私とともに薬膳を勉強しだした方から
すばらしい【漢方処方の解説】をしたホームページを教えてもらいました。
私には大変に参考になる内容の濃いページでした。
漢方を勉強なさっておられる方がおられましたら、ぜひ。
「漢方精撰百八方」
https://www.kinkikai.com/back/108/108.htm
「漢方精撰百八方」をチェックしていた途中、
気になった解説箇所がありました。
『脚気の本態はビタミン欠乏食のためではなく
瘀血を原因とするビタミン利用能力の低下による症状もある』
といった解説された部分です。
かつて脚気が流行したとき。
ビタミンB1などの栄養を摂取できる玄米食から白米食に変えたせいだ。
そうした【白米食】のみ問題視する内容が流布されました。
結果、ビタミン不足から脚気になった患者に対し、
ビタミン剤を与えて補い改善できたのは確かです。
みなさまも、きっとご存知のことでしょう。
私も、、、、
「そうか~、玄米食でビタミンが摂れてたのに白米にしたから、
ビタミン摂取量が減ったんだから、
脚気になっても当然だよね」
そううなづいて、それ以上の深掘りはしませんでした。。。いま深く反省しています。
それが(桃核承気湯で瘀血の対策)をしたら、
脚気の患者がビタミン剤を一切使わないにもかかわらず、
回復した例が多数報告されたという。
(桃核承気湯)はビタミンを補う栄養剤ではありません。
病理物質の血瘀が血管を圧迫し血行不良状態をおこしていた。
ビタミンB1は身体のなかに十分量あったにもかかわらず、
血行不良があればビタミン剤を投与されなければならなくなる。
そちらを(桃核承気湯)の破血作用で血行不良を改善させたら、
それだけで脚気が改善したという話です。
興味を持ってビタミン利用能力低下の仕組みを調べてみますと。。。
【瘀血そのものが直接ビタミン利用能力を低下させるわけではないものの、
血行不良がビタミンの供給を滞らせる、
また{ビタミンの代謝に必要な酵素の働きを阻害}する可能性はあります。】
といいます。
血瘀が血管を圧迫しておきた血行不良によるビタミン供給の減少は私も容易にイメージできました。
それにとどまらず{ビタミンが代謝するために必要な酵素が働けない状態にも陥っての供給減少}のは意外でした。
ビタミン代謝不良は、私が想定した以上の減少となっていたわけです。
勉強になりました。
なるほど、なるほど。
私にはここで単純に考えれば、
血瘀を除去することは、その後の血行を改善させて脚気の状態を恒常的な改善を図る本治にあたり、
ビタミン剤投与のみに頼るこは、一時的な脚気の症状を拭うにとどまる標治にあたるように見える。
本治と標治、一時的に標治を先行させて重篤な症状を収めた後に本治に取り掛かる。
そうした対応をするか、
または中程度の体力がある方の場合で症状が重篤でなければ本治のみで対応する。
そういったこととなるのでしょうか。
ここでわかることのひとつに
血瘀による血行不良は、詳細には栄養と酸素・二酸化炭素を運ぶ血と潤い物質で成り立つ津液ともに供給は減少している状態をもたらしています。
脚気のような身体的症状があらわれればわかりやすいものの、
タンパク質が分解されたブドウ糖などビタミン以外の栄養も供給が滞り、
その事実を脚気のような不快をともなった実感としては感じていません。
体内で生成される主だった病理物質は血瘀や痰の2種類です。
血瘀や痰が体液循環を阻害して栄養や酸素の供給をしぶり、
老廃物を蓄積に加担することから悪性腫瘍の増殖の引き金となります。
そのことは中医学を学んだどなたにもよく知られていることです。
そう考えていただければ、本治を実施する意義がわかるでしょう。
脚気症状を血瘀により得た方の血瘀を除去することなく
ビタミン剤投与を継続していたならばどうなるでしょう。
標治のビタミン剤投与継続のみでは
脚気の症状は収まるが血瘀はあり続けます。
血瘀の慢性化により強固となり拡張を得て
体内環境はけっして良好となる方向へ進んではいかない。
そうであることを知った上で、ビタミン剤投与で済ましたいかどうか。
私でしたら脚気の酷いときはビタミン剤投与もお願いしますが、
安定した後に瘀血体質が確認液たら、
血瘀を除去する治療をしていただきたいと願い出るでしょう。
そうやって考えていくと、
身体がそのような不調を体験したらそうなる原因を深掘りしていき、
最良な正解にたどりつくまでがんばろうというしぶとさが必要です。
健康でありつづけたいならば。。。
そのようなことをつくづく気づかせていただきました。