顎関節機能障害に関係する筋肉とは? ケアが施術者にしてみてもしづらい筆頭です、、、。

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あまり聞き慣れない外側翼突筋。
ですが顎関節機能障害があれば、ここははずせない筋肉のひとつです。

ただ外側翼突筋は、通常、顎関節機能障害がある人の場合、
通常はマッサージのような圧刺激を受ければかなりの『激痛』。
頬骨の内側に隠れた筋肉ですから直感的には外側翼突筋の存在を認知しづらい。
それもあって無意識に外側翼突筋の激痛点は一般の方の場合、
治療点としてはスルーして考慮から除外なさる傾向があります。


外側翼突筋について『ニューロマスキュラセラピー』の本の解説からは、
【ストレス要因と永続要因】として
・咬合の不調和
・歯ぎしり
・ガムを噛む、爪を噛む、母指を吸う
・下顎を突き出した状態で保持して、管楽器を吹く
・下顎をバイオリンに押し付けて、弾く

という項目がある。
後半の管楽器やバイオリンは、比較的稀なケースに見えますが、
意外にくっきりこれら楽器の演奏者に外側翼突筋に障害を受けているものが多くおられます。
ですから問診のとき、現在や過去において管楽器を吹いてたとかバイオリンを弾いていたなら、
恒常的に外側翼突筋の癒着侵攻が定着して永続的に顎関節機能障害を負っている人がいます。

ただ(咬合の不調和)や(歯ぎしり)は、
他の咬筋群の影響も考える必要がありますが、
外側翼突筋の癒着侵攻が定着して起きる場合も少なくない。
そうなると卵が先かにわとりが先か、、、といった問題がでてくる。


ただ整体術やボディワークなどの施術をするものとしても、
口腔内からでなければ有効なアプローチがしにくい場所の筋肉であることが災いしており、
手を出したくても外的な面から下顎を支持してモビリゼーションする等のやり方に終止するしかない。
医師以外は口腔等体内に器具や指等を入れての治療はしてはならないという法律があるためです。
だから私も直接口腔内に指を入れての治療はできないので、
外側翼突筋の対応はやっかいな筋肉のひとつにあげられます。

そこで数日前の顎関節の機能の問題があるような方に、
オステオパシー系のクラニオサクラルセラピー頭蓋仙骨治療により自分で口腔内に指を入れて治療をしてもらえればと考えて、
その資料を渡そうとしたら、、、
その本の資料が施術者が読んでも、すでにその技術を習得したものが覚書程度に内容断片を書き記した程度のものでしかなく、
これじゃ資料としてわたされてトライできないだろうし、
必死に想像力を膨らましてやったとしても間違えたことしかできないだろう。
そういった判断で、そちらの本のコピーをお送りすることを差し控えたことがありました。


でも昨日は、同様に顎関節機能障害となるお客様の施術でして。
こちらの方は、ワット・ポーというタイでタイ式マッサージを教える寺院でマッサージの勉強もしておられる方でして。
だったら現在はマッサージ等を本業とはなさっておられずとも、
十分な注意力を持って自己治療もできるだろうと考えまして。

私;「あの~。顎関節の方をケアするやり方があって、難しめですが、、資料渡すから自己治療やってみませんか!」
と提案すると、
そこで間髪入れず、
お客様;「わたし、それできません~!」
と却下。

口腔内に指を入れて超微細な施術をしましょうというのは
タイ式マッサージのジャンルじゃない治療法だから、、、。
私が無茶振りしたので却下は当然。^^;
実際、とあるユーチューバーさんがこの治療法を映像内で紹介していて驚いたんですが、
これ、難易度高めな施術で、いいほうに転ぶことも期待できるが、
危機回避の注意点や効かせるためのポイントまでは語られてなかったので。
一般の方がやっても不調感を得て早々にやめてくれればいいのだがと思ったことがある。
術者として自分で自分の口腔内にアプローチするのは問題ないため、
自主練をしたときに左右の口腔内の筋群の差異を読み切って手技しないと、
口腔内からのアプローチは皮膚抵抗なしで効いて歯止めが利かないから危険だなと感じたことがある。
治療目的ではないため許される施術者同志が集まって、
ゴムの指サックをして外側翼突筋のリリースの研究をする自主的な集まりをもったとき。
下手な人にやられた人は、その後の数日間、かなり難儀して苦痛を味わったそうです。。。
それゆえに外側翼突筋、、、アプローチしづらい筋のひとつと認識しておりまして。
却下されて、正解だったのかもしれません。

ただ、外側翼突筋、ケアしていかなければ問題解決への歩みが止まります。

そこで金属の棒を利用した手技で対応。
これ使うと信じられないほどの体の状況の今と次のその次の先々を読み込んでの対応が必須ですし、
時間と施術者の精神力や気力が根こそがれるほどむずかしさがあるのが外側翼突筋へのケアでして。

施術が終わりお客様がお帰りになられる玄関先で、
下顎をこのような形でホールドしていただいてこっち方向へこのように移動しキープ、
やってみてくださいとお願いしました。
それはまさに内部でパツパツになって緊張した外側翼突筋をゆるめるようにする位置。
こちらのお客様、バレエを始められて体幹がすぐれ姿勢が安定したため、
ここまでの安定があれば下顎を移動させてといった外圧をかける手技も、
メリットとデメリットで言えば、メリットが多いと期待できました。
体幹がぐらついている人がなせば、デメリット優位になるリスクあるので、
そこは微妙なさじ加減が必要といえるでしょう。
(改善すると思ってやってたら、体調がまったくおぼつかない事態になったとかなれば、信用がた落ちですし)

そこはお客様に却下されずに、わかりました、やってみます!と受け取っていただけました。

他のお客様ともお話をさせていただいたのですが、
口腔内に指を入れることができる歯医者さんが、
このような(外側翼突筋)額関節機能障害にかかわる筋肉のリリースを治療の一環としてやっていただければ、
それほどうれしいことはないんですがと。。。
そういうのも上記に述べた外側翼突筋を施術者の有志が集ってリリースの研究をした成果ですが、
顎関節治療をせざるをえないという先生に対し、その成果をみれば、
外的な見た目もすっきりして男前が増したし、
4~5回の施術で外側翼突筋の緊張が消えたようです。
それから歯ぎしりなどもしなくなり噛み合わせの失調状態は半減したようにみられました。
ただし外側翼突筋がずれを呼ぶのは、この部分の筋肉が問題と言うより、
体全体(仙腸関節の状態は最重要として関わる)の不具合の影響からのあらわれです。
外側翼突筋だけを解けば、それですっきりさっぱりと顎関節問題が収束するものではない。
ちゃんとそこをおさえておくように考えて施術をその方が他の先生から受けるようになってきて、
全体が整えられていったとき、噛み合わせの状態もさらに改善し快調になってきたと喜んでいました。
彼が全身のバランスがとれるようになるまで、半年くらいかかられたようです。