ギブスのような凝りの影響で萎えていくほんとうだったら使うべき筋肉群、そこをセットで見通せるようになると安定した施術ができるようになります

 

筋膜が癒着が進む場合、
それは自前のギブスを身にまとって身体を支える役割を担うようになる。
凝りの固定力により骨格の垂直性が乱れて傾斜して倒れた骨の柱が支えやすくなる。

そうなった時点で、どのような状況が内部的に進行しているのか
考察していく必要がある。

たとえば腰痛があってコルセットを巻いて腰を支えると、
腰にある腰部を支える筋肉群がコルセットの支えで働かなくてよくなる。
コルセットは継続的にし続けたら
腰部を支える筋肉群は使われない時間が増えて萎えさせるため、
継続的にコルセットをし続けることで、
自分自身に備わっていた生来の腰を支える機能を失いだす。
だから長期間のコルセット着用は避けて、
本来に備わった自身の腰を支える筋肉群を萎えさせてしまった筋肉を働かせる時期が来たら、
そのタイミングを比較的早々に見計らって自分の腰を支える機能を持つ筋肉群を萎えさせすぎないようにする。
もしそうした自前の腰を支える機能を持った筋肉群が萎えきってしまえば、
すでにそこを動かす習慣は運動神経上失われていく。
改めてそこへ動きを与えるには
意図的に自分に鞭を打つようなリハビリテーションがトレーニングとして長期にわたり必要となるわけです。


この状況は外的に腰に巻くコルセットの場合だけのことではありません。
自分の腰部の一定部位の筋肉をゴリゴリに凝らせるならば、
それが体内に仕込んだ自前のコルセットの役割を果たしています。
自前のコルセットで腰を固定してあれば安定する。
だがそのコルセットのせいで、本来の自前で備えた腰を支える機能を持つ筋肉群は衰退し勢力を失う。
そうした状況が急性で短期間であれば、実際、それほどの問題はなくあとを引かないで済むこともある。
だが自前の体内に仕込んだコルセットが長期にわたり慢性化した場合、
すでにそのコルセットの内側に隠れて使われないままとなった腰を支える機能を持つ筋群は
深刻な虚弱化が進行しているわけです。。

この事実、実態に着眼しておらず、
過度に筋膜リリースをされて腰部の3ヶ月以上も慢性化した腹巻き状の凝りのコルセットが消えたとき、
すでに自前で腰を支える機能を持つ筋群は自力で腰を支える筋力を失っていることがある。
そうなった際、その施術は失敗例となってしまう。
つまり施術者のおこなう他者刺激で無理やり剥ぎ取られたコルセット状の凝りの裏手の虚弱化した腰の筋肉群は、
すでに自分の力では姿勢維持が困難な状態まで萎えている場合があり、
そうであればぎっくり腰状態に陥るリスクさえありうる。

たださりとてそうした自前のコルセットをそのままにしていていいわけではなく、
そんなことをしたらますます腰を本来支えるべき腰部の筋群は虚弱して状況悪化が進行していきます。

なのでこれくらいの自前のコルセット状の腰の凝りを緩める範囲ならば、
あとは姿勢維持の注意を促して本来支えるべき腰部の筋群を使っていく指導をしてそこを無理なく鍛えていただくようにする。
すると徐々に萎えきった腰を支える筋群も働きだして筋肉量が増していく。
それをチェックするには大腰筋を触診して、その筋肉の太さや柔軟性などを見れば手に取るように状況が把握できます。
そうしてその人の本来支えるべき自前の筋肉が育った量に比例して、
慢性化した腰のコルセット状の凝りをカットしていくようリリースの量を見定めて解いていきます。
そうしたリリースの量は全身をみる必要があり、脊椎等の左右差や前後差、重心の偏り、
他のコルセット状の筋との兼ね合いを冷静に把握して、解くべき量のギリギリのラインを判断して解くようにします。
ここでリリースの量が少なすぎればコルセット状の凝りはなまらコルセットが半端に緩んで気持ち悪さがでてしまい、
リリース前以上にさらに自前のコルセットを育てて固めて戻っていってしまう事態に陥ります。
つまり中途半端で着地点をしっかりと設定していない施術では事態を複雑化させていくため、
そうした施術を受けた方の状態を引き継いで施術をしようとすると
これはもう私の手には終えないという場合も散見されるのです。

慢性化した自前のコルセットを脱ごうとするときは、
極めてステップ・バイ・ステップで
本来支えるべき筋群が萎えたものを意図的に使うよう姿勢指導などにより活性させて、
そこの筋力が適切についているかを見抜いていきます。

そして十分にその方の本来支えるべき筋肉群が育ってきたし、
体内に仕込んだコルセットを使わせなくてもやっていかれると伺えたとき。

『これだけ安定した状態まで姿勢が支えることがかなっているなら、
 もう大幅に筋膜リリースをしていっても大丈夫。
 十分に本来使われるべき姿勢維持の筋肉群が育っておりますので』

という、私にとって決まり文句のような言葉が出てまいります。
そして、そうなったとき。
薄氷を踏みわたっていくほどの状態の見極めと即応した施術をほどこす難しさから開放されています。

そうなると、その方の本質的な内奥に隠蔽された強固なコルセット部分に手をだす時期が来たのです。
ただし仙骨部分の上に強固すぎて骨以上の硬度を示す凝りのコルセットとなると、
実際のところ仙腸関節障害が進行して仙腸関節のかみ合わせ異常といえるところで固定されている。
この部分は、腰のコルセットをいれる方々のほぼほぼの割合で、本人も気づかないまま入った凝り。
手を使うだけの手技では一時的な仙腸関節の関節面の乖離を図ることはできるものの、
仙腸関節の関節をずらして固定させる臀筋や脚部や腰部の凝りにより元のずれた状態に引き戻されやすい。
ただこうした重要かつ施術上の事故が起きたときの甚大な被害が発生する部分には、
むやみな強圧は、狙いを明確にして手技の熟練熟達度が高いもの以外は手を出すべきではないでしょう。
私にはそこの部位へのリリースでは、ボウエンテクニックで教えていただいた仙腸関節リリースは
非常に強力に効いて状態変化を瞬時に叶えるものとして重宝させていただいております。
ただしこのボウエンテクニックの仙腸関節リリース法も一時的な変化を起こすだけで終わる人も多々おられる。
それで様々そちらへとリリースを安全かつ効率的効果的に変化を起こす方法を模索していました。

するとここ一週間前後という最近のことですが、スチール製のペン型ワンドをうまく用いることで、
ミリ単位以下の正確な必要ポイントへの強弱方向を与えた仕事がかなうようになり、
いままで不可能であった部位に対してアプローチができるようになった。
施術のやり方としてこういった用法があるんだと、、、自分でやってみて改めて関心します。

これをつかって骨盤上の、特に仙骨と第4第5腰椎の上にできたコルセットが拭われたとき、
この方の仙骨や骨盤ってこんなに小さかったのかと、実態を目の当たりにして驚くことも。
それは骨盤の後ろ側の骨の上に位置するコルセット状の凝りは骨以上の硬さになっていて、
私自身もそこは解いてみなければどこまでが骨でここらへんは筋肉だという仕切りラインが推測さえできない。
そういった部分だからです。

この仙骨の上にできた凝りのコルセットにより、
その凝りに比例し、そのものの広義の呼吸筋全体が萎えています。
だから仙骨のコルセットを外す前に、事前に『呼吸筋、どうやって活性させますか?』などと、
その部分へのお客様の意識を高めていただき、
呼吸の仕方を以前より深めるようなトレーニングをしておいていただけるとありがたいのです。



ここまで仙骨上の凝りがだいぶんリリースが進められた過程に比例して、
後頭骨下にある凝りをほどいてもOKな状態へとたどり着くことができます。

この仙骨と後頭骨が正しい位置にいることができて、
人の骨格は強度が最高となりますし、
絶妙なバランスを自ら操って立つ技量が発揮できる。