腰を活かし労わる技術が大切です

カイロプラクティック 治療と診断』P21に
椎間板損傷の発生頻度が書かれています。


データは洋書を邦訳したものですからアメリカ人状況を表すもので、
日本人の場合は状況は異なる傾向性がみられるでしょう。
ただ人体の構造上の問題により類似性もあり参考にはなるでしょう。


そのグラフを抜粋します。


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付記:(1)Cは頚椎/Tは胸椎/Lは腰椎/Sは仙椎の略語になります。
付記:(2)下記の(C3/4---4)とは『C3/4とは頚椎3番と4番の間にある椎間板に損傷が発生した回数が4回』となり(----)はグラフ線概要です。


C3/4----4
C4/5----------10
C5/6--------------------------
C6/7--------------------------
T5/6-1
T6/7-1
T8/9---3
T9/10-1
T11/12---------9
T12/L1--2
L1/2---------------15
L2/3------------------〜----------50
L3/4------------------〜----------〜----------------380
L4/5------------------〜----------〜----------------〜---------3904
L5/S1------------------〜----------〜----------------〜------


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椎間板損傷の頻度を上記グラフから読み取れば、
どちらの椎間板を損傷なさる方が多いのかは一目瞭然。
腰椎椎間板ヘルニアのような腰椎に問題が起きやすいのです。
そして特に腰椎4番と5番の間の椎間板と
腰椎5番と仙椎1番の間にある椎間板に問題が置きる傾向がみられます。


これは腰椎の使い方の難しさをわかりやすく表したグラフです。


四足歩行をする動物は脊椎が地面に対して平行で
腰椎椎間板にかかる負担が少ない構造ですから腰椎椎間板損傷は少ない。
ですが二足歩行をするため立位構造体の人間には
腰椎部に上半身の荷重が係ります。
腰椎骨の使い方に問題があったり、
かかとの使い方が剛接続状に使えない、
など他多くの腰椎に負担をかけない技術を持たなければ、
腰椎損傷の潜在リスクがあるといえるのではないかと思います。
また構造力学状問題の座屈強度を人間の脊椎に当てはめれば
脊椎が長い長身の方ほど腰椎にかかる負担は飛躍的多くなる計算となります。


腰椎椎間板に問題が出た方が施術などを受けて一時的に痛みが改善しても、
その腰椎椎間板に負担をかけない動き方を身につけなければ痛みがぶり返す。
自らが腰椎椎間板に負担をかける使い方を気づかないうちにしているために、
新たに問題を構築していくことになります。
そうなるときりがないですし、
加齢とともに徐々に筋肉を作るコラーゲンの生成量が減少するため
状況が悪くなる場合もあるようです。


腰椎を技巧的に活かす技術を身につけること。
それをできるだけ早く獲得できればなにより。
最良のアンチエイジングにもなります。


たとえばアレクサンダー・テクニークやフェルデンクライス・メソッドなどで
脊椎全体を活かし腰椎の局所に負担を強いない方法を学ぶべきです。


余談ですけど、
胸椎については椎間板損傷率が低いところもありますが、
それは肋骨や肋間筋が全体的に胸椎椎間板にかかる負担を背負い、
そちらでカバーさせる結果から起こることのように思えます。
肋骨の中央に「心臓」があります。
生命維持にはこちらを死守すべき。
そうする仕組みが肋骨の鎧で作られている。
ですから胸椎椎間板が損傷していない分は、
胸肋関節や肋椎関節などがずれたり肋骨位置が変位固定されるなどの
別の問題が生じます。