肘のしこりの詳細説明

肘を通る経絡線には、以下の6つ。

・心経
・小腸経
・心包経
三焦
・肺経
・大腸経

肘を通る経絡線ok.png

肘の構造上、しこりができやすい部位があります。

ひとつは、、、
肘を通る経絡は重なった配置は、なされていませんが、
ですが肘関節は、関節特有の物理的な腕の曲げ伸ばしのときに負担が蓄積しやすい「蝶番関節」と呼ばれる構造。
であるがゆえに、過剰となった負担を長年かければしこりが蓄積していきます。
それはあたかもボールのような形状にまで発達してしまうことも。

 

 

もうひとつは、、、
橈骨と尺骨の間にある筋肉がしこりで埋まりやすくなっています。

橈骨と尺骨の間がしこりで埋まる.png

この部位にできたしこりは早期対応できて筋や腱の柔軟性があれば手技でリリースができますが、
いったん骨化したような硬さになれば、橈骨と尺骨の隙間という骨に囲まれた閉じた場所にしこりが入り込んだ状態に。
するとそのしこりをリリースしにくいだけではなく、橈骨と尺骨が別々の骨であるにもかかわらず、
あたかも一本の骨と化した動きしかできなくなってしまいます。

 


この部位にしこりができてにっちもさっちもいかなくなると、
同側または異なる側の首、膝、腰などに同様なしこりがつきやすくなり肘から飛んでいく負担が抜けなくなります。
それはあたかも四つ足で歩く動物であれば、肘が動きが悪くなってしまうと、
他の支柱になる手足や首や胴(腰部)に負担を強いることから起きる状態と同様なことが起きているものと考えてください。
肘のしこりは四肢等の、ぎこちない動作を余儀なくされることで新たなしこりを生み出す温床になっていると思います。


ただこの肘内側のしこりについて、
自覚的にその存在を発見しづらいようです。

かく言う私も、
ホットストーンの利用でこの部位に深くアプローチをできるまでは、
これほどまで深いしこりの根があったとは思わなかったというお客様が出てきたので。
私にはそこにしこりがあることは気づいていたが、
実際に解けるようなアプローチができるようになってから、
その部位のしこりの質や量、そしてリリース後の変化について実感できるようになりました。

 


肘の内外にできたしこりと橈骨と尺骨の間にできたしこりの力が相まって、
上述した肘を通る経絡線のなかを通る気の流れをこの場所で滞らせてしまうのです。

今までは肘の内側を通る、
・心経
・心包経
・肺経

ぎりぎり内側といえそうな
・大腸経
をメインに肘部位の経絡内の気の流れを滞らせるものと考えていましたが、

(※ 一般的ではないかもしれませんが、内科系の症状を発症した方の多くに心経と肺経に根の深い肘部位の問題がある方が見受けられています 気になるところです)


肘の外側にある経絡にも、やはり着眼せねばと思います。

・小腸経
三焦

といった部分も肘内側のしこりが大きくなって肘関節を詰めてしまえば、
問題は大きいという実感を持つことができるようになりました。

 

そしてそれらの経絡のなかを通る気の流れが悪くなることで、
様々な自律神経系の問題も引き起こされていくことでしょう。

たとえば、肺経を通す肘の場所にしこりがついてしまえば、
免疫系が低下して肩が内側に回りこんで姿勢が悪くもなる。
それにともない腹式呼吸がしづらい人になっているのです。

他の経絡に対して気の流れの滞りが生じたときも、
それぞれの対応する問題がそこから生じてしまうでしょう。


ただ、まだ私には仕組みがはっきりしていないのですが、
右利きの人であるにもかかわらず、
左側の肘のほうが深刻なしこりが入り込んでいる人が多くおられました。

若干、美容師をなさっている方が、櫛でヘアスタイルを整えて切るから、
このお客様は左手で巧みな操作をし続けておられるから納得しますが。

そうでもない方々の多くにも、
左側の肘に根深い負担を強いておられてしこり化が進んでいるのです。
人体の左側優位性の現れなのか、
またはスマートフォンを左手で保持するときに肘固定を強いた結果からなのか。

詳細はわかっておりませんが、
おそらく右利きの方が右手を使うときに左手側の肘を固定して操作するはずで、
そこからも影響がきているのかもしれません。

 

 


とりあえず、肘内側等にしこりが入り込んだ時は、
無理やりに圧をかけたり押したり伸ばしたりは禁物な場所です。

肩甲骨が外旋して肋骨に粘るようについてしまうと、
手の経絡線上の詰まりは加速するように感じますので、
肩甲骨をはがすような位置にもっていくことが大切です。

そのためのエクササイズとして私自身がよくやることは、

 

木刀のようなものを背中にいれて、
痛みが出ない程度に胴体を中心に回転させたり、
肘内側の部位のしこりに当てて刺激を加えるといいでしょう。

※ 根深いしこりになってしまっているときは、刺激が炎症を誘発させる恐れがあるため、負担感がある方はすぐに中止していただければとお願いします。
木刀を背中にし、肘に挟んでくるくるしてみる.png