役割を与えるということ


肩や首などの緊張性筋膜炎が元で、
頭部を取り囲む頭皮や側頭筋や咬筋等の萎縮が常態的になり
偏頭痛を起こしてしまうケースがあります。


一時的な精神的または肉体的ストレスのときは急性の頭痛程度です。
一過性ですから本人も痛かった時があるな、ほどしか覚えがありません。


ですが一時的なストレスが終わりなく連続すれば、
それは一過性の頭痛ではすみません。
一過性で緊張性筋膜炎が生じた筋肉の萎縮は繰り返されて
筋組織が徐々に柔軟性を失っていきます。
常態的な硬さとなり、徐々に深層筋まで根を張ります。


すると...
頭皮は下降してくる。
頭蓋骨の形状が問題がでて、
頭蓋骨の縫合部分の動きが減少。


頭蓋骨の縫合部分が開いたり閉じたりすることで、
脳内の脳脊髄液が下方にポンプ効果で送られます。
それがうまく機能しなくなると、
脊髄を通して脳から体の各所に送られるべき脳脊髄液が脳内にたまりすぎる。
すると脳脊髄液は神経系の栄養源になる性質上、
自律神経等が栄養不足となり機能しにくくなる。


側頭筋や咬筋などの顎の動きに問題が出るような部分が腫れたり。
胸鎖乳突筋や斜角筋が癒着が進んで耳の下に頚椎から飛び出たような
とげのように感じられるしこりが出てきてしまえば耳の機能へも影響。
ときにはキーンという耳鳴りがやまなかったり、
突発性難聴に近い不具合を感じることもあるようです。


他にもいくつかみていくべきものがあるのですが、
スペースの関係上この程度にとどめておきます。


ではなぜこのようなことが起きているのでしょうか?


自動車事故等でむち打ち症になってからという、
外傷性の問題が起因することもあります。


そのようなときは事故を起こしたときに体にインプットされた衝撃波が
体内の筋膜に癒着という形でレコードされているときがあります。
それはちゃんと抜いていかなければなりません。


そうではなくて、
たとえばパソコンでの根を詰めたお仕事をなさっておられて、
気づくと呼吸が浅くなってパソコンの画面に顔が近づけられてしまう。
そのようなときは、
頭部を頚椎を含めた脊椎で支えられない状態で長時間作業をしていて、
そのあいだじゅうずっと問題になるだろう首の筋肉を緊張させたり
肩を持ち上げてしまっていて、
ずっと極度の自分では気づかない筋トレをしている。
または普段の姿勢が問題がある場合や、
何らかの習い事やトレーニングなどで、
不注意な負荷を強いていることもある。


筋肉なんて3分でも筋緊張を強要すれば萎縮する。
筋緊張が血管を圧迫して血行が悪くなるんです。
そのことに気づかなければ、
そして本来は体のなかに眠らせている、
体を支える筋肉や骨の役割を活用できなければ、
その状況から抜け出せません。


たとえ施術で一旦は緩めていただいても、
時期にまた同様な体の使い方をして過酷な筋肉の使い方をするならば、
以前かけた時間よりもずっと短期間にまた同じ程の硬さになり不調を感じる。
そうなると終わりがないんです。


一般的には専門性が高いことのように見えますが、
自動車のバックミラーがついているのはどういう意味でついているの?
バックミラーがあるのに首を事あるごとに後ろに大きく振り返るようでは
運転がしづらくてしかたない。
あるんだから使いましょうよ、程度の問題です。


体の脊柱起立筋群はどうして付いているのという、
そちらの存在を認識してそちらの役割を引き出さなければなりません。




そういったところまで注意深く見つめていくかどうか。


私は大切な事だと思います。