野口体操語録より

『からだは、いろいろな管の集まりである。
管とは「入り口、通り道、出口」があり、
何かが通り伝わっていくものである。
老化とは、この管の働きが悪くなることといってよい。
体操はこのような働きをよくするような刺激を与えるのに
重点を置いているといってよい。』

的確に老化と代謝との関係を指摘した言葉です。

若い状態は、
管の通りがいいということ。

そういうようにいえるでしょう。
むくみや冷え性動脈硬化、そしてしこり化した筋肉は、
からだの老化を象徴する状況なのです。

「からだは、いろいろな管の集まり」
という指摘にははっとさせられます。
常にからだの各部分は「管」の役割を負う。
すべての部分は、入り口であり、通り道であり、出口でもある。
そう考えるとからだの部分と全体の関連が、
手に取るようにイメージしやすくなる。
人間は、
イソギンチャクのような口から肛門まで一本道の動物ではない。
だがからだの各部分をクローズアップして観察すれば、
まるでシンプルな管の集まりでしかない。

そういう視点で語られていることに、
野口三千三先生の深遠な人体の把握能力を感じてやまない。

先生は人体をどのようなイメージで把握してたのだろうか?
その透き通った瞳が何を観ていたのかを知りたくなる、
そこに野口体操の本を読む楽しみのひとつがあります。