頭の位置と頚椎の負担率-頭の前傾キープは×

バレリーナのまっすぐに伸びた首すじ。

美しく胸鎖乳突筋がくっきりして見えている。
長く伸びた首は見た目が良いだけではありません。

耳と肩がうまく乗っかっている。
重心線のとおり、耳と肩が一致している。
そのときには頚椎・つまり首にかかる負担は4Kgになる。

4Kgくらいでは頚椎という骨がよく利いている状態ですから、
頭の重さはまるで空。
重さを感じないどころか、
まるで空中に浮く風船のように頭が上へと吸い込まれる感覚。

ですが頭が前側へと、7.5cmずれるならば、
頚椎にかかる負担は12Kg。

理想的な頭の位置と比べれば、3倍の負担が首にかかっている。
その負担は首の骨と骨の間にある椎間板というクッションを、
押しつぶすことにもなる。
だから頭はとても重く感じる。
のども締め付けられる。

軽く手を後頭部に当てて、
そのあてがわれた手に頭が吸い付くように感じて、、と意識してもらい、
自然に数センチいつもより頭を正しい位置に近づけてもらう。
すると正しい重心線の位置までは行かなくても、
頭は軽く感じ出してきます。

ちょっとだけマジックのような感触。

なれてくれば後に頭を引いた状態から、
耳と目の水平を取れる位置なども探し導き、
よりワンダフルな状態へと移行させられます。

正しい位置に頭が近づけば、
首の骨で頭を支えられるから軽くなるのです。
いつもは首の筋肉の力をいっぱい使って、
12Kgの負担に耐えていたのが、
数Kg分の負担減でも大きな変化に感じられることにより起こるマジックです。
(1Lペットボトル12本は重いですよ〜)

その前へ出すぎた頭の位置を、
首周辺の筋肉を解かずに正しい位置に押し戻すことはいけません。
かえってのどが絞められて苦しくなりますし、
その苦しい状態を無意識にキープできるものではありませんから。
そういう状態をボディワークで筋膜を緩めることで、
理想の位置にもどれるように整えていくのです。
これは以前よりここちよい状態に変わっていくことを意味します。

頭はとてもよくその人の体型や体癖を現します。
右に倒れたり左に倒れたり、前に倒れたり。
その傾斜の度合いと顔の目鼻や口元、人中線などのチェックをあわせると、
そのひと固有のゆがみ方のパターンが感じ取れます。

頭を軽く感じられていれば、
とっても呼吸も深く自立神経系統の機能もより正常へ。

そうしていきたいものですよね。