軸足を手放して両足で立てばいい


合気道太極拳で相手と対しているとき。
相手の肩がどちらがあがっているかとか、
どちらに首が傾いているか、
どちらの口元がずれているか、
目の大きさの左右差はないか、
どちらの足に体重を乗せているか、
もし太ももや足首が見えたらどちらが太いか。
など他にも数々のチェックポイントを眺め
相手の体軸をおいている場所を見つける。


たとえばそれでわかった答えが「相手は右利き」だとする。


右利きで無意識にそちら側をよく使う。
すると右足の太ももの前を使い込んでいる。
筋肉は使えば使うほどバンプアップして太くなる。


それだけじゃない。


右足の太ももの前側の神経は常に左側の対象部分よりも過剰に使い、
そちら側の神経組織のほうが余計に発達している。
そのために脳内では右足前側の部分が大きくなる。


すると何が起こるかといえば骨盤の前側に突起している骨の部分が
下方に引っ張り降ろされてしまう。
骨盤の右側が斜したためその上に乗せられた胴体も斜す。
胴体はいったんは右側に傾いた骨盤に付き添い右に倒れ、
だがそちらに倒れすぎると脊椎が上に伸びられないため
頭の重さを支えられなくなる。
だから胴体をねじったりひねったりさせて右に倒れた
逆の方向へと倒していく。


このようなことが体の中で行われている。
ただこれは姿勢を整えるための姿勢反射でおこなわれ、
自分自身の意識ではない。


「あっ体が斜めになっているから逆に持っていこう!」
なんて考えながら姿勢を整えているときは、
数日間寝たきりになってその病床からの復活するとき
姿勢を整える筋が萎えたときには考えながら体を支える。
だがそうでもない限りは無意識に体をねじりゆがませて立つ。


そうなるとどうなるかといえば、
私が相手を押せば倒しやすい側と倒しにくい側ができていることとなる。
右足に軸があれば右骨盤が前傾しているので
もっとその骨盤を倒してやれば簡単にぐらつくし倒せる。
左肩を右側に押せばぐらついてくれます。
逆に右肩を左側に押してもなかなか倒れない。


背骨のラインが中心軸となるのが理想的です。
その背骨の中心軸を崩すか補佐するかの違いからくる作用です。


でもここでいいたいのは
体の軸が利き足にずれて乗っているなら、
それだけで脊椎のねじれやゆがみがでている証拠ということ。
長い年月でそのゆがみは助長され大きさを増します。


そのことに注意を払っていただければと思います。


たとえば左右どちらかの脚部が短かく骨盤の水平ラインがずれる癖がある。
そのような状態でもからだを緩めてから恥骨と仙骨を同時に、
「ここが中心軸です!」とぽんぽんとタップされると瞬時に
脳が「あっここが中心軸だったよな」と気づかされて背筋を修正する。
するとさっきと比べると左右どちらから押されても倒れにくくなる。



脳の内部でも体がゆがんでいる状態でいつづければ、
ゆがんでいる状態を保とうとする。
体の内部感覚的にゆがみ状態を受け入れ、
その状態を急激に変更させないようにする
現状状態保存の保護作用のようなものです。


でも一時的に体の外部感覚的に正しい中心軸を教えられそちらに従いました。


機能的に骨格と筋肉がかみ合う中心軸を選択したのです。
いつもは軸足側に中心軸がとられてゆがんでいたので自然体で立てなかった。
そこから一時的ではあるが抜け出したのです。


そうなると脚部の内もも側が充実し
しっかりと地面に垂直に立っている。
肩がこらず呼吸も楽だし足の骨が機能的に働きます。
力まず立てます。


この体験したらこの状態を続けたいと思いませんか?
そう感じていただけたら何かが変わると思います。


ちなみに
この立ち方をされると、
私から一目置かれます。^-^;