「腰が張って痛い」という不調で、ときどきある身過ごされがちなケース。肘の問題。



ひと月前のことです。
左腰が張って軽くしびれが足先まできてつらいというお客様。
一年ぶりのお客様で、この左腰が近場の整骨院やマッサージなどを受けても治らず、
徐々に悪化して不調の根が拡張していくのが感じられていった。
それで半年間、日々、苦悶のときを過ごしたそうです。

ほんとうにそのときの体と心の状態をおつたえいただいているときの様子から、
なんで改善しないのかがわけがわからなくなっていて。。
先が見えないつらさが抜けないままでいるつらさがつたわってきました。。。

今の県をまたいでの移動がはばかられる時期だが、
わざわざ和歌山から脚を運んでいただきました。




左腰部の張りが強く、それが徐々に皮膚の委縮や左側腸骨のずれを引き起こしてきたため、
座骨神経痛に似た不調もともないだしていました。

8件の地元の治療院を巡ったのですが、
行ったその日はよかったものの、次の朝には完全に戻っているというのの繰り返しだそうです。

仕事の形態がリモートワークに変わって、
以前にも増してプログラムを書く仕事に長時間を割く日々が続き、
椅子にじっと座っているのが苦痛で仕方がない。



ボディチェックをして、もしやこれは・・・というあたりがつけることができました。

結果から申し上げますと、
右ひじの内側の腱部にボール状に発達した凝りが盛り上がっており、
こちらの影響が腰に出たということのようです。
ボウエンテクニックによる肘内側のリリースができるムーブテクニックを何度か私が施すと、
それと同時に腰の不調が低下している実感を得ておられました。

肘自由来の腰痛.jpg

8件もの施術院に行って、改善どころか不調の深刻さが増し続けたというのは、
主訴である左腰部へアプローチをかけてもらちが明かないことをしめしています。

治療院へいくと不調か所を訴え、するとその部分を治療してくれたといいます。

そこまではメールで予約をいただくときに状況を伝えてくれたメッセージに書かれておりました。

だったら、主たる原因は、首後ろか膝裏か、そしてもしかすると肘内側か。
そのような推測をさせていただきました。
こちらのお客様のお体のパターンは十分に把握しておりますから、
屈曲と伸展をする関節のどちらかが屈曲過多へと陥り、
そこから抜け出せずにずぶずぶと入り込んだのだろう。

屈曲する関節の不調を広く全身から集めていくことで、
改善すべきアプローチポイントがみつかるでしょう。
ちなみに左腰部の痛みは腰はもともと耐える力が強い個所で、
他の屈曲場所に蓄積した負担でそこが正常に動けなくなっているのをカバーする補助をおこなって痛みがでる。
そうしたケースが多いことは、記憶しておくとよいでしょう。

腰が痛いから腰が悪いという考えでいては、
その痛む腰にシップ等を貼ってみても治りが悪いならば。
腰がどこか他の部位のサポート役になって、頑張りすぎた結果で傷んだんだなと思って探るようにすると、
意外に「あっ、こんなところに!!」という、そこを変えないと腰がずっと調子がいいままになれないポイントをみつけられます。
そこを見つけられると、より具体的に改善維持のための対策を考えられるようになるものです。
そこが見つからないと、今回のいろいろな治療院で施術を受けても一進一退ということがおこります。

首後ろ、膝裏、肘内側、そして座骨神経痛のような状態とのことで仙骨仙腸関節)の確認をしていくと、
肘内側という屈曲する内側部位に緊張著しくなった凝り」の違和感を感じました。

膝裏、首後ろなどにも問題はあったものの、肘内側は特別な不調が示されています。


「首後ろ、膝裏、肘内側のどちらかに問題がありそうだから、セルフチェックして!」と、
私からメールの返信をさせていただくときにお伝えしておいたのですが、
本人がその部位にチェックをいれたときには別段不都合を感じはしなかったものの。

私が固まった肘内側の腱をはじくようにクリックをしたときに、
本人ははじめてここが異常あるだろうと感じ取ったようです。

「いやぁ、おかしいな。私も自分でもんだり、さすったりして異常がないか調べたんだけど、ぜんぜんみつからなかったよ」
とのこと。

このようなことは、意外によくあることで、
自分で触ってみたときは、無意識下で不快さがでないようセーブをしがちなんです。
他者が触ると、そのようなセーブのコントロールは利きませんから、客観的にそれをありのままに知ることとなります。



リモートでの作業環境及び作業姿勢、労働時間などの状況をお伺いすると、
同僚がコロナの新規感染者となって改善後も後遺症に苦しむようになり、
その仕事がぜんぶ自分に回ってきてやらざるをえなくなっていたそうです。

自宅ではノートパソコンで12時間勤務が続き、背中を丸めての作業姿勢。
椅子の高さと位置が合わずに、つねにつま先立ちの座り方。(これをすると膝裏に、大ダメージをあたえひかがみができる)

あとマウスが半分壊れかけを使い続けていたようで、それにいらだちつつ作業。
デスク上のスペースがかなり狭いようで、マウスを走らせるのも難しいようだ。
「ぐあぁ!!!」と叫びながら右手に緊張が過剰に走るストレスを感じて仕事をしていたといいます。


とのことで原因は「壊れかけのマウス?」と仮説を立てさせていただき、
トラックボールマウスを試してみていただけませんか?」とお願いしました。



また右ひじの凝りがひどく、一度でリリースがし切るほどの強さでアプローチするよりも、
本人にボウエンテクニックの肘内側を緩めるリリーステクニックを特別におつたえして、
定期的に一定の成果が感じられ安定するまで続けてもらうようにしていただきました。



その結果が、先ほど届きました。


施術を受けてから継続して左腰の不調はうそのように消えています。
導入したトラックボールに慣れたおかげで作業効率が飛躍したそうです。 
肘内側の腱を緩めるテクニックは2時間仕事をしたら休憩をとることと決めて、そのときにやるようにしてくれました。
そのせいか、肘内側のスチールのようなキンキンになって縮み細くなり張っていた腱が緩まったそうです。
治った後の同僚は、後遺症の不調が続いているため長時間の集中がいるが、徐々によくはなってきている。

等々の内容でホッとすることができるご報告でした。




いまの時代は特別なスキルを持った者が、
突然、コロナの感染により仕事の戦線を離脱を余儀なくされることが起こりうる。
その覚悟で見ていかなければならないのだと気づかせていただきました。