『一期一会』の仕事ぶり^^;

さきほど『NHK プロフェッショナル 仕事の流儀』を観ていて。
京菓子司・山口富藏氏がでておられました。
ご覧になられた方はおられますでしょうか?
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/080909/index.html


茶会の趣旨に合う京菓子を一見さんのお客様も分け隔てなく、
真剣に話を伺い期待に沿う見事な仕事をする。


山口富藏氏の一期一会を胸に刻んだ仕事ぶりに感動しました。


偉大な先代である父親が病に倒れ、
その代役で山口富藏氏は京菓子司の跡継ぎとなりました。
父の仕事を観て自分ならもっとうまくできるだろうというと、
父はたしかお前もなってみればわかるよといった趣旨のことを告げました。


病に倒れた父が亡くなられ本格的に山口富藏氏は京菓子司としてひとり立ち。


ですがそれから10年もの長きに渡り
「先代の仕事とはちゃうな・・・」
とお得意のお客様に言われ続けたそうです。
そういわれれば山口氏は悔しくてしょうがない。


でもそんなことを言いながらも
お客様は山口氏をひいきにし続けてくれました。
山口氏も「あきらめずかわいがって育ててもらった」とおっしゃいます。


茶会の趣旨に合わせて千変万化する京菓子を造る総指揮をするには、
幾重の難題が潜み毎回ごとに自分が考えた京菓子をお客様に披露するときは
大変緊張するといいます。


お客様との一期一会を考える姿勢があったからでしょう。

        • -

そのような教えの詰まった番組を見ながら、
我が身を振り返ります。


ワークをはじめた当時。
つたない施術技術しかありませんでした。
当時も多くの情報をかき集めてベストを尽くそうとしていました。
ですが今考えればそれはどこに進むかさまよい歩く真っ只中です。
施術という人の体に触れる責任の重さに常に重圧を感じ続けます。
施術が徐々に深く見え始めたとき、
山のような難題があふれ対応しきれぬ敗北感。


ひとにお話できない恥ずかしい話です。。。。。


おそらくこの感覚は施術を志した誰もが感じるときがあるのでは。


でもそんなときにあきらめずにこれたのは
かわいがって育ててくれたお客様がおられたから。


たまたま昨日のワークでは、
体の硬さでは西日本の横綱と呼ぶ和歌山県白浜から10年来、
きていただいているお客様のワークをさせていただきました。
遠方より飛行機や高速バスや新幹線などで数ヶ月に一度の
ペースでお越しいただいております。


本当に硬いお客様でして^-^;。


今もそのワークが終わったあとは
ワークをさせていただいた私の体はぼろぼろです。
でも昔はもっともっとぼろぼろになりました。


「なんでそんなぼろぼろになるほどやるの?」と、
とある方にいわれることがありました。


私には、
『何らかの事情で今目の前にいるお客様がまた来ていただける保証はない』
という気持ちが毎回のワークであるんです。


それでしばしばワーク時間超過で
多大なご迷惑をお客様におかけしております。


ただ過去にそう考えさせられた強烈なエピソードがありましたから。


今、しなければならないことは今しかできない。
次がないときもあるんですよ。。。


いつしか自分のなかではこの緊張感が「一期一会」の気持ちに近づき、
自分の技能を少しずつ向上させていただけたのだと感じてやみません。


最後に。
「10年前のワークと比べると、
本当にワークのときの痛みが少なくなったわよね〜」
と今回のワークでもおっしゃっていただけました。


昔のやり方は本当に痛かったのです。
ずいぶんと申し訳ないことをいたしました。
でも硬化どころか骨化した筋肉が体のあちこちに散在していては
それを放置して消えることはほぼありえません。
私としても嫌われ役になりきって解くしかない。


それは私にも不本意なことです。


だから必死に痛みが少なくなり同時にもっと深くリリースできる方法は?
とずっと考え続けてきた。


その成果により
「痛みが少なくなったわよね〜、
だってメールの返信を打てちゃったもの」といって
ワーク最中のメール送信完了。
^-^;



ボディワイズではいつでも必要なメールや電話なら出ていいですよ、
といいます。
そういうところはゆるーい姿勢でして。