左右脳のバランス感覚を大切に


固定観念を消して素直に観ること。


これは大切なことです。



私は『脳の右側で描け』(B.エドワーズ著)という
ドローイングの本が好きでずっと本棚にいれてます。
右脳を使ってドローイングするテクニックを教授してくれる本。


絵画の贋作のサインをまねるやり方があります。
原画のサインを上下さかさまにして観察すると、
驚くほどうまくかけるのです。


個性的な原画のAという文字を普通に真似ると、
知らず知らずのうちにまねしようとする人物の文字の書き方の癖が入る。
そのためまねしようとしても似て非なるものになるのです。


それが上下さかさまにしてしまうだけでなぜ驚くほど似せて描けるか。
それは観察眼が左脳による分析を挟みにくいからだと思います。
文字を書こうとすれば左脳で自分らしい文字を無意識に書いてしまう。
これから「文字を書く」と思うと原画サインの文字を感じる力が鈍る。


「自分の今まで得てきた文字の書き方という知識」が、
素のままを観察眼を捻じ曲げてしまうのですね。
それが原画サインを上下反転した瞬間に
文字のパーツのカーブの角度や線と線の空間などが見えてきます。
文字認識ができずに先入観もてないほうがうまく描ける。
見慣れたものは先入観が強まる傾向があります。
関心や注視度により絵がゆがんでデフォルメされゆがんでしまう。
それが描いた作品を原画と似て非なるものにするのです。


人体の各部詳細を観察するとき。
いかに自分が観た像に見慣れた感じを放棄する右脳モードに帰れるか。
右脳モードと左脳モードを脳梁で協力体制を築く。
脳の闊達な機能が発揮できます。



左脳でデフォルメした人体を観ていると手技をすると迷宮に入ります。
人体の知識や情報は手技の知識などは私たちには必須です。
これがなければ話になりません・・・。
ただ見慣れて熟知した部分が強烈であればあるほど、
子供が人の顔を描くと目が巨大に描くような認識をします。


右脳モード視点でデフォルメ像を修正してもよいでしょう。
でも本来は正確無比な観察眼を先行させたほうが、
その修正作業というもののストレスも軽減します。


私が普段おこなうワークですが、
施術知識はテキストなどから少しずつ蓄積して増やしているので
昔と比べれば複雑なことをしています。
ですが「当たり前なシンプルなことしかしてない」ように感じる。


おそらくほんの少しだけ右脳モードが働きだしたからのようです。