骨も衝撃で縮みっぱなしになることがあるの!?

マトリックス・リパターン「痛みを解消するセルフトリートメント・プログラム」』という本があります。


痛みはストレスや緊張があることを教えてくれる警告です。
慢性的な痛みを克服するカギは、痛みの発生源をつきとめること。
どのような異常が起きているかを知り、
エネルギー・バランスを回復することです。
本書では3つのプロセス、
つまりホディ・スキャン、ボディ・チェック、セルフ・トリートメントからなっていて、
これらが簡単にマスターできるように、写真とともにやさしく解説されています。


という感じの本です。



本を買って自分の体でどこまでそのような変化を感じ取れるか、
試行してみたのです。
ですが私、個人には練習不足があるのか書籍に紹介された登場人物ほどの
劇的といえるほどの体の状態の改善は見られませんでした。
感覚的な要素も必要なトリートメント法なので、
実際にこの目でトリートメント作業の様子をみないとわかりづらい(^-^;)。


ただこの本を読んでいて、
とても面白いなと思ったのは骨に与えられた衝撃についてです。
骨も筋肉などの生体組織と同様に、テンセグリティー体であり、
線維質でできた枠組みの周囲にカルシウムなどのミネラルの結晶が密集してできたもの。


正常な骨に対して、
外力が加えられ衝撃を受けた骨は部分が圧迫され放射状に広がりだし全長が縮む、
という視点です。


筋肉もストレスや緊張により硬化して全長が縮み
戻らなくなるしこり化する現象を起こすのですが、
骨にもそれと同様であるというわけです。


筋膜リリースをしていて、
骨以上に硬くなった筋を解くとき、
「これは骨のように感じるでしょうが骨じゃないんですよ。
人体解剖図を見ていただければ明らかに筋肉がそこにあるのがわかるはず」
といったり、
「さすがに私も骨を解こうとはしませんからね」といったり。


ですが実際は突き指をしたりしりもちをついたり捻挫をしたり、
悪姿勢で一定の箇所の骨に長時間緊張短縮化させる圧迫をかけたり。
そんなことをしていると骨も筋肉と同じように硬化し短縮化するのです。


たとえばバレエやバレーボールや他さまざまのスポーツで、
骨に衝撃を与えるような怪我をしたとすれば骨も短縮する。
または怪我をしなくてもバレーボールで激しくジャンプして
激しく着地をするならばそれが小さな外圧衝撃として骨を圧迫しそれが積もり積もっていくこともある。


すると衝撃を受けた部位の骨が短縮し数ミリ単位で短くなっていくだろう。
ただその数ミリ単位の短縮した数本の骨が立位では大きな影響をおよぼす。


骨が圧縮されるほどの衝撃を受けたら骨と骨の間にある関節組織はどうか?
骨よりもやわらかい関節組織にはより大きな衝撃があたえられ変形する。


そのような視点で骨や関節部に
過去からの影響が与えられたかスポーツ歴や怪我などの障害歴を聞く。
筋膜にのみその影響がおよんでいるのではなく
骨や関節にまで影響していると推測すべきこともあるだろう。
筋膜をリリースする以上に骨や関節部の正常化は難易度が高い。


というような視点をこの本から教えていただいた。


本書では骨の縮んだ状態を改善させるためのセルフトリートメント法を
紹介してくれている。
だがそれがどこまで有効であるか、
試行して結果を評価する実験を繰り返してはいるがまだわからない。


他に有効性と安全性の高い
骨のセンテグリティー状態を正常化させる手技があればいいのだが。


とりあえず圧迫して縮んだ箇所を立体的に周囲を含んだ大きな面接触
はさんだり接したりし密着圧をかけたままリリース方向へ
ずり圧をかける独自のやり方で問題箇所をリリースするよう工夫している。
これで筋膜リリースをしていただのみのときよりも
成果を感じられることも幾例かあった。


現在は他にもよりよい方法がないか調査中です。