豊かな想像力が自分の豊かな愛情を育てる

第8の習慣 「効果」から「偉大」へ』という本があります。
『7つの習慣』という名著の次に出た本。
DVD付の本でした。
DVDにはいくつもの小編の印象深いストーリーが入っていました。


そのなかのひとつ。
おそらく実話かも。


1843年。
ヴィクトリア朝時代のイギリスの若い小説家。
将来を嘱望された才能豊かな人物ですが、
出した小説があたらず行き詰まりました。
そして借金をする経済状態に。
心はあせるが原稿に向かっても何も書くことができない。
行く末を案じて精神的にも失墜した状態。
夜ロンドンの町を当てもなく徘徊。
そして偶然夜の物騒な時間に少女と少年が走り去るのを目撃。
どうしたことかと気になりあとを追って歩く。
すると棒を持ち威嚇する男が現れる。
その少年少女はその男の子供だった。
失業した父親の変わりにパン工場で粉だらけになり働いていた。
その帰りの姿を小説家は見かけたのだった。
その後小説家は夜幾度もロンドンの町を徘徊した。
そしてパン工場を見つけ中で働く子供たちを見た。
今までは自分の経済状態ばかりを気に病んでいた。
だがこのロンドンで経済的な困窮により働く子供たちのために小説を送ろう。
そう考えたとたん小説家は狂ったように笑ったり泣いたりして小説を書いた。
すでにこの小説を出版してお金をもうけたいという気持ちでは遠のき、
少しでも子供たちの心が癒されてくれればと想像した。
その友愛と思いやりの気持ちがペンを走らせた。
子供からの金銭的なリターンは期待していなかっただろう。
ただ喜んでくれる子供たちの顔を思い描けば自分が勇気付けられた。
書いた小説が子供たちに読まれることを
想像するだけで十分だった。
この小説は自分が経済的に困窮しても
みんなに読んで元気になってほしい。
そうベッドの上でほくそえんでいる小説家の顔。


この小説家とは英国の文豪チャールズ・ディケンズです。
このとき書き上げた短編小説が『クリスマス・キャロル』。


私欲ない想像力を掻き立て行動をした。
それが自分の豊かな愛情を育てていた。
このような創作秘話があったのですね。


さいころから何度も繰り返し観たクリスマス・キャロルの映画。
とても好きでした。

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私の友達にも貴重な資金を投じて、
チャールズ・ディケンズのような気持ちで
自分の豊かな愛情を育てている人がいます。


ある講演を主催して大変なご苦労をされ、
そのときにいただいた貴重なお金です。
そのお金を自分のために使わずに、
志ある人に託して使っていただくことを選択。
友達の経済状況を聞いております。。。
彼が出したこのお金との付き合い方の結論は、
安易な気持ちではできることではありません。


彼の心根を知り、
『ずいぶん先に進まれたな』と感じた。


私自身も豊かな想像力で自分を満たし、
行動することができるだろうか。
このような行動自体が生きる目的となりうる。
想像力に満たされたときに自然に行動になる。
そうなれたときに『真剣』や『真心』という
言葉にふさわしいおこないができるのだろう。

そうなれたら本当に幸せ。


純粋な気持ちにさせてくれる友達がいるというのは本当にありがたいことです。