食薬。
西洋医学で処方されるお薬ではなく、
食べ物の薬効成分をもって薬にすることができれば好ましい。
そう考える動機は、
「西洋医の薬は副作用がこわい」という忌避心からもあれば。
「食により冷え性の体質を改善させたい」
「食により病に対抗したい」
などの積極的な食薬を活用して健康を高めたく利用を考えてのこともあります。
ただ一部のほぼほぼ専門書レベルの一般書を除き、
多くの一般書レベルの食養生を紹介する本を手にして裏切られた人もいたことでしょう。
きっと期待できる成果があがるものだろう!
そう願いを持って取り組むものの、
実際には成果がかんばしくないことが多いと聞きます。
そういう私も同様で、大型書店に並ぶ食に関する本を多数買い揃えました。
信頼性が高い先生方が書いた本を読みだいぶ知識は頭に入った。
だったら行動実践してもよいと考え実践したが結果がでません。
それら一般書を併読して試行錯誤をしたが、なんだかわけがわかりません。
ただこれはインプットとアウトプットの関係でしかありませんでした。
インプットした情報に適切さが欠けていたから、
アウトプットが想定を下回っただけであったのです。
つまり食薬に関係する専門書レベル本を手にする必要があったことと、
それと同時に中医学上の(弁証論治で証をたて)なければ正解が見えてこない。
そうした仕組みがあったことに気づいて、愕然としました。
導き出せた内容と一般書レベルの結果との差異の開がある。
開きどころか、、、一般書レベルの知識で実践すれば、
寒証のものに熱証の食材をあたえて弱らせてしまうことさえあるではないか。。。
私個人が感じるところでは
一部の食薬関係の専門書は信じるに足るものです。
対して一般読者でもわかりやすさを重視して、
ページ数も百科事典ほどにふくらませることもできない一般書では、
大幅に大切な部分を割愛せざるを得ないものです。
図表や脚注などをきれいに見やすくわかりやすいものに変えて、
以前よりずんずんと一般書の内容が教科書といえるような濃さを持つものもでてきました。
ですが一般書の教科書と専門書を隣に並べて見比べてください。
専門書がわかるには中医学の心得があることが前提で、
中医学基礎がなければちんぷんかんぷんな文字の羅列。
でもそこがわかっている人が、
ひとつの症もいくつかの証にわけられ寒熱真逆といえる場合が、
ちょくちょくみられることに驚くはずです。
そこを見たとき一般書の教科書を採用して食薬を実践すれば、
利益よりもあやうさを感じるでしょう。
寒証のものが正確にそのような分類がなされれば、
寒証に沿った食薬がわかってきます。
熱証のものに寒証に振り分ける食材をえれべば、
ときにはそれが体調不良の原因ともなりえます。
一般書の教科書的なものでは、
そうした寒熱真逆の証になるものもみられます。
健康体の方がさらに健康度をアップしたいなら、
こうした失敗からも学べるものがあるでしょう。
対して甚大な病となって体調不良中の方ならば、
こうした失敗から悪化する可能性があります。
特に気をつける必要があります。
大勢のよくみられるトラブルをかかえる人達へ向けた一般書は、
ごく一部しかいないレアな人達に対してまでページを割きづらいのでしょうか。
体調不良が重い場合には、そうした都合もあると知ったうえで
取り入れる必要があろうかと思います。
ここ数日でお客様ご自身ではありませんが
身内ががんを発症なさったという話を続けて伺いました。
それが立て続けすぎて、昨日は何事かと驚きを隠せませんでした。
先だって私が入手した「防がん・抗がんの薬膳」という本があり、
中医学上の良書といえるがんの患者様向け薬膳の専門書です。
本書に昨日のお客様に役立つ情報が掲載してあり、
おつたえすることができ幸いでした。
本書は中医学専門分野の本と位置づけられるもので、
病に対して、中医学の四診を持って証を立てること。
そこから立法(食材、中薬、方剤)が具体的になります。
それゆえにお客様のがんを患われた方がどの証であるか、
この病には6つの証に分類されどこにあたるかを診ます。
患者様がお住まいが医療機関の多い東京ではありません、
幸い漢方を取り入れた医院があるとのこと。
そうであれば、そちらへ受診し証を見立てていただけた場合、
私がお見せした「防がん・抗がんの薬膳」の内容は
役立つ情報をお伝えできたことになるでしょう。
うまくお客様のお身内が、
漢方を取り入れた病院で証立てしていただければと願っております。
ちなみに「防がん・抗がんの薬膳」は
総論と各論にわかれており、
総論では一般的ながんでの取り組み、
たとえば抗癌剤等の副作用が強い場合の立法や、
がんによる不快を軽減させるような立法などが
役立つようにも書かれております。
各論では各がんに対応した解説や、
証に別れた立法が書かれています。
ひとつの病名でも証が異なれば、異なる方剤が処方されます。
その様子が手に取るようにわかってまいります。
お客様の身内の病には証が6つあります。
すると病の名前で判断できる必要な立法はあるものの、
6通りの異なる食材や方剤などの処方があって、
6通りのうちの2つの証の寒熱を見れば逆転しているところがあります。
つまりお客様の身内が熱証でるのがわからずに寒証の立法をお出しすれば、
身体が改善するどころか体調が低下しているところに追い打つ可能性がでます。
健康体を更に良くしたい人が間違えられたのとは、意味が大きく違ってきます。
そうしないために正しく証をたてることが大事になります。
そして正しく立てられた証をもとに処方された食材には、
(食薬)と呼ばれる優れた改善効果が発揮されます。
私はしっかり証をたてた方がそうした食薬と呼べる食をいただくことで、
驚くような改善変化がでた方を知っております。
ほんどうに副作用が一切ないまま益だけ掴んだ。
そんな姿に信じられなかった反面、
こうしたことができうるにもかかわらず現状知られていない。
これからはこういう流れが起きてほしいと渇望したものです。