ハニカムてい鍼


自作てい鍼のジャンルのうちでも、
少しずつ多様性を持たせて研究しています。


新たに数本作ってみたのが、ハニカム形状のハニカムてい鍼


自分用に経穴の学習用にてい鍼を自作するにおいて、
「円形」の丸棒を用いて幾つか自作してきたのだが、
この度は「六角形」の断面を持つ六角柱状の真鍮製てい鍼を作ってみた。


10センチのハニカムてい鍼.jpg
(写真的には「円形」に見えなくはないが、それぞれすべて「六角形」です)





ハニカム構造(ハニカムこうぞう、英語:honeycomb structure)とは、
正六角形または正六角柱を隙間なく並べた構造のことで、
ハニカムは蜂の巣をあらわします。


面を隙間なく敷き詰めることを平面充填(へいめんじゅうてん)といい、
平面充填できる形状は「三角形」、「四角形」、「六角形」の3つのみ。


たとえば「四角形」ならば、以下の様に隙間なく敷き詰めることができる。
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上記3形状以外は、
たとえば「円形」を敷き詰めると、円と円との間には空間が開いてしまう。
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円形でつくられたてい鍼は、
平面充填できない分、指で持つと少し隙間が空いている。
そこに対して、さほど不自由さを感じる程ではなかった。


だが平面充填ができて、指にフィットする感覚は、
指と指の間に挟んで持つ場合には、
個人的な感想はハニカム形状のハニカムてい鍼は、上々。


各人の手指の大きさなどから、
六角棒の直径のフィットするサイズは違ってくるのだが、
私自身、8ミリサイズがもっとも使いやすく感じました。


そして考えてみると
私が日頃お世話になっている「 SK センターポンチ CP-100 」

に似た形状で、使用感もそれに準じるものになっていることに気づいた。
つまり、こちらのセンターポンチって、お安いですが賢かったんだと、
改めて実感した次第です。


ホールド性は私の使い方では円形よりも六角形のほうがいい。


市販てい鍼を調べる際に、
六角形の形状をしたてい鍼を私は見たことがなかった。


 六角形が市販されていないという理由は?


 もしや気の流れが弱くなるのでは?


 など、、、他にも不測のデメリットがあるのではないか?


等々の問題があるのか含めて自作して試すつもりであったが、
ホールド性が良くなった分、
指の延長線上としての使い勝手がよくなったメリットがあり、
力の微妙な入れ具合の精度がかなり想いのままに反映できるようになった。


円形てい鍼とはハニカムてい鍼のなかを生じる電子の流れは違い、
指向性が高まり鋭さが増したような感じを受けた。
同じサイズの直径の円形よりも六角形のほうが平面充填されている分、
素材の量感は増えているが、
指と指に沿わせるように挟みこむとフィット感が高く、
かえって軽く感じるほどだ。



実際使ったハニカムてい鍼のメリットのなかで最大のものといえば。
円形だとコロコロと転がって、気づいたら手元になかったということがよくあるのだが、
六角形ではある程度の角度がある傾斜面でも転がらずにいてくれる。
これは実に、大きいですね。



もしかしたらハニカムてい鍼に磨きをかければ、
施術中に経穴のアプローチをこちらでおこなうというようなシーンも生まれるかもしれないですね。



【追伸】
2017年8月23日


 六角てい鍼の素材について


丸棒から角を六角形に削ったのだろうか?というご質問を頂戴いたしました。
六角てい鍼の真鍮製六角棒は、
東急ハンズ渋谷店で購入いたしました。


丸棒から角を削って六角棒に仕上げるには、
固定台がしっかりしていると同時に磨きの大変さが想像できませんでした。 ^-^;


同じ寸の幅を持つ丸棒よりも、六角棒のほうが多少値がはるかもしれませんが、
東急ハンズ等で六角棒がありますから、そちらをチェックしてくださいね。




■ 鍼灸師の方から六角てい鍼についてコメントをいただきました
  Rさん、多謝!!!


> 通信欄:6角のてい鍼は初めて見ましたが、似た形状の物は中国の王墓から出土しています。そちらの用途は不明ですが、先端は鈴木さんが作られた物と同様に非常に鋭利でした。
>
> 宝石のカットの事を考えると丸より角の方がビーム発射用には良いのかも知れませんね。
>
> 因みに六角の鍼管は業界でもメジャーなアイテムです。元は盲人が床に落とさない様に考案されましたが、使いやすいので今では特に盲人用ということもありません。


中国の王墓から出土したというのも興味深い。。。



また「六角の鍼管は業界でもメジャーなアイテムです。」という点。
存じ上げませんでした。 ^-^;