施術者もヒューマンエラーが起こることもあります


施術を志そうとなさる方へ話をしていて、
施術のミスはあってはならないという気持ちが、
かえって身をすくめさせるということもあるのでは。

それで伸び伸びと施術を学べないのはよくありませんよね。



では、施術をする人は、一切ミスがないのですか?
という疑問につきまして。


目指すのは、そこですが、
現状として、絶対そうだとは言い切れません。


人の体の多様性を、
どのように透視し、
それを変えられるものか。




施術者として、あってはならないのが、ミスです。


ですが、起きてしまうこともあるのです。


大変に申し訳ないことです。


私も相応の年月、施術をさせていただいて、
安直なミスをすることはほとんどないのです。


施術上のミスをすることは、
お客様にもダメージを与えることですが、
施術者にも同様かそれ以上の緊張状態へ。


一気に、廃業状態に至ることもあります。
だから当然、ミスのないように考えます。



ただ、相当に注意をしつつ作り上げていても、
あとから思えば気が利かなかったと思えたり、
思慮が欠けたと後悔をすることも、あります。


特に、私の場合は、
常に施術成果が向上するようにと考え続けています。
それによる施術変化のメリットも大きいのですが、
変化には良くない面もあるといえるでしょう。



例示したほうがわかりやすいでしょう。


私の例です。
あまり詳しくはお伝えできませんが、
少しだけお伝えいたします。



私はゼロプロマッサーのという、
強力な振動を起こして圧をかける器具を利用したてのころ。


体に接触する部分のアダプターを、最も当たりが強くなる、
ピンポイント圧をかける極小のアダプターを利用しました。


いくつかの形状のアダプターを購入していたのですが、
どれが最大級に自分の意図した施術効果がだせるのか。
自身に試用して、2ヶ月ほど研究に研究を重ねました。


その上で、私のやり方では極小アダプターが最大級に、
益がある。
そのように結論付けました。


ただ現在は、そのアダプターを使うのは辞めています。


成果は私の見方では、半分以上下がりますが、
接触面の大きいアダプターを採用しています。



ピンポイント圧には、問題が生じました。


体の緊張が強すぎて皮膚が弱い人もいます。
改善成果に比例してつらい好転反応が生じることもあります。


ピンポイント圧が強いと、
皮膚に痕がつくケースがあることがわかったからです。




あなたはカッピング、カッサなど、
試してみたことはありますか。


やったことがあればカッピングのカップで吸引したり、
カッサでこすった部分に、
独特の色の痕が付いた人もいると思います。


グーグル画像でカッピングを検索したもの
http://goo.gl/qTdQpV
(私もカッピングは使いますが、瘀血がカップ内にあふれるようなことは絶対にしません!)
(お医者様でなさっておられる方がいると、知人に聞いたことがありますが、)
(私どもがそのようなことをすれば、間違いなく訴えられますから。)


グーグル画像で「かっさ」を検索したもの
http://goo.gl/Bt1lNo


カッピング等で生じた痕を見て、
カッピングやカッサを施す者は、
色の出方や皮膚の水ぶくれ状や、
他の問題の起こりから内部状況を読みます。


色で見れば、だいたい、次のようなことが言えている。


皮膚に浮き出る紋.png


健康状態がいい人は、元のままの皮膚の色で、数分もすれば跡形もなく形跡は消えます。


急性期の筋肉疲労では、ちょっと赤っぽい色が浮き出てきますから、
「ちょっとお疲れなのですか?」という言葉がけをいたします。


凝り等が慢性化しつつつあるときは、紫色の痕が浮き出てきます。
「だいぶお疲れのようですね。いかがなされましたか?」という言葉がけをいたします。


そして黒い色の痕がでてきたならば、
皮下組織にある筋膜同士のなかに湿潤する摩擦抵抗を消すための油が切れてしまっている状態です。
摩擦抵抗をなくすための油は、本来無色透明です。
それは潤滑油が常に新しいものが配給されるようにできていればのことです。
凝りがひどくなって新たな潤滑油が供給できなくなっていて、
古い潤滑油を悲しくなるほど使いまわしたときの色です。
そんなにまでして使い古した油の廃液もできていません。
それがカッピング等をすると皮膚表層に出てくるのだと、
説明を読んだ記憶があります。
体の中では隣通しの筋肉が引っかかり動きが引き連れてぎこちないのが透けて見えています。
「がんばって、体質を根底から改善させていきましょう!」



もともと痕が付いた方々の跡がついた部位周囲の血行を考えれば。
色に相応した分、不良になっています。
凝りが出た初期の段階では痛みがあったのですが、
やがてそれをやり過ごして、
血行不良過剰で、痛覚神経が麻痺している。
だから痛くなかっただけなのですね。
痛みを感じ取れるようなセンサーが働けない。
それは火災時に警報機を切っていることです。
麻痺状態であれば、いずれはまずいことになる。


それがカッピングやカッサで、
皮下組織にある酸化が著しい異物があることに、
脳が気付き始めたということ。


そして、上記の痕が付いている間は、
カッカ、カッカと鬼のように血液循環の代謝が勢いを増し続ける。
だから痛覚神経が正常に痛みを感じだしますから、
痕の部分は、腫れ物に触るように発痛をともなうことがあります。
そして代謝がよくなるときに、
だるさが増すという人と、
交感神経への働きかけも同時に何らかの作用で起きるのか、
眠気が起きないという人もでてきます。
様々な出方の様子があるので、
やって観る前にどうなるかは、
予測がつきにくいところです。



実は体内に黒っぽい潤滑油が溜まっていても、
それを排毒させる力が弱くなりすぎるならば、
カッピングやカッサをしても無反応で、
元の肌の色のままになります。
低血圧等の体の状態が虚証に強く傾いた人に多いパターンです。


「性根を入れて、私も頑張りますから、一歩ずつ着実に進んでいきましょうね」


この状況になりますと、
そこからの改善や復活は、
並大抵の努力ではないことを、
私自身、知っております。
またそのようになってしまったときには、
そこから抜け出せる人は、
数少ないものと思います。


最も慎重に施術院選びをしていただきたいケースとなります。



だいぶ、話がそれてしまいました。。。




そして私にいろいろ教えていただいているボディワークの先生に
ゼロプロマッサーを脊柱起立筋上にさせていただいたときのこと。


ご自宅にお帰りになられ、親子でお風呂に入られていた時のこと。
「背中に赤いラインが入っているわね」と指摘されたそうです。



私にとりまして、
このような率直な情報を伝えていただける方は、
宝だと思っており感謝しております。


その赤いラインが入っていたときに起きた状態をお聞きすると、
それはカッサ等で痕がついたときと、類似した状態のようです。


この場合、
赤さが少なければ、数日で消えてしまいますが、
赤黒くなったり紫になれば、2〜3週間残ります。
仕組み上、自己の代謝力で瘀血を洗い流していき、
痕は消えていくのは確かですが。
ただ体質的に痕が消えづらい人もいます。
場合により1ヶ月ほどかかった鍼灸師の友人がいました。
個人差があるのでしょう。



カッサやカッピングを受けたならば、
そのようなマークが付いている間に、
血行が良くなって老廃物が排泄でき、
体質が好転して改善につながる時期。


そのような説明を受けたことでしょう。


カッサは、自分で自分の肋骨部分を擦り、
痕がついた状態をみて体験したのですが、
カッピングは、専用のカップと吸引機器もあるので。
すでに数百名以上の、そのような状態が起きた際の、
痕の様子や腫れについてなどの情報は頭に入っています。


全身の状態と代謝力、そして痕の状態を見て、
ちょっとだけ触れさせていただければ、
かつてのお客様の誰々と同様な様子だとわかります。
それで今後にどのような状態になるのかを伝えます。


私は、ゼロプロマッサーでの圧を自分で試したり、
数名の知人をモニターにして様子をみたとき、
おっしゃられた状態になったことがありませんでした。


だから、正直、驚きました。。。


そのお話をお聞きして、
以降は、ゼロプロマッサーが接触するところに皮膚が傷つきそうな方の場合、
厚めにゴムシートをクッションとして挟みこむようにしました。
実質的に、クッションの厚みが増した分だけ、
私が意図したアプローチから遠のきますため、
施術成果は確実に減少していっています。


本当に米粒の半分ぐらいのピンポイント圧を、
私は狙いを定め、それを取り除いていたので。
それがかなえられる夢のマシーンでしたから。


それをかなえられずに、
どれほど歯痒い思いをしたか。
筆舌に尽くし難いものがある。


正直、施術成果は飛躍しました。
数年間も、施術期間の圧縮ができる。
それほどのもののように、思います。


それもあって、
断腸の思いで、
体に接触する面のクッションの厚みを、
増やしていきました。


クッションが厚くなれば圧力も下がり、
ポイントもずれて正確性が減じられる。


それでも他のお客様にご迷惑をおかけし続けるのはいけません。
クッションを厚めにし安全性を優先させるようにしていました。


私の施術をお受けいただくお客様には、
様々な状態の方がおられます。


そのような状況のおりに、
縁がありまして癌になっておられるお客様を出張で観た際に、
ゼロプロマッサーの有効性を説明し状況も説明し、
クッションの厚めにした状態で圧をかけたのです。


その際には内臓の投射からくる皮膚の問題もあり、
赤さが強くなるという点が見受けられました。
カッピングやカッサをしたような痕は、
お客様の条件から鑑みれば比較的に小さい程。


それを確認して、ほっとしていたさなかでした。



それは数カ月前になることですが、再度、
他のお客様に大変なお叱りを頂戴いたしました。



私自身、至らない点が多々ございました点を、
この場を借りて、再度、お謝りいたします。
そのお客様には大変に申し訳ないことをいたしました。



私の推測では、
ゼロプロマッサーの場合も、
カッピングやカッサにより生理的に出てくる痕がある。


実際は、それでの代謝が促進されていったという例も、
後に個人的に知人にムリなお願いをさせていただいて、
数例、検証させていただきました。


私自身にも、強烈に強くゼロプロマッサーを押し当て、
それでどのようになるのかの体験をしてみました。
私自身はカッピングやカッサをしたことがあるので、
痕ができた際の、状態、消える過程、代謝の様子など、
確かに、カッピング痕というより、カッサの痕に近い。
かつて私自身の身で体験したことあるように思いました。


ただ実際のところ、
ゼロプロマッサーにより起きているものが何であるか、
科学的に解明されているわけでもなく、
カッピングのように長年行われていて、
後々の経過観測が数万例あるものでもありません。




人により瘀血の量や皮膚の状態は様々ですから、
カッサ状態を起こすかどうかは読みきれません。


そのような判断にもとづいて、
安全性を優先したいと考えていて。
ゼロプロマッサーのアダプターを、
接触面が大きいものに変えました。




親兄弟や同業の施術者には、
小さなピンポイント圧をかけられるアダプターを了解のもとで使います。


ですが現状では、
お客様には、禁止すべきと考えています。


ゼロプロマッサーが広まることで、
研究が進むことを期待しています。
ここでは時期を待たなければならないことなのでしょう。





施術ミスは、熱心に頑張った先生が、
頑張りすぎて起きることがあります。


頑張りやさんならば、
いさみ足が起きます。


そこを乗り越えて、
慎重さを伸ばそう。
私自身の課題です。


ずっと考え続けなければなりません。


ただ施術をし始めの方はひとつの選択肢として、
症状の重い方は先輩などにお願いできるならば。
仕事の進行上、難しいときもあるでしょうが、
それが最良なのでしょう。