図書館でみつけた本で面白いコンセプトの本があった。
絵画の実物大そのままを本にしたものだ。
たとえばモナリザの絵の実物大。
本はB4サイズぐらいの大判の本ですけど、
顔と胸の上部部分が写っているだけだ。
「へぇ〜。こんなおおきさのサイズなんだ」
うちには両親が上野にモナリザがきたときに買ってきた
縮小されたポスターがある。
そのサイズと違う。
興味深い事に実物大の絵を目の前にすると、
レオナルド・ダ・ビンチが絵筆をとる姿や息遣いが見えてきた。
実物大だから伝わるリアルな感覚だろう。
とにかく今まで観た感じとは違って、
ものすごい新鮮な驚きが感じられた!
意外に人は実物大をみないでもそれに少し触れただけでわかったような気になる。
そんなことが痛感させられた。
もちろん触れもしないよりは少しでも触れたほうがいい。
だけど少し触れただけでわかった気になってしまう事は、
なにも大切なものを味わえずにいるような気がする。
肌感覚で伝わる価値もある。
少しでもその肌で吸収できる近さで。
今日、たまたま本屋で『原寸図解人体のからくり』http://tkj.jp/book/book_20142501.html
という本を見つけた。
人体の解剖図の原寸がいい。
一般の人がみてもそれなりに見ることができる範囲の図だ。
気に入ったのですが衝動買いを踏みとどまった。^-^;
でも次にみたらどうなるだろうか?
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余談ですが、
人は偏見という手抜きを覚える。
年をとるごとに手抜きを覚える。
一度学んだ事を元に一般化して、
何かひとつが事実であれば似たものすべて事実とみなしてしまう。
そんな偏見や先入観がしばしば誤解をもたらしてしまう。
根拠のない先入観や偏見が実物を見たり感じたりせずに
それをあたかもみたように話をしてしまう。
先だってのことだが、
よく知ることのない手技をする先生のことをダメなやつという人がいた。
その先生の施術を受けて実感した上での言葉ならわかりもする。
だが実物を観ずに触れずに類推した一般化した断定だ。
先入観や偏見のなかで生きていると感じた。
五感を必要としない世界に生き、
枯れていく恐ろしさがあった。
少しでも実物大のその人を感じる事。
そんな当たり前のことを手抜きしてはならないと思う。