【柄の長いベン石温熱器】。
こちらを利用し始めリリースがしやすくなった研究個所のひとつ。
鼠径靭帯周辺と鎖骨下があります。
鼠径部と鎖骨下は、それぞれの周囲にリンパ節を持ちますが、
特に鎖骨下周辺にあるリンパ液の終点機関。
全身から集められたリンパが最終的に鎖骨のくぼみの奥にある静脈へ流れ込んでいくのです。
だから鎖骨リンパが滞るとリンパ液全体の流れが悪化して、免疫が鈍る。
特に左側鎖骨リンパ、重要です。
そしてこの部分の鎖骨リンパ近隣の鎖骨がずれていることがあります。
それは一見すると左側鎖骨下にある鎖骨下筋と右側の鎖骨下筋を比べれば、
右側鎖骨下筋の鎖骨の骨頭部の直下にできたボール状のしこりのほうが大きく見えて異常さが強調されて見えてしまう方も多いのです。
そこまでしか目が届かなければ見えてこないものですが、
実際は左側の首凝りのせいで左側の上部肋骨(1~3くらいまで)が上方へとけん引固定されており、
同時に薄くなって前後がつぶれる構造に異形しているのです。
これは私がさんざん、なぜ左手の脈状が異常となるかを考えぬいて見えてきたパターンです。
このようになったとき。
鎖骨下の鎖骨リンパを流していくようマッサージをかけても、
やがてはまたその周辺の筋肉や骨組みなどの組織が歪曲したようなゆがみを生じさせて、
鎖骨リンパの流れは滞りだすということも見えてきました。
そうなると体質上、リンパで運ぶ免疫がどうなるかというと、
蛇口にホースをつないで水を流すときに、
出口を圧迫しなければ勢いをもって水流が放出されるのですが、
出口に圧迫をしたため水流が停滞しますし、内部的に逆流するような現象も生じてきます。
それと同様のことが体内で起きてしまう。
人体の左側鎖骨リンパの流れをここで圧迫すると、
免疫を運ぶリンパの流れが滞るだけではなく、新たなリンパを生成して在庫がどんどんストックされるだけ。
そして在庫のリンパ液を置くためのスペースは限られているため、やがてリンパの生成力を落としてしまう。
そうやって人体はウイルスや細菌などの外敵から身を守る重要な機能を発揮できなくなります。
それは左右の脈状で左側の脈圧が弱かったり沈脈のようになっているとリンパ的な問題が生じているのは、なぜ?
という視点でみて、考えてきた私なりの仮説です。
左側の腕の脈が弱化する現象について。
単純に言えば、斜角筋の間を腕への血管が通るときに、
硬化が著しくなった斜角筋は、そこで血液の流れを滞らせる手への血管を圧迫させるからだ。
ということではありますが、そこだけで着眼していていては、
なぜ、左側の脈状が悪い傾向がある方は、重い病になる傾向をあらわすのか?という疑問の答えになっていない。
左側の脈状が悪い方は、
体調が停滞し続けるか、動けていてもやがてコップ一杯一杯まで水が溜まって一気に流れるように重い症状が出るときが見受けられました。
それはたまたまなのかもしれませんが、確率的に高かったため、なんらかの隠れた理由、仕組みがあることは察するべきところです。
頭の中で3Dグラフィックを描きつつ、観察の目を凝らしていなければ、そのような仕組みのしっぽはつかめませんから。
また硬化が進んだ左側斜角筋部分だけを解いても、そのリリースされた状態が長く持たないという理由は、なぜ?
そこに踏み込んで、視野を深めなければというところがありました。
話を元に戻しますと、
この左側鎖骨リンパに関係する鎖骨の上下の部分。
下は鎖骨下筋、そして上部肋骨の首の筋肉の終点付着部など、非常に奥まった部分です。
そこの部分は柔軟性が確保できている方のリリースはたやすいのです。
ですがすでにその部位が骨化しているような方も多数おられます。
肋骨や胸骨や鎖骨のずれがでて胸郭の変位が大きかったり、
呼吸のときに十分に胸郭全体が拡張収縮を表せていないならば、
おおよそこの鎖骨下のリンパの排泄する部分あたりには凝りがあります。
それにこの部分は表層部の筋肉を緩めてみても改善率が悪く、
腕の使い方がうまくいっておらず肩甲骨の位置ずれがあって内転ぎみで姿勢維持する傾向があれば、
ほぼほぼ問題がある状態ですから。
そのため、状態の軽重はありますが、すでに全身のリンパの流れを制限が加えられている状態です。
ただしこの鎖骨という骨の骨折がしやすいため下手に強い加圧はできないだけではなく、
信じられないほど痛みが強く出るところなのでリリースできないというだけではなく、
ちょうどよくこの鎖骨下やその周辺のリリースをおこなうには、、、
関節モビライゼーションでもダメで、、、
胸鎖関節のAKAでも芳しくなく、、、
それらをしてから骨化した筋を緩める下地を創ってから解こうとしても、
そこの形状や加圧制度を正さなければ弾かれて、痛い割にはさほど解けない。
そのような、この部分の筋膜の癒着部を解くことが難しい状況だったのです。
それがかなり【柄の長いベン石温熱器】で、
ベン石の温熱による消炎効果と、
てこを使う加圧の精密なリリース法で深度もモニターしながら解くことで、
だいぶ、対応可能度が上がってきました。
ただし、このベン石を使っただけでも解けない難題部分なので、
他にも8工程ほどのこの部分を緩めるための手を私なりに入れ込んでいるので解けるのです。
ほんとうに詰将棋問題を解くようなもので、途中の手を抜いたら、負けますから。
執念深く工夫を足すことで、成果が出せるようになってきたら、
徐々に原理を深く手にすることが可能となり、
途中の工程を抜いても成立するやり方を見つけられてくるものですよね。
単純に【柄の長いベン石温熱器】でぐいぐい押したら、鎖骨も骨折のリスクがかなりあるし、
痛みが耐え難くてその意味でも深部までを見越したリリースは成立できません。
手や他の器具で解くというのも、深層まで狙ってリリースしようというのは難しい点がある。
もちろん神業的なことが使えるような高度な知識とノウハウを持った施術先生なら話は別ですが、
具体的にこの部分のリリースについて書かれている専門書等は、ほとんどでてませんから。
だいじな部分ですが、リリースが危険と隣り合わせ、お客様の苦痛と隣り合わせという、
あまり深入りしすぎにはなりたくないところだということも感じざるを得ません。
でも【柄の長いベン石温熱器】がなかったら、私の詰将棋の王手をとることはできなかったのです。
だからこそ、私の施術法では画期的なツール。
ただ【柄の長いベン石温熱器】をあまりに巧みに使いこなす必要がでてきて、
私の体に負担を強いてけっこう手足の冷えが極端化するような情けない状態に陥ってますが、
どうにか、そこも動きの操作の自助努力という工夫で解決していきたいと考えています。
そして昨日、はじめて【柄の長いベン石温熱器】を<2本体制>で施術をすることができました。
いままでは、一本のみで通電させて温めては使い、冷えてきたら加熱させるため通電させて使えない。
そのような繰り返しになっていました。
施術が途中で加熱させるよう中断されることがあったのですが、それもなくスムースなリリースが可能となってきました。
そのようなさなかの、コロナウイルス流行の影響をおもんばかっての施術受付の休止。。。
【柄の長いベン石温熱器】を使った粗削りなワークを、
徐々に磨きをかけて、お客様に対応しようと考えていたので残念です。。。
いまの鉄は熱いうちに打てというタイミング。
逃したくない。。。
長らく作り込んだ施術ノウハウも、数週間おこなわないと、
カラダは覚えていても頭のなかの記憶が弱まっていきます。
そういうものなのです。
本来は私のようなところは休業しなくてもいいとされているのですが、
いまのままコロナによる重症者が増え続けないよう切実に祈る気持ちで
私にできることはと考えて施術受付の休止を決めさせていただきました。
お客様には、大変にご迷惑をおかけいたしまして恐縮をいたしております。
休業中は施術者の友人等でひそかに鎖骨リンパの関連部位のリリースノウハウを研鑽して磨きますので、
どうか施術受付の再開のおりには、
よろしくお願いいたします。