本のご紹介:『海馬 脳は疲れない』


書籍紹介
書名:海馬 脳は疲れない
著者:池谷 裕二, 糸井 重里
出版:新潮社


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101183147/ref=ase_bodywise-22/250-2507901-2495427

脳に関する本を読みあさろう!
そう目標を掲げて早数カ月。


お蔭で脳の興味深い機能を知る事もできました。
ですが学術書では硬すぎて、
『これをどうやって使えばいいの?』と疑問。
なるほどとは思うが予備知識止まり。
今の僕には使い勝手が悪いようです。


私は脳の研究者ではなくて利用者です。
応用できて成果物が生まれてナンボです。
応用が利かないということは致命傷です。


そこでちょっと疲れ気味で、
やさしげな本を漁ってみました。


そこで見つけたのが『海馬』。


海馬というとたまにタツノオトシゴを連想されますが、
これは脳の中にある記憶中枢としての海馬のことです。


実はこの本を手にしたとき、
期待しませんでした。
だってあまりにもポップな糸井氏の表紙イラスト。
コミックを読む感覚でページをめくれる感じです。


なんだかお気軽な本。。。


今の自分が読んでいていいのだろうか?
・・・と失礼な事を思いながら手を出しまして。^^;


でも読んでいくと面白い。
目からうろこが何枚もはがれました。


『えっ、これって心理学の〜というアプローチを裏付けてるじゃん!』
とか
『面白いな〜。脳の特性ってこうなっていたのか!!!』
ととても内容が腑に落ちてしまう。


日頃心理学の本などを読み抽象的に
『心とはこういうプログラムがあって・・・』
とその理を一定のルールとして記憶していた。
それは多くの優秀な学者に検証された心の仕様書。
有用性は私も認める。


でも私にはふわふわと揺れ動く頼りなさを感じていた。
そこが気持ち悪かった。


だが『海馬』を読み進めると、
『脳のここにこういうプログラムがあるからね。
だからこの場合こうなるんですね』
と実に明瞭に説明できることがある。
それに驚きました。

もし今まで人に以下の質問をされたら、
『今までは心のプログラムどのオブジェクトがどこにあり該当行番号は?』
回答は『わかりません。』と答えるしかなかった。


ですがこれからは、、、
『脳のこの部位はこのような特性がありまして〜』と回答すればいい。
その脳の部位の機能を説明しながら、
イラストで例えば海馬の部分を相手に提示すればいい。
衝撃的なほどすっきりした回答をえられるように感じた。


それは今まではコンピュータのプログラムソースが読めなかったのが、
急に行番号までココ!って指し示せるかのような・・・錯覚を感じます。^^1
ソースが読めればプログラムの流れやバグ取りや手入れができます。
これってすごいことですよね。


心を触るのは手の感覚では難しいが、
脳を触るのはイメージできる。
そして脳が一定の機能を果たしている事も信じられる。
手で触れることで信じる触覚優位の私にはありがたい。
心と脳の関係が今後もより深くひもとかれていくでしょう。


ですので心理学を学びたい人にも参考になると思いました。

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まずは下記のサイトをご覧いただいて、
気に入ったら本をお読みいただければよいでしょう。


ほぼ日刊イトイ新聞 - 海馬』
http://www.1101.com/brain/