモック

股関節に関係する筋肉群について。


股関節部分の臼状関節。


器質的にその股関節の凹んでいる部分の関節面が浅い場合があります。


実際に股関節を支えるのは、股関節の骨の凸凹部分の組み合わせと、
股関節を取り巻くかなりきっちりと巻きつけられた靭帯部分による。
腸骨大腿靭帯・坐骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯のことです。


その靭帯部分がしっかりした固定力があるから、
股関節の凹みが浅くあっても日常生活は大丈夫。


ですが凹みが薄くて関節面がぐらつくようなとき。
股関節の咬み合いが浅くなり滑りやすくなるため、
股関節部分やその周囲のトリガー部分などが痛む。
そのような不利益を被ることがあります。


実質的に、そこはすでに私のような筋膜リリースでの対処を得意とするものにとって、
対応範囲を逸脱しているということは明白ですが。
どうにかなるようなものならば、
どうにかしたい。。。


もちろん私のところへおいでいただく前に、
すでに病院で精密検査を受けておられます。
そして残された手立ては股関節の関節の凹み部分を形成する大手術です。


そのような手術に踏み切るのは、
やはり考えただけでもつらいそうです。




それでは、、、。
できれば凹みが浅い場合でも、
身体操作により、
どうにかして股関節のはまり具合をよろしいように確保できないだろうか?


そこで課題として、
ボディワーク屋さんに出たとします。


容易に解ける問題ではありませんが、
バレエをなさっておられたり、
太極拳をなさっておられる方々等々は、
そのような部分を活かして使うエキスパート。




閉鎖筋群と上下双子筋。
詳しく言えば、(内閉鎖筋と上双子筋と下双子筋)と(外閉鎖筋)が効果的に効き出すことで
まるで左右の大腿骨という柱から骨盤部分がハンモックのネットを垂らす感じの吊り状をこさえる仕組み



閉鎖筋群と上下双子筋のハンモック図JPEG.jpg



このときにわずかながら骨盤から大腿骨を引き離すような状態を作り出し、
強く股関節の関節面が当たって疼痛が出ているような場合には痛みの軽減につながるのです。




これが使えるんじゃないかなと思えてくるわけです。 ^-^




私が着眼している筋肉は、内閉鎖筋です。


ここからは専門的というか、妄想的になるので、
すでに大腰筋や内閉鎖筋等の概念がわかっていなければ、
お読みいただいても「?」。。。
というつまらない文章になってしまっています。


そのことを先にお詫びしておきます。 m__m



その形状や機能的なかかりなどをみれば、
上双子筋と下双子筋を従えて内閉鎖筋が、
その存在感を強く発揮しているのは確か。


内閉鎖筋の形状をご存知の方は、
骨に引っかかっている部分を靭帯や腱のような係のようだなと思うかもしれません。
内閉鎖筋を緩めてから上方に持っていって「引っ掛けて固定」もできるでしょうし、
下方に持っていって固定もできます。
選択的に操作可能な筋肉なんですね。


このときのハンモックを引っ掛けて固定する操作ができるということ自体、
そのよく出来た仕組みに気づけば、人体って面白いよねと思えてくるはず。



ただし自身のあるべき筋感覚が内閉鎖筋にはいっていかなければ、
「操作可能なもの」とは言いがたいのです。
それは自己修練からヒントを得ていきましょう。
その存在を知り、機能を知り、自身の体ではどう活用なされるかの具体的なイメージを描きだす。
想像の手で動きを作り出す感覚が芽生えさせられること。
私は、そのような繰り返しで少しずつその部分に意識を入れるようにしていきました。


これは操作感をつかむためのひとつのやり方で、
他のやり方だっていくつもあるはずですから。
バレエ等をなさっておられれば先生に聞くのもいいでしょうし、
私のように骨格モデルや書籍等の資料を眺めて詰めていくのも。
自分が気に入ったやり方で、操作可能なものとしていきましょう。


他者からアドバイスをいただいたとしても、
言語で操れる筋肉ではない部類の筋肉です。


だからコントロールしづらい。


ただ反面、いったんわかって身につけば、
それは、いままで存在しなかったものが、
急に存在し機能的に自身を支える使える道具になっていきます。


その不思議な感覚を味わってみるのも、
興味深い体験になるんじゃないでしょうか。


身体操作の使い勝手が、ずいぶんランクアップできたことになるでしょう。



ここまでお読みいただけまして、
内閉鎖筋をゆるめれば、それで万事オッケーという話ではない。
自分の意識でコントロールできるようになれなければ、
股関節の微調整をしたいときには意味が薄いのです。
その点は、なんとなくわかっていただけたでしょうか?


また、話を元に戻します。
ちょうど内閉鎖筋が骨に引っかかっている部分の仕組みを観察すれば、
大腰筋が鼠径部の骨に引っかかって固定する仕組みにも似ていますよね。


そして、そして、そして。


内閉鎖筋が骨盤底筋を上に持ち上げた状態で位置固定を効かせているときのみ、
大腰筋もするすると自由自在に活躍できるポジションになることも知られてます。


つまり、、、
個人的な着眼なので、機能解剖学的にどうなのかは定かではないと、
先に断らせていただきますが、
内閉鎖筋の引っ掛かりと大腰筋の引っ掛かりがうまく呼応して骨盤を立てる。
それもおそらく内閉鎖筋のほうが先で、大腰筋が補佐的なのかなと思えます。


それは、私の感覚では内閉鎖筋を挙げて設置した次の瞬間に大腰筋を鼠径部の骨に掛ける感じ。
内側で起きていることをみれば、
そこに呼吸に関する隔膜筋(骨盤隔膜・横隔膜・胸郭膜など)との連動が鍵のように思えます。


そのようにすると骨盤の前後が比較的安定して支えやすくなるような気がします。




そして、そのようなところまで操作ができるようになってくれば、
股関節の凹みの浅さをある程度カバーできるようになるのではなだろうか。


ただ、やはりこれ自体、ハードルが高いことのような気がしています。


毎回、利き足の股関節部分がハマりが自在に行かないというお客様もいて、
その仕組の概要を他者が話しても、
自身がどのレベルでつまづきがあるかは自分じゃないとわかりませんから。
全体の身体操作バランスからきたつまづきか、
一部分の筋硬化による動きにくさからか、
または立つということが地球とつながるというグラウンディングイメージの意味を噛み締めが足りていないからか、
さまざまなつまづき要因が私が思いつくだけでも幾つも出てきてしまうのです。


そんな外的なアドバイスに惑わされるよりも、
内省的に自分の身体に意識を向け、こころの有り様に気づき、
本来の細胞に遺伝子レベルで埋め込まれていた身体操作の方法を目覚めさせる。
そのような対処で、内閉鎖筋を使いこなせてしまえるようになった人もいます。





内閉鎖筋を自在に動かしている達者な人たちが、世の中にはいる。
外見からはわからない部分で、大きな差がでてくるものなのです。







専門的な部分を私が書こうとすれば、
誤解されやすい文章になるため、
関心ある人は下記のような資料を元に学ぶといいでしょう。
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参考資料として価値が高いものは、
複数の筋肉の動的な操作イメージが掴める良書として以下の本は役だつでしょう。



新 動きの解剖学


下記出版社の該当ページ
※ 出版社からの直売は定価売りで、アマゾンで中古品を買うより安いかも。。。
興味ある人は要チェック
http://www.chiro-journal.com/2009/03/1354/


それと、
私も利用しているアンドロイドタブレットのソフトのビジブルボディという解剖学ソフト。
こちらで内閉鎖筋と上下双子筋、そして外閉鎖筋を表示させ他の骨格部分をフェードがかかった状態で表示。


そのようにしてしばらく表示されたが画像を様々な角度からみていくと、
気がつくことも多いだろう。


またペルビック・アプローチの本も骨盤に関してのアプローチに特化しているので参考にはなりそうですが、
残念ながら私が着眼している筋肉にはほとんど触れられていませんでした。



ペルビック・アプローチ―骨盤帯の構造・機能から診断・治療まで



そして新マニピュレーションアプローチ<<下肢>>( http://www.chiro-journal.com/2014/04/4678/ )
にはコンパクトに概説がなされており、
同時に内閉鎖筋および上下双子筋の手技方法が掲載されています。
私が見た民間医療系の他書にはほとんど内閉鎖筋に関するリリース法が紹介されておらず
その意味で非常に貴重な示唆に富んだ本だといえるでしょう。


私がその手技をトライしてみてもうまくリリースされた感がないのですが、
それはハードルが高いからとか、繰り返ししていかなければならなからか、
などの幾つか考えられるような要因があるからなのでしょうか。。。
現在、研究中です。



ただ、注意点はあると思います。
大殿筋や中殿筋、小殿筋、梨状筋等が固まりがひどい臀部筋群の場合には、
上双子筋、下双子筋、外閉鎖筋、内閉鎖筋、大腿方形筋などの
5つの短い股関節外旋筋を先行して緩めることは考えものです。
骨盤のその奥の奥の筋肉が固まってしまっていれば虚血も強く、
そのような箇所は慣れない過剰な負荷がかけられればバランスが整えられる神経が働くこともなく
股関節を支えるバランスが一気にぐらついてしまう。
歯止めが掛からないで、ぎっくり腰などといえるような状態に移行したり、
いままでになかった体の側湾傾向を余儀なくされて脊椎のつまり感が強まるときがあるようです。


ですから大殿筋や中殿筋、小殿筋、梨状筋の、
大きめな臀部筋たちのクッション性を改善させてからアプローチしましょう。


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