賢いお客様がワーカーを育ててくれる

パリ、オペラ座の観衆は、
演じるものをシビアに評価します。
観衆自身、知識もあり各々意見を持ちます。
すばらしければ賞賛の声をあげ、
駄作となれば烈火のごとく酷評を下す。


賞賛の言葉をいただきたい。
悪評がメディアや観客の口伝えで流れことは避けたい。


演じるものにとって、
観衆の前では常に真剣勝負です。


観客に認められるよう自分を高めたい。
その思いはハードルが高いだけ険しいものです。
否が応でも自らの実力を直視して、
観衆に満足していただくよう努めなければなりません。


シビアな観衆が演者を育てています。

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ボディワーク屋さんの世界でも同様。


私がワークをしていくうえで、
お客様に教わったことが多いのです。


お客様のニーズがあるワークメニューを取り入れることが必要ですから、
その意味合いもあります。


それ以上にワーカーの善し悪しを肌で感じ取り、
ワークの基礎知識をよく勉強している方がおられます。


自分の体を自分の責任で管理したいと考えている。
そのためには怪しいところで体を壊されたくない。
こちらを見極めるシビアな目が突き刺さります。


緊張感が普段より3割増。
普段のワークでも神経をすり減らし緊張しているもので大変なんです。^-^1
そのワークの一コマを経験することで、
疲労度は倍です。
ワーク後の充実感も倍です。


ワークに関してのひとかたならぬ予備知識があります。
素直に私におまかせなどするようなことはありません。


本人は
『私はおまかせでいいですから、どんどんやってください!』
といっておられても、
気付いたらいろいろ質問を投げかけられています。


その質問が非常に的を得た質問。


他の先生ではワーク中の質問を受け付けない方もいます。
でも私は歓迎します。
知っているものならば伝えたい。
知らなければ宿題にさせていただきます。

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賢く知識あるお客様が増えれば、
ボディワーク屋さんの実力は押し上げられていきます。


オペラ座の観衆と演者、
ともに真剣勝負で各々が役割を演じている。
観衆が演者を持ち上げもすれば、
突き落としもするように。


賢いお客様がワーカーを育ててくれる。
ありがたいことです。




あと余談ですが。。。


『あってほしいもの』
一般向けの解りやすい全体網羅系のボディワーク解説教材。
基礎から学べるプログラムコース形式で。
(簡単な書籍では足りません!!)


それがあればお客様とワーカー、
相互の役に立つと思うのです。


たとえばそのメリットは


■【施術院やワーカーの選択】
ボディワークや施術などは得て不得手があります。
もちろん万能ではありません。
それを踏まえて自分がどのワークを受けるべきか。
その判断がつけば最もよい効果が期待できます。
そしてお客様自身が『これならいけるぞ!』って、
確証を得たワークを受けることほど結果がよいものはありません。


ワーカーは経営をしていかなければなりません。
誠実なワーカーは自分の手技が適さないときは
その旨を伝えてお引き取りねがいます。
ですがそれはなかなかできることではないのです。
それを期待するより手数はかかりますが、
ワークに関心がある方に適した教材で自らが学んだ方が確実です。


ときどき治療効果が大きく書かれた広告を見受けます。
その言葉にお客様が迷わされることもあります。
同業であれば2〜3の質問で見分けられます。
内容を把握した上で鎌をかけている訳です。
適切な回答があればOKです。
なければワークを受けずに帰ることができます。


賢いお客様の多くがお帰りになられるところは、
いずれ淘汰されるでしょう。


■【ワーク内容説明の容易さ】
ワーカーも説明をしたくても、
一から十まで説明をしていてはワークの時間がなくなります。
ですが初めに基礎理念だけでも把握していただければ、
その上に新たな自分の特徴を上乗せしてご説明するのは容易です。


■【自分の体を知るチャンス】
ボディワークのテクニックをひもといてみると、
人体の不思議を自分の体を通して知ることができます。
体の使い方のノウハウを知ることが体を壊さないこと。
『自分の体の責任者は自分だ』という意味がピンときだします。
自分の体を活かすことも殺すこともできます。
その一端を知ることは人生設計を快適にしてくれるでしょう。

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四人で一人の高齢者を支える時代にはいりました。
みんなが健康を維持・促進するきっかけがほしい。
代替医療分野がその一助になればうれしいですよね。。。