◯◯体質とは、東洋医学では{未病}~{病}であるということ


『あなたの体質は?』

そう聞かれたとき、
東洋医学に精通している方かどうか、
返るこたえに違いがでてきます。


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東洋医学に馴染みがなければ、
『あなたの体質は?』と聞かれたら、
ご自身の自覚症状や体調の特徴を具体的に伝えるでしょう。
けっしてこれが間違っているということではありません。



東洋医学や漢方などに馴染んでいる方は、
漢方や薬膳などの考え方に基づいた体質診断の結果を伝えます。

自身で東洋医学の四診で得た情報に基づいて
八綱のような証侯分類法により東洋医学特有の証を明らかにします。
(弁証論治)
こうした見立てる方法はいくつかあります。
この際に虚証・実証に分類したり六経(※)にて病気の進行を明らかにしたり。
六経(※) 病気の進行位置が深まる過程を示す<太陽→少陽→陽明→太陰→少陰→厥陰>
様々な症状の分類がありますが、
そうしたうちの分類法のひとつ、
人体を構成し欠くべからざる要素である
気・熱・血・津液}を取り上げてみて、
不足しているか、
過剰なのか、循環が停滞しているか、

を明らかにしていきます。
この結果を{〇〇体質}と呼ばれます。


具体的には、
(虚証グループ)・気虚体質・陽虚体質・血虚体質・陰虚体質
(実証グループ)・気滞体質・湿熱体質・瘀血体質・痰湿体質

となります。


すでに東洋医学の勉強をしてきたものには、
・その体質がどのような原因で起きるのか、
・その体質でおこりやすい症状について、
・その体質を治療するための方法
・etc...
といった一般的な雛形が脳裏に思い浮かびます。

大抵は体質が複数にまたがって同居することが多く、
雛形通りに進行せずに伝えてくれた体質を参考に、
新たにまたこちらで今のその人の体質を調べることになります。

ただ、◯◯体質といった東洋医学の見立てがわかれば
一般の方が思う以上に、私達には多くの理解ができるのです。

話を違った面から覗いてみれば、
◯◯体質という体質の判定が得られない状態では
治療のしようがありません。
東洋医学とは、そういったものです。





たとえば、五十肩でつらいといったお客様が来たとします。

そのとき主に{気滞体質}であれば、
気の停滞を改善するような手当でいいので、比較的ソフトティシュな手技で対応することが可能。楽にケアができるパターンです。


そのとき主に{痰湿体質}であれば、
痰と呼ばれるネバネバ物質が肩甲骨と肩関節・肩甲骨と肋骨後面などの間に入り込んで肩甲骨の動きを抑制することにより五十肩が起こる。
このときのリリースは痛覚神経麻痺まで進んでいないことも多く、
初手からまあまあ痛さがあるが、
痰湿の場合、
<無理やりな力で急激に動かさないこと>
<ゆっくりと関節が正常に動く方向へ他動的に移動を手伝い、それを幾度か繰り返して可動域を広げることができる>
といった対処が考えられる。
もし無理やりな強圧で急激なスラストをかけると、二次的被害となって、後々まで痛みが抜けづらくなるから要注意。
ただこうして改善したとしても、痰湿体質の改善が進まず同じ負荷を肩甲骨周囲にかければ、その五十肩は繰り返されます。
痰湿の場合、すこし全体的なおもだるさが痛みある箇所やその周囲まであることが多い。


そのとき主に{瘀血体質}であれば、
血瘀が肩・首・肩甲骨・腕など、いくつかピンポイントで骨を関節をまたいで貼り付けてしまわれていれば。表層部の粘着物質となる部位を拭うだけでは早々に戻るし、一時的な改善結果さえ得られない。そのため深層部に立ち入って血瘀を押し流すのだが、こうした部位は血が停滞してたことによる強烈な痛みがあらわれる。きっちり張り付いたため血行悪化が著しければ痛みさえ感じられない悪化状態化するものが、リリースを進めると血行が戻ってきて痛覚神経麻痺状態が改善するに従い痛みがおこる。
瘀血体質により起きた五十肩は、血瘀が石のような硬さに化けて肩甲骨と肩関節等を接着することがあり、接着点がピンポイントで強烈な刺す痛みを感じることが散見されます。
血瘀をつくらないような食生活や運動習慣に移行できれば、繰り返されることも少ないでしょう。


以上、ざっと思いついたことだけを書かせていただきましたが、
体質が{気滞体質}なのか、{痰湿体質}なのか、{瘀血体質}なのか。
それで手技でなすことの見積もりが、
かなり変わってくることがわかると思います。

そういった実際に手技でなにをなすが適正かを決める決定因子として、
こうした体質診断の結果がいきてくるのです。


通常の五十肩を整体で解く教則本では、
こんな手のこんだことが書かれることはありません。
あんまり体質で手技手法をわけるというのも聞きません。
それが一般的な実情です。


ですが、、、
体質が現しているお客様の内部状況を体質として理解し活かせるならば。
痒いところの隅々まで手が届くような対応するところまで気がつきます。

それは{痰湿体質}の五十肩の人に{瘀血体質}の仕様の手技を施すと
手技の際に生じる痛みが強く現れて恐怖が後々まで継続することになります。
つまり五十肩になった原因が、痰湿か血瘀かと病理物質が異なると知り、
適正に痰湿体質だと把握した結果から手技のやり方を選択できたらいい。
そうした個別の身体条件によくマッチしたやり方を施せるときには、
施術者もいい仕事ができるでしょう。


そのような考えもあるでしょう。