腕&脚の使い方。その後の気づきと変化、諸々~。

以前も腕の使い方で、朝顔の手の内といった内容でブログに書かせていただいたことがありました。

それを元に現在進行形で、磨き続け、気づきを増やし続けています。

その中間発表として、関心ある方はお読みいただければ光栄です。



施術を受けておらず、手先の使い方をどうすればいいか、、、とか、実地で聞いたことがない方々には、
何をいってることやらとなると思います。

またはすでにすぐれて武道やダンスなどで身体操作上の十分な発想と自己研鑽の上に考慮が行く人には、
すでに「当然だろ、そういったことは」となることかもしれません。




ですが私は、この年になって、ようやくわかった気がします。

まずは腕の骨をどの手順で動かすかという目線で操作を分析していきました。




基本の動作は。

(1)尺骨を体幹へ向け、移動

(2)橈骨を体幹から遠位へ、移動

(3)上腕骨を外旋させ肩関節がはまりが深まるほうへ、回転

です。



(1)と(2)の尺骨と橈骨の操作は、指の第二関節まで軽く伸長する状態を保ち、
尺骨の移動が肩甲骨を後方へ浮かしてから、
橈骨の移動が肩甲骨の下端が内側へとローテーターを促す。

ここまではシンプルに、まんまなんですが。

もうひとつう解せなかったところがありました。
腕の骨には<尺骨・橈骨・上腕骨>の3本あります。
「尺骨と橈骨」は操作手順が俗に知られているもの。
ですから腕の操作法をお伝えしたお客様は耳にしていると思います。

質のよい動きをするには、
どの骨も順序だてて手の運動をかなえるようそれぞれが役割を持っているものです。
だが「上腕骨」を語る文献を目にしたことがなかったのです。



結果的に私が出した答えですが、
上述したものに付け加えると「上腕骨を外旋の回転を{わずかかつ軽妙に}与える」という操作でした。

上腕骨の肘部と肩部の両方を固定して外旋するならば、
角度を5度外旋させただけでも手先は数センチ動くことになります。
施術での手先の操作に活かすというのが主たる目的であり、
体操をするわけではないので、これでいいのです。


ただそのときに忘れてはならない点があります。
尺骨を含めて外旋し移動させたとき、脇が甘くなりやすいのです。
脇が甘くなった時点で三角筋鎖骨部などの屈筋に力みがでていく。
それでは骨格的に弱化するような崩壊が起きてしまうでしょう。

なので尺骨をその場で固定させて
橈骨を遠位に動かして外旋させる。
そう操作をおこなえばいいのです。


腕の操作のパターンが、平素とは大きく様変わりしましたが、不思議となじみます。

10月4日の現状、まだ不慣れで、使うべき筋が貧弱でそちらが鍛えられておらず、
上腕骨の外旋をする前段階での手先が筋が無意識に力がこもってしまうマイナス点はあります。
平素使っていた筋肉ではないところに筋のパンプアップがみられます。



(X Y Z)のベクトルへの操作感が格段に高まり、
検査する部位を手のセンサーがなぞりモニターするときの情報量が格段の伸びを感じました。
例えは悪いが皮下の目に見えない世界を探るとは、泥の深くに生息中の糸ミミズを手探りで探すようなものです。
それは凝りが大きければ見つけやすいといっのは一般の方でも直感的に触ればわかりますが、
髪の毛より細い筋繊維が皮下数センチ下で断裂していたり歪曲していたり他の筋と粘っているなどを、
それもミリ単位以下のものをキャッチして施術にいかすのが仕事だと考えて取り組んでいます。
それをかなえるには意識の集中も必要だが、
患部の情報を集める触覚になる手先が精密に患部状況をなぞりスキャニング作業をこなせるのが前提です。
そう断言できるのは、(X Y Z)のベクトルへの操作感が上がった瞬間に、
見えている情報の確からしさ、つまり信頼性がはるかに高まった感覚をえられ、
それを元に施術をさせていただいた結果が、
使用前使用後の使用後がこんなに変わった!と言えるような成果が私には実感できていたからです。

意識の集中とかでカバーできるものではありません。


変な言い方かもしれませんが、
わかってみれば、きわめて自然の道理に通ることをそのまま再現しているだけのことしかしていません。
ひとつずつの手の骨の操作を順を追ってやってみていただければ、
ある程度、体のできているものでしたらわかるかもしれません。
これができるようになったあとに、
ハイハイすると猫のような軽やかな前腕さばき。


手の動きには操作のノウハウや型はあったほうがよろしいですが、
特別な技とかいうものが必須かといえば施術上の必要事項としてはなくてもやっていけそうですね。
シンプルに、意図的に上記にあげてある(1)~(3)の操作をしてはリセットして、を繰り返すだけでいい。



脚は、以下の公式が

(腓骨・脛骨・大腿骨:腸骨)=(尺骨・橈骨・上腕骨:肩甲骨)

(腓骨と尺骨を対応・脛骨と橈骨を対応・大腿骨と上腕骨を対応:腸骨と肩甲骨を対応)

させて考えていただいて、
あとは腕でおこなった操作手順と同様のことをしていただければ、それでOKです。

ようは、腕ならどうやって肩甲骨とその肩甲骨回りの胴体背部の筋を活動させるか、
脚ならどうやって腸骨とその腸骨を動かす胴体背部や大腰筋のような内部の筋を活動させるか。

腕を使うときに肩から先の手の筋は固めずに行くことが肝要で、
脚を使うときは股関節から先の筋ばかり使おうとしないことが大切です。
それをかなえる引き金の引き方があるのだと理解していただければ幸いです。


※ ただ注意する点は、
  すでにこれはある程度の筋膜の癒着がフリーになっている方のほうが感じ取りやすいでしょう。
  屈筋主体で動いている方は、筋膜の癒着が必然的に量がかさむので感じ取りづらいです。
  伸筋主導で動いている方は、試行すれば腑に落ちる点を体が見つけるでしょう。

※ 補助的にやりやすくするには、
  この動作ができるものが目の前の自身に声がけがされるほどの影響エリア下でレクチャーしていたりすると、
  人間が誰しも根本的に持っている身体操作上のミラーリング感覚のおかげでわかりやすくなるはずです。
  いったん、このような感覚が実感できれば、足が地面をとらえるグラウンディングの精度も向上するかもしれません。






最後に。

ここ1年以上、つねにホットストーンを脊柱起立筋に当ててということを施術でしてきましたが、
昨日はお客様のお体の状態のこともあって、ホットストーン用の石を加熱はしたのですが、使用を見送りました。
起立筋のリリースをするときに、私の手による手技であれば、どれほどの緩みを作り出すかは制御できるのです。
でもホットストーンをあてがうと、その際はどれほどそれに反応して脊柱起立筋やその関連部位が緩むかがわかりません。

そうなると半年以上前とはなりますが現状も外科手術をなさったあとのリハビリを欠かせないときで、
脊柱起立筋の緩み過ぎはかえってバランスをご本人が取りづらくなって膝腰に負担がかかるようになる可能性がでてきます。

そのような場合を危惧して、「起立筋へのホットストーンの敷石」を見合わせたのです。

ですが上記し解説させていただいた腕の操作を磨いた後であったため、
筋膜の癒着が極端に一年で進んでいた個所もいくつか散見されて深部にしまわれていたものの、
「ホットストーンを見合わせてもここまで、解けたのか」と想定以上の私が欲した完成体のリリースがかなっていました。


丁型ベン石と呼ばれる器具を使ってリリースができたおかげもありますが、
もしかしたらホットストーンを起立筋に当てて加熱しなくても、
皮下数センチへと影響を入れることができるようになったのか。

包丁型ベン石.png


そのような感触が得られました。


お客様にとって、適温に温められた遠赤効果が期待できる石の上に寝て10分以上いれば、
皮下の4~5センチもの奥まで熱が到達しています。
その個所の代謝は改善し、同時に筋は自然に効果的に弛緩するのです。
その熱は、血に乗り全身へと広がり離れた体内の組織も温められます。
そのおかげで、特に頚部のリリースには欠かせない下準備となります。
これをするかどうかでリリースの深さが段違いだということは、
幾度かの実証実験によるテストのうえ、見つけ出した結論です。


・・・。
ただホットストーンをメインになさるエステサロンなら、そこへの設定等に時間をかけられるでしょう。

私の所ではそのような時間が、時には長時間にわたる施術間のお客様の休憩時間になりえますが、
用意するものとしてホットストーンの数自体が握りこぶしほどの大きさのもの等が10個前後利用されるため、
総勢で4キロの石を敷くのって、やってみると、施術のさなかの術者が疲れてきているときの作業としては。
やってみていただくとわかると思いますが、これだけでお金をいただく方がいるほどの労働なのです。。

自分でホットストーンを手繰り寄せてみたものの、
オペレーションに労が多くかかりすぎてしまって。

ホットストーンの敷石以外のベン石の温熱器やベン石のスティックはいいが、
敷石は、私の首を絞めてまして。

コロナの影響で現状、一日に一人までと決めて施術をしていまして、
それでこの感じです。
一日に3名を受け付けていた以前を思い出せば、100%これは採用不可とさせていただくしかない。


もちろん、ただ「やーめた」というような無責任なことができるわけもなく、
命がけでホットストーンの敷石に代替できるオペレーションもよく成果がでるものを探していました。


そこで代替に採用したのがレッグロックが特徴のボウエンテクニックの仙腸関節のリリーステクニックと、
丁型ベン石でした。

自身に包丁型ベン石を使って筋膜リリースをかけても、どうも思うまでのリリースをかなえられなくて試行錯誤をしていたのですが、
それが既出で説明させていただいた(1)~(3)の手順での手の操作をすることで、
筋膜のリリース反応が大幅にアップグレードしていたことに気づきました。

そしてさんざん、自身の脚や手や首でリリース反応を確認して、安全性も確認して、
そして昨日は初めてお客様の身体的な状態を考慮してホットストーンの敷石を使えないという状況もあったため、
日頃、自身に試行しつづけた包丁型ベン石(リリース個所によってホットストーンを温めるウォーマーで加熱しておきます)によるリリースをさせていただきました。

施術をしながら、そして施術後も、ホットストーンの敷石をしなくても手の内が変わればこれほど解けたかと思える感動の仕上がりでした。

まだ私の手が新たな操作に対応する筋の発達が未熟で、
そこが完成するまで研鑽を積まなければなりませんが。
ですが、これならホットストーンの敷石を割愛しても私自身が納得できるという結果を見せていただくことができました。




このときそこで感じたのが
「生まれて初めて、手がうまく使えた」という驚きです。


これは施術のために研鑽してきたものであったのですが、
根源的に自身の身体の非力さに対してこんなものじゃないという悲しみや悔しさが、
昔から明確に付きまとっていました。
そういった負の実感から虚無を感じ、自信を喪失し続けてきたんだなと。
そこがあがなえるような落ち着きを得て、身体からくる充実感を味わっています。


あと数日もすれば、この体の使用感も慣れて、また新たなものを求め始めますが、
それまでは気分よく過ごしたいと願っています。 ^-^