骨がずれると、骨が守っている神経、血管、臓器などに不調があらわれるんです

先日、知り合いの鍼灸師さんを施術のデモ中に質問をされました。
『骨がずれるって、どういったデメリットがあるの?
  また、筋肉と骨の関係ってざっくりいうと?』とのこと。

これは整骨療法の基本の考えですが、
かんたんなところを解説させていただきました。

骨は、血管を守り、神経を守り、臓器を守る機能を持っております。
骨の位置が著しくかまたは問題が起きるようなねじれ等が生じた状態で変位した場合、
血管や神経等を守るはずの組織を守ることができない。
それに関節のずれが大きくなりその状態が固められれば、
骨自体が欠陥や神経や臓器に対して圧迫を強いて機能異常を来たす結果を生み出すのです。


たとえば骨がズレたことで『神経が障害』すれば、、、。
神経が過剰に引っ張られ続けて内部電位が落ちて神経を通る情報が減じられることもありますし、
太い神経を骨が強力な圧で圧迫し続けることで整った神経に比べて情報が欠損する場合もあります。
その神経が自律神経なら関連する内臓機能に問題がでます。
運動神経なら骨格筋の弛緩収縮に問題がでて緊張しっぱなしになったりまたは力が入りづらくなります。
感覚神経なら様々な痛みや張りなどの不快感を伴う感受性異常が現れるのです。

神経を障害したという場合、自律神経・運動神経・感覚神経のどちらに影響が出ているのか?
または運動神経と感覚神経が同時に障害して不調を表しているような、
3つの神経がそれぞれ複合し状態が現れることが少なくありません。

 

たとえば骨がズレたことで『血管に障害』すれば、、、。
血管を守るはずの骨が血管を恒常的な圧迫をすることで血流が阻害が起きます。
実際は骨が血管を圧迫するというより緊張して硬化した状態の筋肉間に挟まれた血管の血流が滞るイメージが強いのですが、
これにより各組織に届けるべき栄養が欠乏し、排泄すべき老廃物がその場に蓄積されることになります。
このような虚血の状態下が長期にわたれば、見た目以上に内部環境に障害となるものが溜まっているときがあります。
同時に神経組織は正常に機能するためには多量に血液を消費することが知られ、
血流が正常量届かなくなれば、
最初は知覚神経の機能が低下し、次に運動神経機能が低下し、最後に自律神経の低下へ。
つまり血管の障害が神経機能の低下へと密接な関係を持つものです。


人体の骨と骨を結ぶ関節の数は、1000以上あるといわれます。
それぞれの関節ごとにずれ方は特徴がありますから、
実質、自律神経・運動神経・知覚神経のような神経の3パターンの障害に血管障害が絡めば、
それだけでも症状の出方は天文学的な複雑な様子になって表出してくるわけです。
ゆえに臨床では100人いれば同じ傾向を持つものはいても、
実際はそれぞれがまったく独自の100パターンとなります。


骨のずれを起こす要因には、骨をあるべき位置に設置する機能を持つのが骨格筋。
特に骨格筋も、皮膚に近い表層筋、中層筋、骨に近い深層筋という3層にわけたとき、
骨の近くにある深層筋が骨の並びを正す強力な作用を受け持つ筋肉だといえるわけです。
ちなみに『表層筋』は皮膚の外からくる衝撃から身を守ったり、
身体を操作するときの方向性などの動きのコントロールに関わる(ハンドルの役割)を持ちます。
『深層筋』は骨との親和性が高くてこを利かすようなパワフルさで動きを支える(エンジンの役割)を持ちます。
そのような理由で、
深層筋に異常があらわれたときには、骨格の並びにそれが表現されます。
ですから深層筋部分に恒常的な柔軟性が得られるよう改善をなす必要が出てくるのです。

だから表層筋とか中層筋などが硬ければそれを解く必要もあるわけですが、
深層筋の癒着や継続的な過緊張や虚脱弛緩が改善できないならば、
骨格上の歪みが整えられた状態に移行することは期待できません。
つまり私たちが表層筋のみを解くような施術をしているのに、
骨格を調整していますといった説明をしている言葉を聞くと、
言葉に出すことはないが
「おぃおぃ、、、それ、すぐずれるし、
表層筋だけをいじるとアライメントが余計狂うから、
なにをすべきかすべきではないかの注意説明をなさったほうがいいのでは?」
といったことを感じることがあります。。。

深層筋を調整する場合、関節を正しい位置にはめられるよう骨の位置を変えられます。
それは重力との関係性アライメントを正す作業をすることができるため、
だから状態の維持が長期に渡らせることができて身体をその骨の位置になじませることができます。