側弯症傾向がある人は増えているのでは。。

側弯症という症状があります。


側弯症の場合、
どんな様子で脊椎が側弯しているかはX線写真による
ファーガソン法やコブ法で側弯の角度計測をします。
そこまではよく知られていることと思います。
脊椎のねじれは棘突起の様子をみればわかります。


ただ街中を歩いていてすれ違いざまに側弯傾向が読み取れることも多い。
左右の骨盤の振りと左右の肩の振りがどうなってるかを補助線をイメージし
観察するような動診のようなものをすればどちらにどれだけ曲がってるか、
大まかに読みとれるためです。


側弯している骨格のならびは参考になるのですけど、
仙棘筋、腹筋、回旋筋、中殿筋、腰筋、腰方形筋、
広背筋、僧帽筋、菱形筋、
そして大腰筋。
他にもさまざまな筋肉が影響していて参考になります。


私のような筋膜リリースを得意とするものは、
ビジュアルで上記の筋肉のひとつひとつの筋肉をみていきます。
たとえば大腰筋。
脊椎が左側に弯曲しているならば、
左側の大腰筋が短縮硬化してます。
右側の大腰筋は伸張硬化してます。
それをひたすら脳内でビジュアル化して眺めます。


そうすると側弯に関する情報量が一気に増えます。
それだけ対応する方法がみえてくるのです。



ただ厄介なのは、
起立筋を含む抗重力筋群は左右両側に対になって存在するものですが、
この左右両側が同時に硬くなりすぎると一見すると脊椎に側弯傾向が
あまり見られないようなことがあります。


特に筋膜が固まりだし繊維化してそれを越していくほど硬化著しいとき。
このようなときは見過ごされやすいのですが、
脊椎が側弯している様子が観察できないほど
回旋筋が骨化していてごりごりしています。
このような場合のほうがずっと解くのは大変なのです。


それに見過ごされ状態が悪くなるのを食い止めるチャンスを失っている。
私がそのような問題箇所を見つけてひたすらごりごりと解いていると、
「ようやく脊椎が曲がり始めた」という言葉をつぶやくときがある。
脊椎が曲がることができないほど椎間板が狭窄して詰まっていた状態が、
多少改善されていくと曲がり始めるのです。
左右の硬化した筋肉が同様な力で骨化して椎骨を取り巻けば
椎骨間の椎間板が垂直に縮みこみます。
前後の棘突起がどれほどのスペースがあるかを観察すれば、
その椎間板が縮みこんでしまっている様子も観察できます。
だから脊椎がまっすぐに見える状態は、
抗重力筋群が正常か
左右抗重力筋群が左右とも緊張し短縮したままかのどちらかです。
前者ならば問題なし。
後者ならば最初から脊椎にある程度のゆがみの傾向が見える人より大変。


脊椎にゆがみがあるときは左右どちから一方の抗重力筋群はゆるいから、
ゆるい側の筋肉が引き伸ばされてゆがんでいるときがあります。
そのようにゆるい側を持つ分だけ解きやすいわけです。



なんで側弯症について書いてみようとするかといえば、
本人に脊椎が曲がっている自覚はないが実際は曲がっているケースが多い。
コブ法で計った値は側弯症といえるまでではないが、
実際はその傾向を少なからず内在している人が多く見受けられるからです。


常に脊椎を支える抗重力筋群が緊張してしまい、
横になってもその筋緊張が抜けずに疲労感が抜けない。
本来は横になれば脊椎を立てる必要がないから起立筋などは緩む。
緊張負担が蓄積され縮みこまった脊椎両サイドの起立筋は容易には緩まない。
脊髄神経に深く関係する起立筋の緊張は自律神経系の交感神経を興奮させ、
常にリラックスしづらいようなことになる。
そのような様子で起立筋などの抗重力筋を緊張しつづければどうなるか。
それにより胸椎が側弯すれば呼吸器系や循環器系に影響がでるし、
腰椎に側弯がでれば胃や大腸やその他の消化器系に影響がでます。


ネガティブな影響が抗重力筋群による脊椎の側弯から起きてしまう。
そんなことを考える人は少ないのではと思います。


起立筋などの抗重力筋群は整体やマッサージなどで緊張を緩めても
本人が抗重力筋群に緊張を強いる使い方を改めない限り症状は戻ります。
また回旋筋や大腰筋などの深層部にある筋肉を十分緩められなければ、
側弯傾向の改善は一時的で元の側弯状態に戻ろうとするでしょう。
そのため身体の側弯に気付いてもセルフマッサージやエクササイズでは
改善が思わしくないこともあると思います。


そのようなときはプロの方に試ていただいたほうがよいかもしれませんね。


回旋筋や大腰筋を安全に十分に緩めるにはかなり高度な技術が必要ですから。
これらが骨のように化けているときは一般の方では太刀打ちできないと思う。