脚部が硬ければ上半身は解けない

私は脚部、臀部、腰部を解くことに心血を注ぐ。

その理由は。

この大きな筋肉群のなかにあるしこりが整地されなければ、
上に乗っている上半身は『傾斜地に立てられた積み木』のようなもの。

地面に近い脚部・腰部・臀部を、
できるだけ深く解いていくこと。
これは手間と労力のかかる整地目的の基礎工事です。
これが整った後、始めて上半身の脊椎がうまく立てられる。

椎骨は、子供用の積み木のようなもの。
それをあなたは積み木をするときに、
水平のデスクに積み上げたいですか?
傾斜したデスクに積み上げたいですか?

骨盤→腰椎5こ→胸椎12こ→頚椎7個→頭部のような、
小さい積み木から大きな積み木まで用意されています。
計およそ26こもの積み木を縦積みにするわけです。

実際に消しゴムを26こ積み上げてみると、
水平のデスクではできましたが、
傾斜地にはどうあがいてもムリでした。

この傾斜地に身体の上半身がい続ければ、
不安定きわまりない。
重力に対抗する骨がゆがんでいる箇所は、
筋肉を硬化させ支える(しこり化)。

ずれを補正するために押さえつけて支えるのです。
下半身が整うまで、
絶対にこれは消えません。

悪循環の根は脚部にあります。
これはぜひ絶ちましょう!

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身体の中の筋肉量の非常に多くが脚部や臀部、腰部に集中する。
二足歩行をしない動物と比較すれば、
人間の脚部等の筋肉量は大きい。
直立し歩行する運動。
身体を日本の足裏の支点で前後左右のバランスを常に取り続ける。
足の裏の表面積の小ささを考えてみれば、
現代のロボット工学でも造るのが難しい代物です。
脚は精巧に機能するべき重要な道具です。

脚は体を支え移動させる基本であります。
だがその基本を押さえて運用することは至難の業。
武術の奥義は脚の使い方にあるといってもいい、
そう語る中国口伝の書籍もあるほど。

それゆえに一般の方には脚部が硬い方が多い。
自分の脚部が硬いかどうかにも気づいていないときもあります。
他の方の脚を複数触る機会などあまりないのでしかたないこと。

だが脚が硬くなれば臀部も硬くなり腰部も張る。
その生理的とも思われる一連の流れが生まれます。

脚部を柔らかくすることと、
脚部を精巧に駆使すること。
これは上半身を和らげる秘訣なのです。
肩こりや首凝り、背部痛なども改善するケースが多いようです。