マッケンジーテクニックの本が最近よく出版されていますね。
例えば一般書として平易な本では『自分で治せる! 腰痛改善マニュアル』や専門書では『マッケンジーエクササイズ腰椎』など。
他にも多数、続々と出版物が増えているみたいです。
腰痛を改善させる自己治療ができる運動療法。
椎間板に対するエクササイズを中心とする治療法です。
実際に腰痛を持つ方が本を読んで
マッケンジーテクニックをトライしてみれば成果が出るでしょうね。
それはイメージできます。
このテクニックは、
偶然の産物としてできあがったものだそうです。
リクライニングできるカウチベットのような仕組みのベットがある治療所。
(医療用のベッドの面の角度調整できるベッド)
そこに重症の腰痛患者が通っていたが改善しない。
そんなときに前の患者様の施術をした後に
ベッドをリクライニングさせた状態でした。
そのベッドにうつ伏せで横になって待つようにと医師が指示。
ただ医師はベッドの上半身部分が
リクライニングされて起きているとは気付いていない。
患者様はうつ伏せで上半身をくの字に
腰を上体そらしのように反らせ持ち上げている。
実は腰痛患者が腰を反らせるのはもっともご法度。
してはならないスタイルとされていたのです。
だから医師がその患者が腹ばいで反りがきつくなるようなくの字。
イメージで言えば下半身を地面につけたまま
上半身だけ腕立て伏せをして持ち上げるような状態でしょう。
患者様がそんな最悪な姿勢をしていたとはつゆも知らず。
気づいたときはすでに時間が経過していた後でした。
「なんてことをしているんだ!」と緊張が走ったことでしょう。
なんてことをさせてしまったんだ、という気持ちかもしれません。
でも患者は「腰痛が治った」と喜んでいる。
その声を聞いてロビン・マッケンジー医師は驚いたでしょう。
患部を温めて超音波を当てるという治療では、
一向によくなる兆しがなかった腰痛が、
もっともしてはならないという常識的な姿勢をすることで改善した!
それは事実です。
でも、その仕組は?
偶然訪れた天使がもたらしたような体験が、
マッケンジーテクニックを生み出しました。
今は相当にそのテクニックも進化している。
誰もが容易にできるような簡単なエクササイズばかり。
だが簡単なエクササイズなのに、
腰痛が軽減していくといいます。
そして手技療法は必要ないケースが多いと書籍の中で語られています。
そうであるならばすばらしいことですよね。
施術家としては生活の危機ですが、
苦しんでいる人が改善していくならば是非とも広まって欲しいものです。
人間はときにはちょっとタブーを踏み越えてみるのもいいのかもしれない。
なにも深く検証せずに思い込みでタブー視にするのは良くないのでしょう。
そんな教訓を与えてくれたような気がしますね。