尾骨を15g圧で圧迫しただけで

『もうひとりのあなた』という頭蓋仙骨治療で有名な
Drアプレジャーの著書がある。


その本の中のひとコマ。


サルを使った動物実験
サルの脳の硬膜とくも膜の間を流れる脳脊髄液の秘密を知るための実験。


サルの尾骨を通してわずか15g程度の圧をあたえる。
すると脳内にある脳脊髄液のポンプが止まることが確認できた。
脳脊髄液は脊髄神経を正常機能させるために不可欠なエネルギー源。
脳内で造られた脳脊髄液は硬膜とくも膜の間を通り仙骨まで達する。
だがわずか15g程度の圧である一定方向に押すだけで、
脳内の脳脊髄液を頭部から仙骨まで運べなくなってしまう。


これによりさまざまな症状が出る。
頭痛や腰痛、古傷が痛んだり自律神経失調症
その他さまざまな症状がでてくる。


アプレジャー先生の本では興味深いプレゼンをしていると紹介していた。


患者に尾骨を前に押してみると頭痛がでてしまう。
脳脊髄液を押し出すポンプが止められ
脳内に脳脊髄液がたまり圧迫しているからだ。
脳内圧が過剰にあがったために頭痛が生じる。


後ろに戻すとその頭痛が消える。
脳脊髄液が正常に流れるようポンプが作動しだしたからだ。


それが尾骨を動かすごとにリアルタイムに起こる。
患者に実際に尾骨を動かすと頭痛が起きたり治まったりを体験してもらい、
その体験を通して尾骨と頭痛の関連性を感じ取ってもらうという。


興味がある人は『もうひとりのあなた』を読んでみるといいでしょう。



頭部からおたまじゃくしのような感じで脳脊髄液を入れた袋の
硬膜・くも膜は仙骨のお尻の方まで伸びる。
一見すると背骨にべったりとこの硬膜が引っ付いていそう。
もし不用意に背骨に硬膜が引っ付いていればどうなるか。
それはちょっと前屈したり側屈しただけでも、
または腰をひねっただけでも脳脊髄液が止まってしまう。
そうならないようにだろうか。
だから引っ付いているところはたった2箇所程度しかない。
(実によく芸術的といえるほど考えられて作られている!)


尾骨や仙骨のゆがみがあると硬膜が接している部分があり、
ものすごい影響が出てしまう。
だから尾骨が曲がっているとか、
かつて尾骨を強打したとかはかなり慎重に扱わなければならない。


あとムチ打ちとかでダメージが大きい部分。
上部頚椎部分も硬膜が接している。
だからここにストレスがあると当然のように
脳脊髄液を送り出すポンプが調子がよろしくない。
まるで尾骨をずらしたときと同じような変化が起きる。
頚椎部分は体全体を改善してうまく頭部を乗っける土台作りから。
それを徹底すればいい。
この体の土台を作らずに頚椎部分だけをアプローチするのは、
私はあまり好ましいことだとは思えない。


Drアプレジャーしかりアメリカのオステオパスは、
州により違いがあるものの、
医師と同様に投薬もできるし体内部からの治療もできる。
日本では絶対に医師しか認められない。


ただ尾骨を正常な位置に戻すためには。
正常な位置へとずれを補正するため、
微振動を使うリコイルや正常な位置に戻るよう動かす誘発リリースなど
いろいろと苦心しながらトライするが困難。。。
まだまだ研究する余地がある部分です。