『反射もどき』から脱したいものですね

一昨日前の施術の際。
作業療法士をなさっているお客様の施術だった。


私は理学療法士の本を渋谷のジュンク堂で、
面白いな〜と感動したことがある。
観ていたのは以下の本です。

ブラッシュアップ理学療法―88の知が生み出す臨床技術


購入すると言うまでには至らないものですが、
論文調で筋道を立て、データを掲載して解説。
大きめの医学書がある書店に立ち寄るときに、
繰り返し立ち読みをさせていただく一冊です。 ^-^;;;


論文だから読む気が失せるという人もいるでしょう。
私も最初、見慣れないもので、うぁ〜っとなります。
ですが理学療法の臨床面での関心を深めてくれるし、
それは取りも直さず人体を深く読む視点を提示する。
興味あるコンテンツは、気づけばしっかり観ている。


データ部分や写真等から感じがつかめてくるので何を言おうとするか
その点が要領よく理解できてくる。


つまりなぜそうなるのかという論証をするから、
話の進行に大きな飛躍がないことがありがたい。


日頃、中医学関係の本や手技療法の本などで技術を学ぶ際に、
よく出来た本も多数あるものの、
作者は深いところまでその技術遂行に見渡す目があるからわかっているだろうが、
本からはその基底部の論証がない断片をいきなり伝えられていそうなものもある。


そうなるとよほどその流派に精通していない限りは読みこなせない。
施術技術なんていうものは、身につくまでが大変なのだが、
身につくまでの初歩から高度までのステップアップ階段が
途中で割愛されていそうなものが多数見られます。
紙面のスペースの限りもありますから、
それはしかたがないところですが。
論証不足であろうものの説得力は、
どうしてもこちらサイドで筆者と
同等レベルの思慮深さと情報通にならなければ読み解けないのかもしれない。


そのような手技療法関係の本では、洋書を訳したものは、
まさに論文調で事細かにイラストを付して語る書がある。
多分に私にとり、それはそれで読みやすいものではない。
だが読んでみて、後々になり資料性の高さに助けられる。


そういうところがあっての、ブラッシュアップ理学療法―88の知が生み出す臨床技術という本は、
面白みがあった。


観ているだけで、いろいろと新たな施術技術を考案できそうだ。


そんなこともあって、作業療法士をなさっておられるお客様と、
整体関係の書籍には、あまり論証を付した本はないが、
理学療法の関係本は、論証を試みた論文調のものがあって勉強になるという趣旨の話をしていた。


すると、作業療法士の方が、
やはり、一字一句しっかり論じるというフォームでの記述をするトレーニングをなされたそうだ。
記述法が要領を得ていなければ、叱責をいただける。


アカデミズムである方々と、私のような在野のものとの違いは、
人にわかりやすくデータ提示して説得力をもった論証をする点。
そのようなところにも現れているのだろうと感じました。



また、話が他に伸び、
私のような筋膜を調整していく施術者の集めるテキストは、
多くは筋骨格系のものであるのだが、
彼らは人体特有の【反射】というものに造詣が深いという。


人間として、まだ生まれ落ちて間もない赤ちゃんは、
大人たちなら起こるべき反射が起きない。
赤ちゃんを触る等をして反射が未発達状態を確認し、
反射の機能を知るという勉強もなさっているそうだ。


その反射で人が動くと言う話に付け加えて、
以下の様な説明もしていただけた。
(正確に内容を聞き覚えていなくて失礼!)
サメの脳が挫傷した状態で動きが悪くても、
サメは水の中に入ると反射で泳ぎだします。


そういえば、
鯉の活造りのようなもの。
卓越した包丁さばきの料理人が、
身をそいで頭と背骨と尾っぽだけにする。
水槽に入れたときに泳ぎだす脅威の技が。
包丁人味平」でしたっけ、^-^;
あったような気がしますが、、、
それも反射なのでしょうか。



脳を使って体の筋骨格系を操作しているわけではない。


脳を通さずに体を動かす仕組みが反射として備わって、
反射作用が悪くなると日常生活に支障をきたしますし。
それは新たに反射という仕組みをリメイクしなければ、
なかなか思うように状況を打開進展させていけません。


そういうところで、
作業療法士としてのお客様の活躍の場が生まれるのでしょう。




少し自由な発想で思考してみて。
人間の動作のほとんどは何ら深く考える新鮮味もなく反射で。
高度な動き方のプログラムをメモリーして実行する小脳はあるが、
もしかすれば、小脳に行く手前の段階での反射で制御されていて、
思考の省かれた省エネ化の反射に頼りすぎているのかもしれない。


体の中にある適切なテコの原理や滑車の原理等の応用が効くためには、
本質的に姿勢の理想状態での維持が必須である。
それがあまりできていないときには、
本来的に体に仕組みとして仕込まれたパワフルな反射ではない形の、
主に屈筋群に過度の緊張状態を強いる癖付けをしたことによる
『反射もどき』で暮らしを成り立たせていることもある。
『反射もどき』機能も、長年にわたって使えば生理的な機能に感触が似る。
違和感を感じられることもなく、過度に屈筋群のダメージを増し続けては、
『反射もどき』からの不調だとは気付かずに、つらい思いを重ねてしまう。
実にそのようなケースは多いように思います。


私には『反射もどき』が、体を歪める根源に思えてならないのです。


そして『反射もどき』は、筋膜のよれとか歪とか裂けてとか癒着に、
大きく関係しているのではないかと感じています。
先ほどまで、論証を述べていくことがよしとするというところから、
ずいぶん離れた意見ですが、
それは私自身が日頃の施術で見えてきたことです。


実質、劣化した筋膜状況からは『反射もどき反応』は逃げられない。
それは身体操作を持ってリセットするには、
特別なボディワークを積み重ねていかなければ、
話にならない場合が多分にあることを知っているからです。
ここも手間・暇・時間と強烈な学習意欲を維持し続けて問題を深く見通す目が必要な、
大変な厄介なところでもあります。


促成栽培でのセミナーで十分なものじゃない。
思索の及ぶ深さを広げ、身につける修練など、
欠くことのできないところも多くあるのです。


だから多くに方々にそこを押して推挙しても、
途中でドロップアウトなさることもあります。
その気持、分からないでもないのですよね。


ただ半端な追求がもどかしくて仕方がない性格の私には
進化の過程が目に見える分野でもあり面白くて仕方のないところでもあります。
まずは私自身が少しでも理解を深め、人に伝えるための下地が作られることが、
大事なことだと思って取り組んでいきたいと思います。



もちろん私の中にも、そのような『反射もどき』がはびこっている。
ただできるだけリセットしていかなければと気づいただけいいです。
がんばればることで『反射もどき』を抑えこみ、体の内側にあった、
画期的な反射機能の発動へとバトンタッチできるときを心待ちにしてます。


まさに羽の生えたような感じになるのでしょうか。 ^-^
体の操作性の向上は、自身の身体の存在感や居心地の良さを、
間違いなく清々しいものへ生まれ変わらせてくれることでしょう。


おそらく私どものような動きの面でも見るボディワークを志すには、
生理的に起きる反射機能と、
後発的に創りだされた反射もどき機能と、
分析していくためにも、私も人体に起きる反射について学ばなければ。



お客様により、反射にも学習意欲をかきたてていただいたところです。
ありがとうございます。




いったい、どんな本を読めばいいのだろうか。
まずはブルーバックスあたりでしょうか。
確かそのような本は持っていたので、
探してみます。