肉と骨が分かれるように


すぐれた水泳選手の筋肉を触ったことがある。
分厚い筋肉はやわらかく芯にある骨のエッジを触診するのがカンタン。


たとえば人間の足の大腿骨の太さは個人差はあるといえ、
太い場所でも手の指の親指と人差し指で輪を描いたくらいです。
そしてその水泳選手の大腿骨を観て、
人の大腿骨はそんなに太いもんじゃないのだと実感させれれます。


ただそのような御仁もいるのですが、
ボディビルを師匠なしで練習してしまい、
骨に肉がこびりついて骨が大変太く感じる人もいます。
骨に肉が硬化して次第に骨化してしまうと、
どこまでが骨かは触っただけでは判断できません。


骨が細く見えるような骨と肉が分かれる人と骨に肉が癒着している人。


運動効率がまったく違いますね。


筋肉が柔らかければ少しの筋収縮運動で強い力が取り出せますよね。
やわらかくしなやかな動きがかなえられ、
筋・腱・靭帯・骨がバランスよく作動できるでしょう。
姿勢を正しい位置に戻す反射も正常に機能するでしょう。


すでに肉が硬化して縮んだままの部分はたくましく見えても収縮率が低い。
筋肉はいま休んで弛緩している筋肉が縮むときに力が取り出せるんです。


筋肉が硬ければ硬い筋肉では収縮力は小さく非力で同時に硬化した筋肉を
無理にでも押しつぶさないと必要量の筋収縮力が得られないこともある。


「体の中にギブスが埋め込まれていて、
それを縮めないと正しい位置にまで体を運べないから疲れるんですよね」
と評するときがあります。


骨の間際の深層内側に動脈管や神経が位置しているので、
代謝や神経のダメージも受けやすいようになります。
体に障壁のようなブロックはないほうがよいでしょう。


できるだけ骨と肉が分かれることができるような運動を心がけたいですよね。


たとえば腕や足ならばその中央にある骨を中心にして
適度にねじりが加えられる動きには骨と肉が分けられる動きに
つながると思います。
肩部分や股関節のローテーターもそう。
言葉で表現するとイメージがつかみにくいですが、
体の中心部かららせん状にねじれた筋膜組織を
ねじりを強め負荷をかけたりその負荷を解放してみたり、
というような動きを繰り返すとき。
私の感覚では骨と肉が分かれる感じになります。


らせん状に並べられた筋肉を縮めたり伸ばすことで、
関節のずれが少なく体の中心軸に影響が少ない動きができます。
中心軸のフォームを崩しづらい動力源は使えます。